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≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

ネイト・スミス/キーファー/カートゥーンズ ライブに行った。

2025-03-10 13:15:16 | 音楽

ビルボードライブ東京にネイト・スミスが来るというので観に行った。
5年まえにホセ・ジェイムズが来たときにドラムスを叩いていたのがネイト・スミスだったのだが、そのときの演奏に衝撃を受けて覚えていたのだ。
しかも、今回同じステージに上がるキーボードがキーファーなので、これは一粒で二度美味しいぞ!
(ベースのカートゥーンズはノーチェックでした、すみません。)

YouTube で良質なライブ動画をどんどん発信している tiny desk というコンテンツがあるのだが、その中にキーファーを中心にドラムスやベースが入れ替わり出ているものがある。 とてもよい動画だ。
動画の後半からはドラムスにネイト・スミス、ベースにカートゥーンズ、ギターにチャーリー・ハンター、おまけに最後にはトランペットにシオ・クローカーと豪華メンバーが揃う!
一昨年にはシオ・クローカーを、昨年にはチャーリー・ハンターのライブを観に行ったから、なんだか嬉しい。

そして今度はなまキーファーだ。
キーファーの音楽は心地よくて、以前からチェックしていたのだ。
メリハリのあるネイト・スミスと合わさるとどんな音楽が作り出されるのだろうか?とても楽しみだ。


会場はビルボードライブ東京。
客席はHPによれば3層構造で、縦に広く展開している。今回は上層まんなかに席を取った。
天井が近い。黒いエアコンの吹出口とか空調ダクトとかスピーカーとかが見える。
こんなに見下ろす席で、ステージはちょっと遠いね。下に少しだけ見えるのが中層の前列で、左右から見下ろす席も中層の扱い。



右に視線を振る。4段ある。
一番下のフロアの脇の方には、全然ステージが見えないだろう!という席もある。



左に視線を振る。だいたい右と同じ感じ。
中層の正面を向いた席がさっきより写っているかな。中層の正面を向いた席も2列あるけど、後列はほとんど写っていない。そして、やっぱり前側の席の方がステージがよく見える。2018年にベニー・シングスを観に行ったときに座ったが、よく見えた。いちばんよいお値段だしね。



頼んだドリンク。
左のカクテルは本日のものとだけしか分からなかった。右はスパークリングのソフトドリンク。なんだったっけ。



ライブについて。
ネイト・スミスがトップに名前が上がるライブなだけあって、彼の演奏が表に現れる箇所もそれなりにあったし、ミキサーもそうなるようにしていたと思う。
大きくする音とそうでない音がはっきりしている。ピタッと止まるときは止まるし、そういうのがメリハリに聞こえるのかも。
音の出る微妙なタイミングがバッチリで、なんとも小気味よい。裏返したり細かいフレーズを入れたりと、ニヤリとさせてくれるテクニックはさすが。
いやあ、ホントにすごいドラマー。
ドラムセットはシンプル寄りだと思う。スネアはやはり今風なのか2台だけど、タムは3台、ハイハット以外のシンバルは3個だけ。
低い位置にセットしてある少し小さいシンバルはあまり音の響かないタイプで、スカンと鳴って面白かった。クラップスタックってやつ?
手が滑ったのかスティックを飛ばしちゃったり、クラップスタックの固定が悪かったのか曲の途中でいじったりしていたが、演奏中にボーヤがささっと動いてリカバリしているのがちょっと面白かった。

カートゥーンズのベースはしっかり下支えしていた。突出しすぎないのがベースの芸だよな。
ところで、カートゥーンズは CARRTOONS と表記する。大文字で R が2つなのがミソ。cartoon で検索すると彼にほとんどヒットしない。
曲中にソロが1曲だけあった(アンコールをのぞく)けど、ミキサーが思いっ切り低音を大きくしていたのかモソモソしてメロディとして聴こえてこなかったのがもったいなかった。ステージ後半はもうちょっとベースが聴こえやすくなったから、そこで気づいて修正したのだろうか。
左胸にCと描かれた黒いTシャツを着ていたのだが、背中側はその一文字ロゴが大きくプリントされていた。カートゥーンズのイニシャルだろう。お茶目!

