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≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

鳥生真理絵『バロックヴァイオリンで聴くバッハ』を聴きに行った。

2025-08-21 16:45:27 | 音楽

音楽を聴きに行く先はたいてい東京たまに松本なのだが、地元というには少々遠いけれど、群馬県高崎市にある アトリエ ミストラル でバロックヴァイオリンのソロ演奏が聴けるというので、5月11日に行ってきた。
今年の1月にバロックヴァイオリンとテオルボのデュオ、みのりてんデュオを観たが、今度はがっつりソロのバロックヴァイオリンだ。
このコンサートの目玉は『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番とパルティータ第2番』。
有名な 組曲パルティータ第2番の最後の曲シャコンヌが バロックヴァイオリンの演奏でがぶり寄りで観れる、とあれば行くでしょう!

このコンサートのチラシがアップされている鳥生氏のインスタ


アトリエミストラルは銀行だった建物を改装しているそうで、専用ホールっぽくない。
ステージは、高くなっているわけではない。音響用の衝立があるからそうだと分かったのだ。

そういえばそんな衝立を松本で見たばっかりだったっけ。
脇にテーブルがあって、そこにバイオリンと弓が3本くらい置いてあった。3ヶ月以上まえで記憶が定かでないのがもったいない。
バイオリンは駒が低く、弓もモダンなものとは長さも形も違う。1本は毛の色も違った。ガット弦をよく見たかったが、これから演奏する大事な楽器をそんなに近くまで迫って見るのはダメだ。

ジョバンニ・バッサーノから始まって、ハインリヒ・ビーバー、ジョン・プレイフォード、そしてヨハン・セバスティアン・バッハの曲を演奏した。大まかには古い順ですね。
時代に合わせた弓を使うだけでなく、鳥生氏のバイオリンを構える位置も上がっていった。
左手が楽器の保持をせず指板を激しく上下できるように 最終的には顎で楽器を挟むようになり、楽器はより高い音を出せるよう指板が伸び、より大きな音が出るように弦が金属になり、テンションも強くなるように駒が高くなりそれにあわせて指板のつく角度も変わり、弓も毛のテンションが強くなるために反るようになったらしい。
その時代のバイオリンがどのような曲を演奏したかの変遷があらわれるんだな。ずいぶん変わったなあ。
先日受けた古楽セミナーでも感じたが、今ある楽器が確たる楽器で未来永劫あり続ける、なんてことは全然ないんだな、としみじみ思った。生物の進化みたい。

バロックバイオリンの音色はしっとりしていて、わたしは好きになった。
ぶっちゃけモダンバイオリンってけたたましくて感情的過ぎでわたしは疲れるとか思っているところもある。弾いていて耳が痛くならないのだろうかとか思う。
個人の感想です。バイオリン好きな方、すみません。

鳥生氏の演奏の合間の話も演奏同様 真摯な雰囲気で興味深かった。
楽器を演奏するときはフレーズを歌うように、って耳タコ案件だが、バロックバイオリンは 歌うというより話すように、という鳥生氏の言葉が印象深かった。
ガット弦や弓の馬の尾の毛は温度/湿度に敏感に反応するそうで、真夏と真冬はコンサートに向いていない、と言っていた。納得。

大バッハのソナタとパルティータは連続して演奏されなかった。飽きさせない並びでよかったと思う。
トリが例のシャコンヌだった。いやあ、パルティータの組曲のまえ4曲を続けて弾くのも大変だなあ、と思ったのだが、そのあと続いてこの大曲だ。プロはすごいなあ。疲れやあらを見せずに弾き切った。ああ、いい曲だ。
そしてアンコールはなし。
そうでしょう、そうでしょう! この余韻を壊したくないもの!

