◆犬の散歩◆

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「中国地方」

2005年05月31日 15時15分49秒 | 旅行・自転車
その次の年は中国地方です。
東北や信州にはよく行きますが、中国地方はほとんど行ったことがなかったのでついに行ってみることにしました。まずは日程を立てるのですが、あまりに電車の便が悪く、乗り継ぎに二時間待ちなどザラなのです。夜も9時とかで終電になってしまったり、全線通して乗れる列車も一日2本とか、「よく廃止されないな」といえるような有様。
それでもまあ、5日もあれば問題ないだろうと思っていましたが、そうでもありませんでした。結局、三江線と姫新線の新見ー津山間は乗れず。また山口県の路線にも乗れませんでした。

まあ、そんな感じで、ローカル線が好きな私には天国のような地域です。
その中でもとくに気に入ったのが、備後落合から宍道までの木次(きすき)線です。そもそも中国地方にいこうと思ったのは、100円ショップで売っていた古い漫画、「チャレンジ君」を読んだからなのです。この漫画で重要な位置を占めるのが備後落合駅と木次線なのです。
出雲坂根駅の延命水、三段スイッチバックなどの名所は、20年近い前の漫画のまま。さすがにチャレンジ2万キロはもうやってませんが。あと備後落合に駅員がいる!しかも駅前に旅館まである。いまでは考えられないですが、当時は3方向からの列車が集うジャンクション駅としてそれなりに栄えていたのですね。今では川の向こうに商店が1軒あるだけで、あと数軒の家があるほかはなにもありません。

さて木次線ですが、三段スイッチバックを主な目的にしていたのですが、それ以外に見所は景色のよいこと。備後落合方面からだと、中国山地を降りていく格好になるわけですが、有名なループ橋のある部分では、運転士さんがアナウンスで見所を説明してくれます。速度も落としてくれますが、これは観光用なんでしょうか。もしかしたら、この地方の路線でよく見る「15キロ(雨天10キロ)制限」がかかってるのかもしれません。しかし15キロ制限ってどんな線路だろう。チャリのほうが明らかに早いんですが。そもそも地元の人が全く乗ってなく、どう見ても18切符の人しかいない状況です。
さて、そのループですが、まず左側に大きな赤い自動車用の橋が見えてきます。「今からあの橋の根元までぐるっと回って降りていきます」とアナウンス。ええっ。高低差100mはあるんじゃないかというくらい高いところにある橋ですよ。
でも、これが本当にゆっくりゆっくりぐるっと回って降りていくのです。
その降りきったところにあるのが3段スイッチバック。2回ほど進行方向が変わり、そのたびに運転手さんは前後にある運転台を往復します。そして出雲坂根駅についたら、また進行方向を変えます。この駅自体が1段目のスイッチバックなのです。これらを総称して「おろちループ」というらしいです。
いやあ、面白い路線です。今度はトロッコ列車に乗りに行ってみたいですね。

その後、宍道から米子を通って鳥取まで乗り、鳥取で一泊して朝からついに新自転車で東を目指します。鳥取駅前のデパートかなんかの前にあるベンチは寝やすかったです。
とりあえずの目的地は天橋立です。ここを選んだのは、単にそこそこ有名な観光地なのにJR線が走ってないから。いちおう「北近畿タンゴ鉄道」というのが走ってますが、もと国鉄のこの路線、いまは第三セクターなのでもちろん18切符は使えません。

朝、鳥取駅を9時ごろ出発…するつもりが、荷台のセッティングがおかしくて1時間ほど調整にかかってしまいました。

新自転車は、前の16インチからちょっと大きくなって20インチです。しかも前後サスペンションつきMTB(マウンテンバイク)。折りたたんでもキャリーに乗らないので、手で持ち運びます。風呂敷もかぶらないので、持ち運びバッグに入れるしかないんですが、あれってたかだか袋なのに2千円くらいするんで、もったいないので100円ショップに売っていた雨よけの自転車カバーにくるんでフレームをもって運搬することにしました。
6段変則つきなので前のよりはマシですが、それほどよく走るわけではなく、8000円だったとはいえ、どうかとも思いましたが、サスペンション(ばね)の具合がおもったよりもよくて、前は1日乗ると尻と股関節がおかしくなってたのが、何日乗っても全く痛くなりません。それだけでも買ってよかったと言えるかもしれません。自転車に凝りだすと、何万もするいい自転車がほしくなってしまいますが、べつに競技するわけじゃないので、これでしばらくがんばります。