選曲はやはりキーファーオリジナルのものが多かったと思う。ライブ後にセットリストを確認したかったのだが、上手く撮影出来なかった。残念。
キーファーの演奏は心地よいが、実際に聴いてみるとニヤリと出来る仕掛けがあったりドライブしたりと、イージーに聞き流してしまうわけにはいかない面白さがあった。
キーファーといえばローズの演奏がわたしは思い浮かぶのだが、ステージ上を見るとローズの上にはシンセ、左側にはグランドピアノ、と3種の鍵盤楽器がある。メインであろうローズの演奏は素敵だし、シンセでは音をベントさせたりするし、グランドピアノはタッチとかダイナミクスとか安心感があるし、それぞれの特徴を使いこなして各々の曲マッチした表現にするのに感心した。
入場したらもらえたフリーペーパーに柳樂光隆氏によるネイト・スミスへのインタビューが載っていた。
「キーファーがジャズ・ピアニストとしてどれほど素晴らしいか、まだ十分に気づいていない人が多いと思うんだ」
その言葉を裏切らず、キーファーがグランドピアノを弾いて3人でジャズスタンダードを1曲だけ、バラードを演奏したのが本当に素晴らしかった。
Body and Soul です。いやあ、参った!

3人ともニコニコしてアイコンタクトもよくして、仲良くてとてもよいバンドだなあ。


アンコール。みんな、撮影していいよ!どんどんSNSにアップしてね! とネイトが言っていたので、スマホを構える観客がけっこういた。わたしもそのうちのひとり。
YouTubeやXにいくつかアップされているね。もっと近くから撮っている動画もあったよ。
演奏途中で遅くなってまたすぐ戻る所があって面白い。ネイト、お茶目!
曲名は分からない。誰か教えてくださいませ。


アンコールではステージ後ろのカーテンが開いた。
ガラス張りで、赤坂の夜景が見える。ビルボードライブ東京のウリの景色だ。
わたしが住んでいる山奥とはぜんぜん違う景色でわたしにとっては非日常の極み、クラクラする。
この写真はバンドがはけた後に撮った。



バンドがはけた後にいちばん下のフロアまで下りて撮ったベースの写真。メーカーはキーセルですって。
やたらと幅の広いストラップだ。安定性がよさそうだ。

素晴らしいライブだった




 
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みのりてんデュオ『ニコラ・マッテイスの源流をたずねて』を聴きに行った。

2025-02-07 18:21:42 | 音楽

2025年最初のライブは、バロックバイオリンとテオルボ/バロックギターのデュオだ。
みのりてんデュオは、フランス在住のバロックヴァイオリン奏者 出口実祈氏と オランダ在住のリュート奏者 上田朝子氏による古楽デュオだ。
2人は学生時代からの友人だそうで、動画 でも息の合った楽しそうな演奏をしていたから、楽しみだ。
テオルボの生演奏を近くで観たいと思っていたら、ちょうどよいタイミングでコンサートがあるというので、わくわくして聴きに行った。

会場に入ったら、テオルボとバロックギターが置いてあった。
実は、始まるまえはギターは後ろ向きで、休憩のときにこちら向きになったので、この写真は休憩のときに撮った。
バロックバイオリンの方は出口氏が持ち歩くので写真がない。

テオルボはやたらとネックの長いリュートの仲間だ。長い弦は指板から外れていて、開放弦で使うようだ。
近寄ってアップ写真を撮る。
フレットのある下側のペグ。弦は7本に見える。ペグが余っているなあ。



長ーいネックの上側のペグ。弦は7本に見える。こちらもペグが1本余っていると思う。
上田氏が長い弦を調律するときは、立てた楽器の横に自身が立って 上に手を伸ばしてペグを回していた。

後ろの写真は矢内原忠雄氏。


ローズは3つ。
弦は14本に見える。よくもまあこんなにあって弦を間違えないで弾けるものだ。
長いヘッドをどこかにぶつけたりしないで演奏するのも意外と難しいんじゃないか?と思った。
そのせいだかネックを押さえる左手はけっこう高い位置にあって、疲れるのか血が下がるのか、たまに左手を下ろしていた。
大きい楽器は大変だ。