みのりてんデュオのときは生テオルボを見たい!という気持ちが強かったが、今回はバロックバイオリンをじっくり堪能いたしました。
鳥生真理絵氏の演奏は素晴らしかった




 
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『古楽金管と合唱のコラボセミナー』に参加した。

2025-08-19 18:28:35 | 音楽

金管楽器でも合唱でもなく、パイプオルガンで通奏低音するクラスで参加しました。
ゴールデンウィーク真っ只中につくばで合宿です。

通奏低音とは、ええっと、ウィキのリンクを貼ります。
楽譜に全部書いてあるわけではなくて、ベースラインと数字が書いてある。ベース音を基準にした度数が数字で表されていて、一緒に鳴らすと和音になる。
和音の重ねだけでなくタイミングなど、状況に合わせてゴージャスに鳴らしたりシンプルに鳴らしたり、演奏者の裁量技量がものをいう。楽器もチェンバロやオルガンという鍵盤楽器だけではなく、テオルボやヴィオラ・ダ・ガンバのように和音を鳴らす弦楽器も用いられる。
楽譜に書いてあるものだけをその通りに演奏しなければならない、という信仰?がクラシック音楽界隈にはあるようだが、古楽はそうではないようだ。
数字を読んでメロディーに合わせて和音をつける、ってジャズやその流れをくむポピュラー音楽みたいだね!

などとのんきに構えていたこともありました。

いざ、楽譜がクラウドにアップされると、戸惑いばかりだ。
一応ト音記号とヘ音記号は読めるし(でもハ音記号はいちいちたどらないと読めない)、ジャズやポピュラー音楽で使うコードは分かるけれど(転回した和音が別物になるのは慣れない)、まあその程度のわたしが果たしてちゃんと通奏低音出来るのか !? (いやどう考えてもムリ)
どの曲を練習していったらいいのか !?
そもそもプリントアウトした譜面をどのようにつづればいいのか !?
全部分からない。 相当見当違いなことをしまくった。
みなさまにはたいそうご迷惑をおかけしました。
ジェットコースターでぐるんぐるんと振り回されたような3日間だった。

色々な楽器が登場したが、全部変だった (^_^;)
いやあ、現在使われている楽器には前身が存在するんですねえ。
全部の楽器が参加する曲では、迷子になりそうになったらオルガンやダブルリードの木管楽器のドルツィアンを聴いて頼りにしろ、というアドバイスが記憶に残った。
ドルツィアンのようなリード音って通るんだよね。
通奏低音クラスの3人で分担したアントニオ・カルダーラのテ・デウム、上手く演奏できたわけではないけど気に入った。
有名なゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルのハレルヤを歌えて楽しかった。
合唱指導の福島康晴氏のファンになりました。
アマチュアは触れるような代物ではない素敵なオルガンを弾くことが出来て幸せでした。
来年はもう少しお荷物にならないようにしたいです。

チラシの裏側:

最終日の発表会の動画があったりする。アマチュアが数時間合奏練習しただけなので、推して知るべし 



 
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郡司和也&桒形亜樹子デュオ・リサイクル ~2台チェンバロの饗宴~ に行った。

2025-08-18 18:35:01 | 音楽

4カ月近くまえのネタですみません。
ヴァージナルとクラヴィコードのコンサートを見た2日後のネタです。
気ぜわしくてカメラを忘れました。家に帰ってからチラシの両面を撮影しました。すみません。


記事をためないように、と思っていたはずなのに、ふと気づけば過去最大にためまくってしまった。5~7月にいっぱい予定が入って余裕がなかったのだ。
書かない間にネタばかり積み上がる。積み上がると億劫になる。どうすんだ !?
書かないという手もないわけではないけれど、忘れっぽい自分のためにアップしたいとも思う。
でも多すぎる。
まあそれで次善の策として、短い記事をアップしてしまえ、ということにする。なんだかねえ。ネタには金も労力もかかっているんだけど。
記事の更新がなくて心配してくださった方、どうもすみません。

.............................................................

松本市音楽文化ホール恒例のチェンバロリサイタルである。わたしが観に行くのは4回目。
昨年はソロで、一昨年はオーボエの吉村結実氏とのジョイントだったな。
2台チェンバロの演奏を観るのは初めてだ。レアな チェンバロとピアノの共演 は観たことがあるけれど。

昨年や3年まえのときと同様に舞台の上にチェンバロが2台並べられていたが、今回はホール所有のファン・エメリック製作 フレミッシュ様式2段鍵盤チェンバロはなく、2台とも島口ハープシコード工房のものだそうだ。
パンフレットによれば、どちらも1769年パスカル・タスカン作楽器の複製で、片方の2000年製作の緑色の楽器は昨年のリサイタルでも使われたものだ。25年経つのかあ、と思うが元ネタの1769年を見てしまうとつい最近のような気がしてしまう。
そして、今までと大きく異なるのは、チェンバロのうしろに衝立があったこと。音響的な目的だろう。


