ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話。

三種の木の学習机セット

2017年04月19日 | 木工
催事で数日間留守にしたら、陽気がよかったせいであっという間にソメイヨシノが開花して散っていました。





通勤路の花びら。






工房の横の桜並木。









三人の御兄弟のために三台の学習机を作りました。

せっかくですので三種類の木を使って三セット作りました。






これが図面。

小ぶりな机、机の上に本立て、その横に引き出し。
引き出しは机ほど奥行きがいらないので引き出しの奥にも本棚。






机の幕板と足を結ぶ仕口です。
40mm角の足に30mmのホゾが入るので中でこのように避け合っています。






部材ができました。






組み立て。

部材を作り上げるのにはけっこう時間がかかりますが、組み立てはあっという間です。






狭いところにネジをもむのにはこのようにラチェットドライバーを使います。







机の中の構造はこんな感じ。

甲板の狂いを抑え、伸び縮みを邪魔しない構造上の工夫があります。







取っ手。材はブラックウォールナット。






引き出しです。

左からクルミ、ブナ、サクラ。






ブナ材のセットを並べてみました。

工房が品物でいっぱいで、すべてを並べられません。






引き出しにはキャスターが付いていて後ろの棚にアクセスする時には引き出しを動かします。







三種の材の机。









学習机を作る時は導管の無い、あるいは小さい樹種を使います。
表面が平滑でないと薄い紙のプリントなどに字を書くのに具合が悪いからです。
具体的にはサクラ、クルミ、ブナなどで、今回作った机の材です。


せっかくですのでその三種の板の表面のアップ写真を載せておきます。
地味な写真ですいません。







サクラ(ヤマザクラ、本桜)

穴はありません。薄いピンクです。






クルミ(オニグルミ)

小さい穴があります。赤味のある茶色。






ブナ

穴がありません。白い材です。



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新色のペーパーコード

2017年03月28日 | 木工
ペーパーコードチェアの御注文を何脚か頂いたので、一脚在庫分を作りました。

せっかくですので、仕入れた新色のペーパーコードを使って座面を張ってみました。





こんな藍色です。





これはメーカーにもらった見本。
実はこのくらいバリエーションがあるのですが、どれもあまり気に入らず、黒以外は使ったことがありませんでした。

違う店で今回の藍色を見つけ、まあまあかと思ったので試しに使ってみました。







同じロットで作った木地の従来の藁色のものと比べてみます。

いかがでしょう?

注文さえ頂けば何色だって作りますけど。



張った感じは藁色に比べて藍色のコードは引っ張ってもほとんど伸びません。

色褪せなどはどうなのか、しばらく様子を見て見ましょう。
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クルミのテーブル