バロックギター。
小ぶりで可愛らしい。現代のギターは指板が一段上だけど、バロックギターは表板と同じ平面だ。フレットが表板にも打ってある。
5コースで、一番下側の弦だけ1本、あとは2本ずつの合計11本に見える。

テオルボもバロックギターも白いリボンがストラップになっていて、華を添える。


裏側。始まるまえに撮った。しましまがモダンな印象。



テオルボのケース。ケースも長ーい!


さて、やっとコンサートについて。
今井館聖書講堂が会場だ。席はほぼ埋まって、みのりてんデュオの2人が入ってくるのを待っている。
2人が会場に入ってきて、向かって左に上田氏、右側に出口氏が分かれる。立ったままの上田氏はギターを、出口氏はバイオリンをチューニングし、終わると離れたまま演奏が始まった。演奏しながらステージ中央に移動した。ちょっと面白い演出だな。
出口氏のバイオリンの構えはかなり特徴的だ。顎と肩ではさむのではなく、もっと下の鎖骨のあたりに当てているだけなのだ。冒頭の動画リンクを見れば分かります。

オープニングの曲は楽しい曲だった。
上田氏がテオルボに持ち替えて演奏した。オープニングともどもニコラ・マッテイスの曲だ。
ニコラ・マッテイスはイタリア人でイギリスに移住したそうだ。
チラシ裏には、
マッテイスは、イタリアで伝統的に育まれたヴァイオリンの高度な技術とスタイルを取り入れながら、フランス音楽をも輸入し、そしてそれを彼の活動拠点であるイギリスの伝統的なコンソート音楽と融合させて独自のスタイルを創り出しました。
とあった。
バイオリンの達人でギターも得意で、楽器がかぶるみのりてんデュオの2人は親近感が強いんだそうだ。

ニコラ・マッテイスの次はイタリアのビアジョ・マリーニ。
元々バイオリンはダンス用の曲を演奏していたそうだ。それらは単純な曲だったが、もっと出来るだろう、と色々なテクニックを凝らした曲をマリーニが作ったのだそうだ。
そういう当時のバカテクを携えてマッテイスがイギリスに現れたわけだ。
マッテイスはとても低くバイオリン構えていたそうだ。カッコよかったのかも!? 昨今エレキギターやフォークギターを低く構えるスタイルというのもあるけれど、あれに通ずるかも、と出口氏が言っていた。昔も今も変わらないねえ。
マリーニの曲はテンポが一定ではなくて、情熱的な感じ? こういうのがイタリア風なんでしょうか。

またニコラ・マッテイスに戻り、その次はイギリスのマシュー・ロック。
イギリスのコンソートなのだが、イギリスの天気みたいだ、と上田氏が言っていた。ちょっとビミョーなんですって。
次もイギリスのデイヴィッド・メル。
メルの曲は《ジョン・カム・キス》によるディヴィジョンで、このテーマによるウイリアム・バードのチェンバロ曲を聴いていたので、知っているテーマはなんだか嬉しくなる。
なるほど、イタリアものとはずいぶん違う雰囲気だ。やはりフィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック好きなわたしはイギリスものの方が馴染んだ感じだな。

ニコラ・マッテイスの曲にイタリア風だったりイギリス風であったりするところがある、というのは納得した。
彼が取り入れたというフランス音楽のテイストはわたしにはよく分からなかったけど。勉強不足です。

作者不詳の作品のあと、またニコラ・マッテイスに戻ってコンサートは終わった。
プログラムに書いてある年号によると、すべての曲が17世紀後半に出版されたもののようだ。

とても素敵な演奏だった。基本的にはノリノリのダンスミュージックっぽいのが多かった。
テオルボは爪弾いているときとジャンといっぺんにかき鳴らすときの雰囲気がまるで異なっていてびっくりした。
バロックバイオリンはモダンなものよりビブラートをかけていなくて、わたしはそれが気に入った。
素晴らしかった!