演目の前半はフランソワ・クープランだった。
桒形亜樹子氏がひとりで演奏したり、郡司和也氏と2台チェンバロ演奏したりした。
後半はジャン・フィリップ・ラモーやヨハン・セバスティアン・バッハの曲で、郡司氏のソロ演奏もあった。
チェンバロのソロ演奏でもなく他の楽器とのアンサンブルでもなく 2台、というジャンルもあるんだなあ、と思いました。
当たりまえだがソロチェンバロのより音が多くなってゴージャスにもなる。
チェンバロを2台ならべる贅沢、というのだろうか。なるほど、饗宴でした。

桒形氏が演奏の合間に話される曲の解説はとても面白い。そして話が終わるとパッと切り替わってすぐに演奏される。
チェンバロのまえに座って弾くまえに時間をとったりしない。なんかすごいと思う。
桒形氏の話も面白いけれど、演奏がとても好きなので何度も聴きに行っている。
テンポというかリズムというかノリというか、そこに特に惹かれる。


コンサート終了後は松本市音楽文化ホールのチェンバロ講習会の受講受付がある。
受付にある用紙に氏名を書くのだが、上から書いていくので何人応募したのか分かる。
かつて講習を受けたことのある人たちもコンサートを聴きに来ていて、その中には顔見知りもちらほらいる。
用紙を覗き込んでは 今年の希望者は少ないみたいよ、初回ではない者のチャンスが多そうよ、と話す。
申し込んじゃう !? 申し込んじゃう !? と互いにささやいて、なんと3年連続でチェンバロ講習を受けることになりました。
ちなみに今年のテーマは『イギリスの音楽に親しもう!バードからパーセルまで』。
ウィリアム・バード!そこらへんがわたしは一番好きです




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古宮修治 ヴァージナルとクラヴィコードの古楽音絵巻 に行った。

2025-06-08 15:22:30 | 音楽

記事を溜めないのが目標だったはずなのに、気付けば1ヶ月以上経っている!
5月は色々なところに行ったりしたので記事が渋滞だ。

さる4月25日に、チェンバロではなくヴァージナル、そしてかそけき音のクラヴィコードによるコンサートを聴きに カルッツかわさき に行ってきた。
演奏するのは 古宮修治 氏である。
会場に入るとクラヴィコードとヴァージナルが並べてある。なぜかその間にフェルメールの絵が飾られている。

左のクラヴィコードには両側からマイクが向けられていて、足元にスピーカーが置いてある。
やはり なま音で会場に音を行き渡らせるのはムリだよね。

プログラム。


古宮氏は当時の衣装で現れた。途中2回変えたので、3種類の格好を見ることが出来た。
ビラビラした襞襟やロン毛のカツラはなかなか暑そうだ。
このコンサートについて古宮氏が自身の facebook にアップされている。プログラムの内側や裏側も見ることができるし、衣装を纏っての演奏動画を見ることができるので興味のある方はどうぞ見に行ってください。


曲は時代に沿って演奏された。
最初は『ロマネスカによる変奏(作者不詳 16世紀中葉)』のヴァージナル演奏だった。
アルビコルドという、ビリビリ響く特殊な効果を出す装置を稼働させていて、オープニングにふさわしい賑やかな曲だった。


弦のナットレールに沿って装置があって、動かすと弦に金属片を近づける。そうするとギターでいうビビリ音が出る。


ヴァージナルとチェンバロの違いの説明もあった。まあ見た目からしてぜんぜん違うよね。
チェンバロの弦は演奏者の向こうの方へ張られていて、楽器の姿は細長く華奢なグランドピアノのようだ。
ヴァージナルの弦は真横に張られていて、楽器の姿は上の写真のように箱形で 手前の辺の中央部がへこんでいてそこに鍵盤がある。

プログラムの右側、ヴァージナルの楽器解説に
「400年前に大流行したチェンバロの一種。弦の中央部分をはじくことで発するふくよかな音が特徴の今回の楽器は特に「ミュゼラー」と呼ばれます。」
とあったので、家に帰って 日本チェンバロ協会編『チェンバロ大事典』で「ミュゼラー」を調べてみた。
p.18
「弦の中央部分を弾くミュゼラー型は偶数倍音を欠いたきわめて独特の暖かい音がする。」
とある。

