≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

ウィリアム・H・マクニール 『 疫病と世界史 』

2008-01-16 12:31:28 | 本 (ネタバレ嫌い)
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人類の歴史を、ミクロ寄生:疫病 と マクロ寄生:農民に食べさせてもらっている人たち、
という視点で通して見ている。
ああ、あんなこともこんなことも知りませんでした!
ライムジュースは壊血病には効かない、とか。 これは大した重きはないか。

アフリカが特別なのがよく分かった。

仏教、儒教、キリスト教等、いろいろな人の考え方が歴史に現れてきた背景、
という発想が新鮮に思えた。

なんといっても、アステカ帝国の崩壊がドラマチックだ。

わたしは過疎化すすむ山村に住んでいるけれど、新興住宅地のベッドタウンで生まれ育った。
それなので、コウモリみたいな、
どっちつかずの考え方をしている、もしくはどちら側の考え方も分かる、のだけれど、
なかなか難しい問題だよなぁ、とずっと思っていた都市と田舎の問題というのが、
こうも昔からずっと続いてきている問題だとは知らなかった。

公衆衛生、というのは、人類トータル、あるいは地球環境トータルの眼でみるとまた違った意味を持つだろうが、
自分個人の幸福という点では、とても役に立っているのだなぁ、と改めて感じた。

ところで、わたしの身近にいる、「自然」 な生活がしたくて山奥に越してきた人たちの中に、
予防接種を否定して、自分の子供たちに受けさせない人がいる。
大人になってから罹ると大変なことになるのに、と、改めて思わずにはいられなかった。

アイルランドのジャガイモの話が出てきたが、
ラリー・ザッカーマン 『ジャガイモが世界を救った』 を読んでいたので、ああ、それそれ、と面白かった。
(すごく読みにくい本です。)

生物の適応、という視点で読んでいってもとても面白い。
わたしがとても影響を受けた本、ジョン・バーリン 『森と文明』 では、
一貫して森林破壊と文明の栄枯盛衰という視点でものが語られているが、
『疫病と世界史』 の世界史の捉え方と重ねてみると、なお興味深い。

最近は地球温暖化、という新たな大きな地球環境の変化もある。
東京湾で休眠しているコレラ菌、蚊がもたらすマラリアやデング熱、
怖いことがいっぱいだ!!

これから先、人類は一体どうなるのでしょうか?



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4 コメント

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Transitionさん、こんにちは。 (斑入り山吹)
2008-02-04 14:06:21
コメント、ありがとうございます。
かなり大雑把に括ったことを書いてしまいました。
返信する
日本のマラリア (Transition)
2008-02-03 20:36:24
>蚊がもたらすマラリア

温暖化が進んでも、日本で土着マラリアが流行する可能性はほとんど、ありません。今より、寒冷だったといわれる明治時代の日本(北海道~沖縄)で、土着マラリアが流行していたのは、住居が劣悪で、夜間、多数(例:50~60匹)のハマダラカが、住居に侵入したのが、主な原因であるとしか思えませんから。
返信する
カエル好きの折紙作家さん、こんにちは。 (斑入り山吹)
2008-01-19 12:27:26
何が起きるか、予測不能ですね。
あまりダメージを受けずに乗り切れればいいのですが。

ところで、蜂の巣はどうなりました?
返信する
異常気象 (カエル好きの折紙作家)
2008-01-17 18:20:52
小生は海外のお客さんを相手に仕事をしていますが、何処の国のお客さんもやはり天気の話題は無難で商談前のSay Helloで必ずと言っていいほど出てきます。
最近気が付いたのですが、あちこちの国のお客さんと天気の話をしていて、何処の国お客さんも今年の天気は異常だと言います。暑い国で涼しかったり、冬が来なかったり。
先週出張に行って来た香港も22℃ありました。小生が住んでいた頃は香港でも冬は15℃を切るくらいまでに下がっていましたが。
今年の風邪はしつこい、というような毎年のフレーズと同じであればいいのですが、やっぱり肌で感じますよ、世界中の異常気象を。

ちなみに小生またこれから香港です。
行って来ます。
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