本朝徒然噺

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キモノでお稽古へ

2006年03月21日 | 長唄のお稽古
歌舞伎座の昼の部を観た後、三味線のお稽古へ向かいました。

この日はたまたま、お稽古日が祝日と重なっていたので、キモノでお稽古に行くことができました。
師匠のお宅へ着くと、奥様が「あら、今日はお着物で、いいわね~! お芝居に行ってきたの?」


奥様がコーディネートをほめてくださったので、うれしくなりました。
羽織を脱ぐと、若草色の無地紬に黒地の塩瀬名古屋帯という、年齢にしては地味な取り合わせになってしまうのですが、「若い人が地味な着物を着るのっていいわよ~」と言ってくださったので、地味好みの私としてはうれしい限りです。

帯の柄(貝合わせ)もきちんと見ていてくださって「今の季節にちょうどいいわね~」と言ってくださったので、締めてきた甲斐がありました。
季節や場面を意識したコーディネートは、自分で楽しんでいるだけでも気持ちが弾みますが、こうしてきちんと見てくださる方がいると、がぜん“やる気”が出ます(笑)。


ちなみに、師匠はご自宅でのお稽古の日には、必ず着物をお召しになって弟子を迎えてくださいます。
ご自宅にいらっしゃるとはいえ人を出迎えるので、木綿ものやウールではなく、紬をきちんとお召しになっています。男性ですから羽織もお召しになっています。
師匠よりもラフな格好にならないように、しかし普段のお稽古なので格式ばったものにせず、かつ、歌舞伎座に行くことも考えて……と考えて、無地の結城紬にしました。

この無地結城は機械織りの安価なものですが、それでも着物の格としては、無地以外の紬よりあらたまったものになります。
たとえ無形文化財指定のものでも、亀甲や絣のものは普段着にしかなりません。だから「贅沢」なのです。
着物を選ぶときには、値段の高い・安いやブランドで判断するだけではなく、着物の格やTPOなどを考えることも、重要な要素の一つではないかと思います。

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