弦の撥く場所によって出される音に含まれる倍音の割合が異なる、というのは分かる。でも偶数倍音を欠いた音、というのがどういうものか分からないので調べてみた。
物理学だー。波動だー、音だー。
固有振動(弦など)と気柱振動(管楽器)で違うのね。横波と縦波か。地震のS波とP波みたいか。
倍音はトロンボーンを吹いていたから感覚的に分かる。これは気柱振動の方か。
第2倍音は基音のオクターブ上、第3倍音は1オクターブと完全5度上、第4倍音は2オクターブ上、第5倍音は2オクターブと長3度上、第6倍音は2オクターブと完全5度上、第7倍音は2オクターブと短7度上よりかなり狭いが2オクターブと長6度上よりは2オクターブと短7度上に近い音程 ... 。
第7倍音あたりになってくるとだんだん音階から外れた音になる。
なるほど、偶数倍音の方が基音となじむな。

それで偶数倍音が含まれる音と奇数倍音が含まれる音の違いを検索したら、スタジオ翁「ミキシングに「倍音」を生かすための3つの方法」 というのがあって、その中に偶数倍音ばかり含む音と奇数倍音ばかり含む音の紹介している動画のリンクが貼ってあった。
聞いてみると、偶数倍音ばかりだとぼんやりする?
しかし、奇数倍音ばかり含む音でも矩形波や三角波がある。シンセサイザー入門 1:音の正体と性質
波形による音の違い という短い動画では サイン波、矩形波、のこぎり波と三角波を聴くことができる。ちなみに、サイン波は倍音を含まない純粋な音、のこぎり波は偶数倍音も奇数倍音も含む音。
奇数倍音ばかり含む音の矩形波と三角波は、ずいぶん違った音色に聞こえる。うーむ。

そういえば、気柱振動でも閉管だと奇数倍音ばかりになるらしい。
2021年に初めて夫とポルタティーフオルガンを作った ときは開管だったが、実は 今年もポルタティーフオルガンを作った のだ。それは諸事情によりゲダクト(閉管)になったのだが、ゲダクトの音色は いかにも笛という開管とはずいぶん違ってなんだか可愛らしい。
弦の奇数倍音を多く含む音も そういう感じ?
そもそも、弦の中央部を撥くと偶数倍音が欠けるという物理学的根拠を 浅学なわたしは見つけられなかったし。
ここらへんで迷子になってまいりました。

それで奇数倍音から離れて、うちにあるギターで撥く位置を変えて音を鳴らしてみた。
端の方で撥くとはっきりした音色で高音の倍音が多い気がする。なるほど中央付近で撥くとまろやかな音色だ。
【簡単に試せる】クラシックギターで色々な音色を自分で作っていこう!
こういう感じでミュゼラー型はまろやかな音色なのかな。

なんでこんなにくどくどと述べたかというと、コンサートではいまひとつミュゼラー型のヴァージナルの音色とチェンバロとの違いを認識できなかったからだ。
両者ならべて音を鳴らしてくれたら分かっただろうけど、チェンバロは来ていなかったし。
というか、もっと予習して臨めば面白く分かったのかもしれなかったが、予習不足でした。もったいなかった。


会場のヴァージナルに話を戻す。
カルッツかわさきの方のリンクには「使用するヴァージナルは17世紀、フェルメールが描いたものを忠実に復元したものです。」とあった。
なるほどそれでフェルメールの絵を飾っていたのだな。

『ロマネスカによる変奏(作者不詳 16世紀中葉)』に続いて2曲、イギリスの16世紀の曲が続いた。
わたしはフィッツウィリアム・ヴァージナル・ブックが大好きなので、つかみはばっちりです。
ちなみにこの時期のイギリスでは、チェンバロもスピネットもヴァージナルもまとめてヴァージナルと呼んでいたらしい。ヴァージナルブックの曲はヴァージナル専用というわけではない。


3曲弾いたあと一度 古宮氏は会場を去り、衣装を変えて現れた。17世紀前半に流行した垂れ襟にもっさもさのカツラ。
今度はイギリスからフランスに移り、シャンボニエールのクラント「春」をヴァージナルで演奏した。
そして、次はドイツのヴェックマンの「「その愛くるしい眼差し」による変奏曲」をクラヴィコードで演奏した。

