陳 満咲杜の「為替の真実」

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生き残りの真実(ニ)

2008年01月28日 18時01分48秒 | ポジションの真実
ゼロサム・ゲームにおける勝者になりたければ、一回の取引で元本に対する損失率をしっかり管理しなければならない。多くのスペシャリストは毎回容認できる損失額が元本の2%或いはそれ以下と主張している。まさに「生き残り」を優先させるロジックで、彼らはプロとして成り立った根本的な基礎である。

この原則に照らせば、一部投資者の「脇の甘さ」が浮き彫りになる。仮に100万円の元本を以って、1万単位のドル/円ポジションを建てた場合、2円の変動があれば、ほぼ2万円になるわけで、そのまま損失額であれば、即損切りし、取引を中止すべきであるが、現実では、20万、30万そこそこの証拠金で相場を張り、含み損が5、6万に達してもでも平気でいられる「アクティブ」な投資者が多くいらっしゃる。彼らは早晩相場から消える運命になろう。なぜなら、ただ一回の取引で元本の30%も損失させれば、次は43%のパフォーマンスを計上しなければ元本回復に繋がらないので、再起不可能といったリスクを確実に増大させることに。もっとも、損失を取り戻そうとした売買がさらに損を招くケースが多く観察されている。

一方、所謂「スワップ派」投資者らも基本的には同じ過ちを犯すことが多い。毎日確実にスワップ金利を貰えるものの、元本に対する含み損が30%以上といったケースがよく聞かれる。その上、含み損が膨らむ傾向にあれば、コツコツ貯めていたスワップ金利が到底損失額に追いつかないので、放置すれば、取り返しのつかない状況に陥るリスクが大きい。

このように、マネー・マネジメントの基本は元本に対する損率を常に一定の比率以下に抑えることにある。このため、元本に対するポジション・サイズの倍率(レバレッジ)が高ければ高いほど許容できるレートの変動率が低下していくので、トレーダーが取引を成功させる確率も次第に小さくなるのは自明の理である。

注意すべきなのは、100万円の元本に対する2%の損切りルールを守れば、損失金額は最初2万円の損失額に対し、2回目は1万9千6百円になるという計算だ。このように、元本の低減につれ、トレーダーのリスク許容度がさらに低下していくことになる。連続数回損を重ねれば、ウォーレン・バフェット氏の「損をしないこと」という言葉の重みも自然に分かってくる。

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