なんで「みのりてん」なのだろう? 「みのり」は出口氏の名前かな?
と思っていたら、Xの「白沢達生@となりにある古楽」氏のポストによい解説があった。
Xのアカウントがないと見られないので、引用する。
ちなみに…「みのりてん」の名は出口さんのお名前のほか、ウィーンにある、17世紀音楽の楽譜史料がたっぷり保管されているフランチェスコ派修道会教会にちなんで…とのこと。ここのドイツ語名がMinoritenkirche(修道会のドイツ語名がMinoriten)なのです


チラシ裏には、
本プログラムは、2024年5月にドイツのヴァイセンブルン城より支援を受けて行われた10日間のアーティスト・イン・レジデンスにおける研究の成果です。
とある。そのときの動画がある。
このコンサートの演目と同じ曲がいくつも演奏されているので、ぜひ。



ディスプレイに映されたポスター。
1月11日でした。今年はネタを溜めないぞ!と目標をたてたはずだ。翌月になっちゃったけど、うん、1カ月は経っていない、セーフ!



今井館聖書講堂・資料館 の外観。
2階の右側の大きな窓に丸い照明が下げられているのがいくつも見えるが、そこがコンサートのあった講堂。



チラシの裏側。表はポスターを横向きにした感じ。




 
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さらば、ピアノ

2025-01-22 17:28:40 | 音楽

群馬の山奥に引っ越しして就職して結婚して、念願のグランドピアノを手に入れた。約30年まえのことだ。
住んでいる貸家には入れられないので、土地を借りてプレハブ建てて電気を引いて、そこにピアノを置いた。
常時 除湿機を動かしていたけれども、それでも湿度が高くて、ピアノの状態が安定するまでしばらくかかった。
実家で弾いていたのはアップライトピアノだったので、グランドピアノの幅広い表現力はとても気持ちよかった。
仕事を辞めて子どもを産んでストレスマックスなときも、まだ小さい子どもをプレハブに連れてきてお絵描きでもさせておいて、横目で見ながらピアノを弾いてストレスを解消できた。
しかし、プレハブは自宅から少し離れたところで水道もトイレもなく、夏は暑いし冬は寒い。段々おっくうになってきた。
子どもたちが別宅から学校に通うようになって、わたしも別宅と自宅の二重生活で、ピアノどころではなくなってしまった。
そうこうしているうちにプレハブの除湿機が壊れてしまったが、そのときにはちょうど良い代替品を見つけられず、困ったなあと思いつつもそのまま放置してしまった。
やっと子どもたちが別宅を離れたと思うと今度はわたしの病気が発覚して、世間はコロナ禍で、自宅で演奏できる楽器を模索するようになった。
そんなこんなでチェンバロを自宅に置くようになって、レッスンも受けて、ピアノを弾くフォームからチェンバロを弾くフォームに改造したら、もうわたしはピアノは弾けないと思うようになった。
ピアノは音が大きくて耳が疲れるし 腕の重さを指にのせるのも疲れるし、病み上がりにはキツイ。リビングルームにあって気軽に弾けて耳にも優しいチェンバロの方が、いまのわたしは弾いていて楽しいです。
それで、ピアノを手放すことにした。

グランドピアノ、楽しい時間をありがとう。


.....................................................................


ピアノをプレハブに届けてもらったときは、若い男性2人が来た。
なんだかプロレスをしている人たちのように見えた。
紐を掛けた350kgのピアノを2人で持ち上げるなんて凄い。

30年経って、買い取りに来たのは男性3人だった。
日本人がリーダーで、ベトナムから来た若い男性が2人だ。
ベトナム人男性も1人は日本語が堪能で、もう1人はまだ見習いなのか堪能な方からリーダーの指示を翻訳してもらっていた。
リーダーはとても丁寧に部下に説明していた。日本語が堪能なベトナム人男性が見習いにベトナム語で説明するとき、まだ見習いだから、とわざわざわたしにことわったのも印象的だ。
リーダー、気を遣うなあ。
買い取りに来たトラックはクレーンとテールゲートリフターがついていて、クレーンはとても長く伸びるタイプだし、張り出して踏ん張る足(アウトリガー)も4本もある。
30年まえに来たユニックはもっと小さかった。
30年の時間に感じ入るなあ