乗りごごちには良いサスペンションも、荷台をつけられないという難点があります。荷台は通常、車軸とフレームの2点で固定しますが、サスペンションが入ってるとこのフレームと車軸の間が絶えず動くので、かっちり固定できません。
とりあえず車軸だけ固定してたんですが、荷物を載せるとやっぱり動いてしまってだめなのです。悩んだあげく、荷造り用のゴムで一方を椅子に結びます。バネで車軸、フレーム間が可変なら、こっちもゴムで可変にしてみました。これが意外と具合がよく、われながら天才かと思いました。ふご。

それで鳥取駅を9時過ぎに発ち、1時間ほど坂を上ってつきました。鳥取砂丘。これがまあ、思ったよりでかくて、すごいところです。ずーっとあっちのほうまでひたすら砂。海の砂浜が山のほうまできてる感じですね。らくだもいたし。撮影は有料とかかいてあったけど遠くから勝手に撮影。ズームつきデジカメもっててよかったぁ。ぐほほ。
予定が遅れてるので、砂丘はそこそこに出発。峠を越えたり下ったり、ものすごく暑かったけど、これがまた楽しい。登りはきつくて下りは最高。汗をものすごくかいて魔法瓶水筒のつめたいお茶を飲むのも最高。
あせをかいて乾いてを繰り返していたら、なんと体から塩が!!なんかざらつくから砂かと思ったら、塩の結晶が体中に。これにはびびりました。

途中、餘部鉄橋を通過。ここ、前に列車にのって通過したはずなんだけど記憶になくて、今回初めて知った次第。ものすごい高いところを通ってる鉄橋で、下は民家と道路。かなりまえに台風のときに列車が落ちて、車掌と下の工場の人が亡くなった事故があったらしいです。下から見てもすごいけど、上から通るのもかなり怖そうです。
普通、鉄橋というとつり橋かアーチ状のものを想像すると思うんですが、これはそのどちらでもありません。いくつもの橋脚でもって支えられているのです。この方式の鉄橋では世界最大級らしいです。話によると近いうちに建て替えられるらしいので、今度は上から通過してみたいですね。そのときは動画を撮影します。

そんなこんなで、3日くらいかけて天橋立へ到着。天橋立はまあ、どうってことのないところでしたね。どこかの山の上から、股の下から覗くというアレができるらしいんですが、そこはリフトオンリーでしかいけず、金を取るらしいのでパス。なので、下から見たら単なる細い岬でした。松林の中をチャリでひたすら走ってみたけど、どうってことないので途中で引き返したし。ああ、あと船が通ると横に回転する妙な開門橋がありました。

岬の途中にあった、周囲が海の岬の真ん中にあるのにちっとも塩辛くないという不思議な井戸で水を汲んで出発。その日は確か西舞鶴駅に泊まったんだったかな。夜中、ものすごい台風で駅がなかったらやばかった。あ、お風呂に入ったら日焼けでヒリヒリしました。夏に走るときは日焼け止め必須だと思いました。あと天橋立や舞鶴が京都府だったとは今回初めてしりました。京都にも海があったのね。

その後も、走ったり走んなかったり、18切符を使ったり使わなかったりしつつ大阪へ向かい、1000円で泊まれる安宿に数日沈没しつつ帰宅しました。

乗り残した区間は、正月に2日分ほど青春切符を入手して、乗ってきました。宇部線、山口線、三江線、姫新線のうち津山ー新見間を乗って、早々に帰宅しました。冬なのに野宿にも挑戦しましたが、冬用の寝袋は0度前後でも意外といけるなあと思いました。でもコンクリに寝ると背中が冷えるので、銀のマットが必須だと思いました。

あと中国地方で乗ってない路線は、美祢線、小野田線、岩徳線、可部線…って結構あるなあ。それは春の青春切符でいけたらいいなあ。

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