2017年03月27日 | 動物
三月も末なのに、二日ほど続けて雪が降りました。
東京では桜が咲いたとのことですが、山村は梅が盛りです。




村に来た頃、「ゴールデンウイークくらいまでは雪に気をつけろ」みたいなことを言われた覚えがあります。

朝起きたら白く、日中は雨になって屋根から雪が落ちてきました。
道には積らず、通勤には影響なし。







大きなテーブルを作って納品してきました。




この写真は1月15日。
今はこんなに雪はありません。

この一番奥にある材を取りに行かなければならないのですが、
雪があるのでフォークリフトが使えません。
というか、かえってフォークリフトが邪魔です。






雪の上を引きずって板を運びました。

長さが3.5m、幅は60cm、厚さは7cmあります。






長さに切って工房内に入れます。

この二枚の板を使ってテーブルを作ります。
材はクルミ。
10年以上寝かせた秘蔵っ子です。






削りました。


綺麗な木なのですが、入り皮のある丸太でした。

入り皮とは、木の幹の中まで皮が入り込んでいる材の様子です。
製材するとバラバラになってしまうこともあります。

この入り皮による傷が無ければ2mの長さで幅が90cmのものが取れたのですが。





お客様と念入りに相談して、このようにカットすることにしました。







これは足。

甲板と同じ丸太から取れています。








さて納品。


今回の納品は片道7時間のロングドライブ、日帰り。





5時に出発。





日本の背骨を超えていきます。






お客さにお手伝いいただき、無事納品。

お得意様ですので、何年も前の私の家具も迎えてくれました。




これからもご家族の幸せな時間を過ごすお供になって頂ければ幸いです。


名物の鰻を食べてとんぼ返りです。


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ブラックウォールナットという材

2017年02月16日 | 木工
ブラックウォールナットという材木があります。

北米の西海岸に生えるクルミの一種で、黒い色が特徴です。



この材を使うお仕事をふたつ頂きました。


ブラックウォールナットは何年か前に「いいのがあるよ」材木屋にすすめられ、借り入れをしてかなり多めに買ってあります。

その材は56mmほど厚さですが、今回作るものは30mm厚とか20mm厚とか6mm厚のものが要ります。

56mmのものを割いてみることにしました。







材の幅はそんなに広くないので昇降盤で割けます。
昇降盤とは丸い鋸刃が付いた機械です。


木という素材はストレスを持っていて、真ん中で割いたりすると、とたんにひん曲がってしまうのが普通です。
その際、鋸刃を締め付け、時には鋸の回転を止めてしまうほどの力があります。
曲がってしまえばそのままでは次の加工に移れず、それを平らに直すと薄くなってしまいます。
割いて使うに場合は厚みに余裕を持たなければならず、
欲張ってギリギリで使えるかと甘く考えてかかると何にも使えず材を無駄にすることになります。


ところが!

今回使ったブラックウォールナットは、割いてもほとんど動きませんでした。

歩留まりがよく、経済的なことこの上ありません。






ブラックウォールナットはその黒い木肌が美しく、とても人気のある材です。

値段も高く、私が普段使っている材の4、5倍します。

別に秘密にするようなことではないのでお話ししますが、

普通の材とは15~25万円/㎥ですが今回使ったブラックウォールナットは75万円/㎥です。


ブラックウォールナットも探せば30万円台のものもありますが、
節があったり狭かったり色が悪かったりで、結局は相場なりのものです。

そんなに掘り出し物なぞはありません。



鉋をかけてもかけやすく、ペーパーをかけてもよくかかり、きれいに仕上がります。

適度に粘りがあり、持ち重りがし、硬質でありながら温かみもあり、艶があり奥深い光沢がある。

出来たものは凛とした雰囲気を漂わせ、ちょっと腕が上がったのでは?と錯覚してしまいます。



う~む。

やるな、ブラックウォールナット。

高いだけのことはあると認めざるを得ません。




結局、56mmの材から30mmと17mmのもの、

あるいは17mmと17mmと6mmなどというように驚くほど効率よく材を挽き分けることができました。





出来たもの。




足が30mm角、板厚が17mmの本棚と、30mm厚材の椅子。





引き出しの中まですべてウォールナットを使いました。

このブラックウォールナットの美麗な本体で、閉めれば見えなくなるといっても、他の材はもう使えないでしょ!
というプレッシャーをギシギシと感じてしまいます。




この同じ板材達から分かれた二つの家具は全く違うお客様の所に行きます。




この樹を日本でも育ててみようという試みなどはなされたことがあるのでしょうか?

防疫や気候などの問題をクリヤーし、100年後に大儲けを狙う林業家はいないものでしょうか?





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物書き机の製作

2017年02月12日 | 木工
2月10日、雪が降りました。





積雪は2cmくらいでした。

今はほとんど融けています。






大人が使う机を作りました。




こんな図面。

足の加飾などはお客様のご要望です。



甲板はぜひ一枚板で!とのご要望で、本桜(ヤマザクラ)の板を探して仕入れました。

長さが1m強、幅が60cm、厚さが6cmの板です。

シラタを捨てて赤味でぴったり50cm幅が取れ、間口も1mで良いとのことで、その辺の歩留まりはほぼ100%な素材でしたが
ぐわっと反っていて、これを平らにしなければなりません。

製材所に持ち込もうかと悩みましたが、自分で削ってしまうことにしました。





天気も良いので外で作業。

定規を当ててみるとこんなに反っていることがわかります。

幸い、ねじれはほとんどありませんでした。







片面を削り、




裏返します。

こんなに真ん中が盛り上がっています。








荒削りしてしばらく置いておき、板が落ち着いてから仕上げをします。
手鉋で根気よく削り平らにしながら表面をきれいにしていきます。

あんなに反っていた板ですが、その後はいい子で動きませんでした。




仕上がった表面の様子。

結局60mm厚の板が35mmに仕上がりました。

まあまあでしょう。







足の加飾挽きは原寸大の図を描いてデザインを検討します。






ホゾ穴などの加工を終えた足の部材を旋盤にかけます





まず円柱状に加工し、





刻みを加えていきます。






四本無事に出来ました。

お団子の様です。






幕板が広いのでホゾは二枚にします。







このような机は中の構造・細工が結構面倒です。







出来ました。







苦労した甲斐あって綺麗な甲板の机になりました。








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