そしてまた衣装替え。今度は18世紀、帽子まで被って華々しい。
時代背景や、当時は小氷期とよばれるくらい寒かった話をされた。ルイ14世は寝るときもカツラを被っていたそうだが、防寒のためもあっただろう、とか。
御大ヨハン・セバスティアン・バッハの ピアノでもよく弾かれる「平均律クラヴィア」や「フランス組曲」から古宮氏は演奏した。
その次にフランスのラモーで雰囲気が変わる。
そのあと、クラヴィコードでバッハの「ゴルトベルク変奏曲」のアリアを演奏した。味わい深いメロディの一音一音にビブラートをつけたりダイナミクスをつけたりするのはクラヴィコードならではだ。
古宮氏はリズムカルで早いパッセージの多い曲よりも、こんな風にフレーズを情感をこめてうたう演奏の方が得意なのかもしれないと思った。

最後にまたロンドンに戻ってヘンデルの「パッサカリアト短調」の演奏でプログラムは終了した。
アンコールは2曲演奏された。


演奏会終了後、ちょっと楽器にさわれるコーナーにて写真を撮った。下の写真がクラヴィコード。上の写真もヴァージナルもそのときに撮った。


クラヴィコードを初めて目の当たりにしたのは 2021年12月、浜松市楽器博物館 でのことであった。
チェンバロのように撥くのでもピアノのように打つのでもない音の出し方や シンプルな仕組みに驚いたものだ。




カルッツかわさきの入り口。演奏会の会場は1階だったのでこの階段は上らない。


向かいの川崎市教育文化会館。円錐形に仕立てられた木が並んでいるのが印象的。


川崎駅から歩いている途中の植え込み。白をメインに黒と見紛う紫のコントラストがよい。
チューリップの季節だったんだよなあ。


実はインターネットで知り合いになった古楽仲間のふらっとさんとこのコンサートで初めてリアルにお会いした。もしかしてオフ会ってやつ?
ふらっとさんはたいそうエネルギッシュに活動されている方だ。ぽーっとしているわたしの何倍も動いておられる。
お会いして勇気をもらってわかれました。




 
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ネイト・スミス/キーファー/カートゥーンズ ライブに行った。

2025-03-10 13:15:16 | 音楽

ビルボードライブ東京にネイト・スミスが来るというので観に行った。
5年まえにホセ・ジェイムズが来たときにドラムスを叩いていたのがネイト・スミスだったのだが、そのときの演奏に衝撃を受けて覚えていたのだ。
しかも、今回同じステージに上がるキーボードがキーファーなので、これは一粒で二度美味しいぞ!
(ベースのカートゥーンズはノーチェックでした、すみません。)

YouTube で良質なライブ動画をどんどん発信している tiny desk というコンテンツがあるのだが、その中にキーファーを中心にドラムスやベースが入れ替わり出ているものがある。 とてもよい動画だ。
動画の後半からはドラムスにネイト・スミス、ベースにカートゥーンズ、ギターにチャーリー・ハンター、おまけに最後にはトランペットにシオ・クローカーと豪華メンバーが揃う!
一昨年にはシオ・クローカーを、昨年にはチャーリー・ハンターのライブを観に行ったから、なんだか嬉しい。

そして今度はなまキーファーだ。
キーファーの音楽は心地よくて、以前からチェックしていたのだ。
メリハリのあるネイト・スミスと合わさるとどんな音楽が作り出されるのだろうか?とても楽しみだ。


会場はビルボードライブ東京。
客席はHPによれば3層構造で、縦に広く展開している。今回は上層まんなかに席を取った。
天井が近い。黒いエアコンの吹出口とか空調ダクトとかスピーカーとかが見える。
こんなに見下ろす席で、ステージはちょっと遠いね。下に少しだけ見えるのが中層の前列で、左右から見下ろす席も中層の扱い。



右に視線を振る。4段ある。
一番下のフロアの脇の方には、全然ステージが見えないだろう!という席もある。



左に視線を振る。だいたい右と同じ感じ。
中層の正面を向いた席がさっきより写っているかな。中層の正面を向いた席も2列あるけど、後列はほとんど写っていない。そして、やっぱり前側の席の方がステージがよく見える。2018年にベニー・シングスを観に行ったときに座ったが、よく見えた。いちばんよいお値段だしね。



