≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

乾 敏郎・阪口 豊『脳の大統一理論』

2023-05-13 18:58:39 | 本 (ネタバレ嫌い)

乾 敏郎・阪口 豊『脳の大統一理論』 ☜ 岩波書店HP

大統一理論とは大きく出た、怪しくない !? というのが最初に思ったこと。
でも岩波化学ライブラリーから真面目に出ているから、そんなことはないだろう。聞いたことのない言葉なのもわたしが不勉強なだけだろう。ほら、セントラルドグマ だってなかなかすごい言葉だよ。

などと思いつつ読みました。2回目はメモをとり、1章の式と付録は3回読んだよ。
難しい ... 。いやあ、世の中知らないことばかりだ。ほええ、と何度も感嘆の声を上げてしまった。
脳の現象は 自由エネルギー原理 で説明できるそうだ。
「推論するシステム」だ。言い換えると「最も在りえそうなのは何か? 」と思い巡らせることかな?

何かを見て、これは○○だ、と判ずるとき、網膜から神経の信号が脳へ伝わって○○だと分かる、とむかーし教科書か何かで読んだと思うのだが、自由エネルギー原理だと違うらしい。推論したものと網膜からの信号を比較し、差が大きければ推論をちょっと変更してまた比較し、と繰り返してその差をなるべく小さくしようとするらしい。へえ!
これはけっこう腑に落ちた。言葉を耳にしたとき、意味が分かるまでにタイムラグを感じるときがあるのだ。この音はこんな単語だっけ?あれ?こっちの方が似てる?って無意識に推論と音の比較を何度もやって時間が掛かっているんだな。
ふと思ったが、眠っているときに見る夢って ずっとああでもないこうでもないってしているのだが、それは起きているときに常にしている推論と同じじゃないかしら。わたしだけ? 話が逸れました。

より注意を向けるという行為や 運動についても自由エネルギー原理で説明できる、という。統一だからね。アインシュタインも統一を試みたし、統一って惹かれるよね。
べイズの定理の式を変形させることによって、読み取れる解釈も変形する、というのが面白かった。
自分をくすぐってもくすぐったくないのはなぜか?とか 感情の作られ方とか 自己主体感とか 統合失調症とか、興味深い。

自由エネルギー原理が神経細胞からどのように発生しているのかの生物学的の仕組みはまだ全貌が出ているわけではないそうだが、がんばってこの本を読んで知ったので、研究が進んで話題となりわたしの目に触れることが 楽しみだ




 
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