 
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スタジオピオティータへ<共鳴する宇宙>を聴きに行った。

2025-01-06 19:53:30 | 音楽

昨年末に聴きに行った。
<共鳴する宇宙>というタイトルからではどんな演奏なのか想像できない。
ちらしによると、作曲家 夏田昌和氏、チェンバロ 桒形亜樹子氏、ピアノ 大須賀かおり氏 による演奏会だ。
チェンバロとピアノが一緒に演奏されるなんて聞いたことない。びっくりだ!

会場にはピアノとチェンバロがぎゅっと並べてある。
スタジオピオティータのHP によると、「1931年製のNYスタインウェイB型ピアノ(1994年リビルド)と、1989年に堀栄蔵氏が製作したタスカンモデルの二段鍵盤チェンバロ(ダブルトランスポーズ)」だそうだ。
今までわたしが観に行ったときは、チェンバロは部屋の反対側に置いてあった。部屋の両端にピアノとチェンバロがあったのだ。
今回、チェンバロをピアノ側に移動させたんだな。


最初にスタジオピオティータの西澤世子氏のあいさつがあった。
このスタジオのチェンバロとピアノは約8年間、一度も一緒に音を鳴らしたことがなかったそうだ。3年くらいまえから寂しいなあと思うようになったらしい。それで共演するこの企画をたてたのだそうだ。
スタジオピオティータが夏田昌和氏に委嘱した作品が初演されるというのが今回の目玉だ。

まずチェンバロとピアノでフランソワ・クープラン「ショワジーのミュゼット」(クラヴサン曲集第3巻第15オルドルより)が演奏された。
これは面白い!
ピアノとチェンバロの音色のコントラストがくっきりありつつも混ざりあったりして、複雑な奥行きがある。

次は桒形氏が フランソワ・クープラン「双子、アトランタ」(クラヴサン曲集第2巻第12オルドルより)について話してから、チェンバロで演奏した。
疾走するアタランテの話が興味深かった。ギリシャ神話に出てくる女狩人だ。大和和紀『あい色神話』を思い出すわたし、古い . ... 。
そして、夏田氏が氏の作品「夏思いの午後と気晴らしの体操」について話してから、桒形氏がチェンバロで演奏した。

演者が大須賀氏にかわり、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト「「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」による12の変奏曲」(きらきら星変奏曲)と氏の関わりについて話して、ピアノで演奏した。
そして、夏田氏が氏の作品「ザ・デイ・アフター・イエスタデイ」について話してから、大須賀氏がピアノで演奏した。夏田氏が、がんばってください、と声を掛けたのが印象に残ったが、肘で弾いた箇所があったりして、そのことだったのだろうかと思った。

まず古い時代の曲をチェンバロとピアノで演奏したあと、古い時代の作品と現代の夏田氏の作品をチェンバロとピアノそれぞれで演奏したわけだ。
新旧、ずいぶん違うような気がするし、でも実は夏田氏は古いものをちゃんと継承している。

そして、最後に目玉の夏田氏のチェンバロとピアノのための作品の初演だ。
夏田昌和「チェンバロとピアノのための組曲」チェンバロとピアノ
I Allegro ritmico(快速なテンポで、リズミカルに)
II Andante sostenuto(緩やかに進むテンポで、音をよく保ちながら)
III Alegretto scherzando(やや快速なテンポで、諧謔的に)
IV Moderato con moto(中庸なテンポで、動きをもって)
ピアノのフレーズをチェンバロが追いかけたり、逆のパターンも少しあったりした。ピアノが低音で和音を弾いて上の方でチェンバロが動くのがわたしは一番グッときた。
この組曲は、また機会があったら聴きたいな。

チェンバロとピアノが一緒に演奏されていると、違いがよく分かるなあ、と思った。
ピアノは腕の重さを指に乗せるけど、チェンバロは乗せない。チェンバロは弾いているときに上体が動かないというのがよく分かった。