頼んだドリンク。
左のカクテルは本日のものとだけしか分からなかった。右はスパークリングのソフトドリンク。なんだったっけ。



ライブについて。
ネイト・スミスがトップに名前が上がるライブなだけあって、彼の演奏が表に現れる箇所もそれなりにあったし、ミキサーもそうなるようにしていたと思う。
大きくする音とそうでない音がはっきりしている。ピタッと止まるときは止まるし、そういうのがメリハリに聞こえるのかも。
音の出る微妙なタイミングがバッチリで、なんとも小気味よい。裏返したり細かいフレーズを入れたりと、ニヤリとさせてくれるテクニックはさすが。
いやあ、ホントにすごいドラマー。
ドラムセットはシンプル寄りだと思う。スネアはやはり今風なのか2台だけど、タムは3台、ハイハット以外のシンバルは3個だけ。
低い位置にセットしてある少し小さいシンバルはあまり音の響かないタイプで、スカンと鳴って面白かった。クラップスタックってやつ?
手が滑ったのかスティックを飛ばしちゃったり、クラップスタックの固定が悪かったのか曲の途中でいじったりしていたが、演奏中にボーヤがささっと動いてリカバリしているのがちょっと面白かった。

カートゥーンズのベースはしっかり下支えしていた。突出しすぎないのがベースの芸だよな。
ところで、カートゥーンズは CARRTOONS と表記する。大文字で R が2つなのがミソ。cartoon で検索すると彼にほとんどヒットしない。
曲中にソロが1曲だけあった(アンコールをのぞく)けど、ミキサーが思いっ切り低音を大きくしていたのかモソモソしてメロディとして聴こえてこなかったのがもったいなかった。ステージ後半はもうちょっとベースが聴こえやすくなったから、そこで気づいて修正したのだろうか。
左胸にCと描かれた黒いTシャツを着ていたのだが、背中側はその一文字ロゴが大きくプリントされていた。カートゥーンズのイニシャルだろう。お茶目!

選曲はやはりキーファーオリジナルのものが多かったと思う。ライブ後にセットリストを確認したかったのだが、上手く撮影出来なかった。残念。
キーファーの演奏は心地よいが、実際に聴いてみるとニヤリと出来る仕掛けがあったりドライブしたりと、イージーに聞き流してしまうわけにはいかない面白さがあった。
キーファーといえばローズの演奏がわたしは思い浮かぶのだが、ステージ上を見るとローズの上にはシンセ、左側にはグランドピアノ、と3種の鍵盤楽器がある。メインであろうローズの演奏は素敵だし、シンセでは音をベントさせたりするし、グランドピアノはタッチとかダイナミクスとか安心感があるし、それぞれの特徴を使いこなして各々の曲マッチした表現にするのに感心した。
入場したらもらえたフリーペーパーに柳樂光隆氏によるネイト・スミスへのインタビューが載っていた。
「キーファーがジャズ・ピアニストとしてどれほど素晴らしいか、まだ十分に気づいていない人が多いと思うんだ」
その言葉を裏切らず、キーファーがグランドピアノを弾いて3人でジャズスタンダードを1曲だけ、バラードを演奏したのが本当に素晴らしかった。
Body and Soul です。いやあ、参った!

3人ともニコニコしてアイコンタクトもよくして、仲良くてとてもよいバンドだなあ。


アンコール。みんな、撮影していいよ!どんどんSNSにアップしてね! とネイトが言っていたので、スマホを構える観客がけっこういた。わたしもそのうちのひとり。
YouTubeやXにいくつかアップされているね。もっと近くから撮っている動画もあったよ。
演奏途中で遅くなってまたすぐ戻る所があって面白い。ネイト、お茶目!
曲名は分からない。誰か教えてくださいませ。


アンコールではステージ後ろのカーテンが開いた。
ガラス張りで、赤坂の夜景が見える。ビルボードライブ東京のウリの景色だ。
わたしが住んでいる山奥とはぜんぜん違う景色でわたしにとっては非日常の極み、クラクラする。
この写真はバンドがはけた後に撮った。



バンドがはけた後にいちばん下のフロアまで下りて撮ったベースの写真。メーカーはキーセルですって。
やたらと幅の広いストラップだ。安定性がよさそうだ。

素晴らしいライブだった




 
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