アンコールは、夏田氏が大須賀氏と一緒にピアノを、桒形氏がチェンバロを弾いてモーツァルトの作品を演奏した。
不勉強なので、曲名は分からない。


ちらしとプログラム。





 
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チェンバロがグレードアップした。

2025-01-03 21:25:22 | 音楽

2022年2月に アトラスチェンバロを手に入れて からわたしの音楽生活が変わった。
自宅のリビングに置いてあって、蓋を開ければすぐ弾けるというのはいいよ。
それから松本に行って、色々教わった。
そうなると、うーん、アトラスチェンバロだと不満があるんだよなあ。

と思っていたところ、春山チェンバロの出物があったので、手に入れた。アトラスのよりずいぶん大きい。
バーズアイメープルの突板(つきいた)がきれいな楽器だ。色が明るくなったせいか、大きくなったわりに圧迫感は増えなかった。
ローズも飾りが全然なくて、素っ気ない。でも、べったり塗ってあって木目の見えない外側より、こういう方がわたしは好きだ。

ところで写真右下、チェンバロ下にある小さい鍵盤楽器は、かつて作った ポルタティーフオルガン

2段鍵盤、8ft ×2、4ft、F1~G6 👍  このスペックが嬉しい。
ナチュラルキーはローズウッドです。



ローズのアップ。HARUYAMA ロゴがこちらにも入っている。



👇️バーズアイメープルの突板、きれいでしょ。
輪郭に平行なラインはチーク。見る角度で濃く見えたり薄く見えたりするリボン杢がデザインを締めている。
夫に軽く磨いて塗り直してもらいました。木工家、ありがたし。
しかし経年で突板の弱点が表れた。突板は丸太を桂剥きして薄い板にするのだが、細かい割れが出来てしまう。
チョコレートのかたまりをスプーンでこそいで クルクルと丸まったコポーを作ると、ヒビがいっぱい入っている。あんな感じ。え、分かりにくい?
まあそんな感じのヒビが見える。新しい頃は目立たなかったんだろうなあ。ヒビも味、ということにしよう。



ジャックレールと譜面台を外したところ。



👇️アップ。
上から 下鍵盤の8ft、4ft、上鍵盤の8ft、4ftの弦のチューニングピン。
ジャックのささっているレジスターはアルミ製。ジャックの頭がストローみたいなのが変わっている。
なんかメカメカしくってカッコいい。
まあね、この見た目でも分かるが、ヒストリカルなチェンバロではない。アルミや合成樹脂は昔はなかったよねえ。



ジャックを取り出したところ。
右から 下鍵盤の8ft、4ft、上鍵盤の8ft のジャック。華奢で軽い。
下のフォーク状のパーツは木製だが、なんの木なのか夫に聞いても分からない。すごく目の詰んだ木だそうで、スネークウッド?とか言っている。



ジャックの頭部のアップ。
弦を撥くプレクトラムとダンパーの距離が近くて、プレクトラムを削るときに下に入れるヴォイシングブロックが入らない。代わりに薄い板状のものを挟みこむが、保持しにくい。これはちょっと困る。

こういうジャックについて『チェンバロ クラヴィコード 関係用語集』に記述があった。
134p. 「1950年代、Neupert(ノイペルト)製にはのOKジャックという名称の「本体が円筒」のジャックが使われていた。」
OKジャックなんですって。


『チェンバロ クラヴィコード 関係用語集』
図版が多い。



キーを押したときに戻ろうとする力が弱い、という点は、アトラスチェンバロに比べるとヒストリカル寄りな弾き具合だと思う。
このチェンバロでフィッツウィリアム・バージナル・ブックの曲など弾いている。

でもフィッツウィリアム・バージナル・ブックからではなくて、有名なメヌエットを わたしがこのチェンバロで弾いた動画のリンクを貼る。
かつてはJ.S.バッハ作といわれたけれど、現在はChristian Petzold作だと判明した、Suite de Clavecinという組曲に含まれているメヌエットです。




 
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