陳 満咲杜の「為替の真実」

陳満咲杜のFXブログです。ブログ引っ越ししました。新ブログはhttp://chinfx.blog136.fc2.com/

決済と新規

2007年11月30日 02時12分41秒 | ポジションの真実
大口投資家を訪問するため、出張を一日延ばして、明後日帰国することに。ポートフォリオの構成が変更され、決済されたポジションと新規建玉は以上の通りである。29日のポジションはすべて海外投資家の前の実演で、今後彼らから厳しいチェックを受けそうだ。取り急ぎ、開示まで。

注意:法律の制限で、私自身がリアルFX取引を出来ないため、本ポートフォリオはバーチャルのものである。

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ドル安一服、ユーロ1.4650へ反落か

2007年11月28日 02時09分16秒 | 市況の真実
海外出張のため、ブログの更新が遅れた。本日の値動きに鑑み、ドル安がとりあえず一服し、ユーロ/ドルは1.4650近辺まで反落する公算が大きい。一方、ドル/円は112円台を超える値動きも警戒しつつ、クロス円相場に関する円の優位性が引き続き維持されよう。取り急ぎ、ご参考まで。

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逆サインか、円安派らの「ドテン」

2007年11月23日 12時31分47秒 | 相場心理の真実
本日ユーロ/ドルの1.4967とドル/円の107.55とのレートが象徴するように、ドルの全面安が加速されるにつれ、円安派らの「阿鼻叫喚」があちこちから聞こえて来る。

当方が丁々指摘しているように、「FX=スワップ金利」といった間違った先入観を持つ日本個人投資家の大半は一種の「円安原理主義者」と化していた。その証左として11月12日の「東京外為売買比率統計」が如実に表していた。具体的な数字は以下の通りである。

             買い       売り     9日終値
米ドル/円       92.2        7.8      110.68
ユーロ/米ドル     12.5        87.5     1.4668
ユーロ/円       78.2        21.8     162.35   
ポンド/円       81.9        18.1     231.45
豪ドル/円       83.1        16.9     101.00
NZドル/円       84.6        15.4     84.55

12日(月曜日)の統計は恐らく9日(金曜日)までのポジションに関するもので、9日各通貨の終値と目下の相場レベルに照らし、個人投資者の大半は見事に敗北していることを意味する。もっと看過できずにいるのは、テクニカルの視点から「円高、ユーロ高、ドル安」とのトレンドが再加速していた節目なのに、大半の投資者はトレンドの進行を無視し、寧ろ「外貨の押し目買い好機」と見なし円売りのポジションを増やしていた。ドル/円買いの90%超えと比率し、ユーロ/米ドルのユーロ売りポジションも極端に積み上げていたので、難平も含め、「賭ける」との気概さえ漂う「逆張り」だったことも浮き彫りにされた。もちろん、一部「プロ」達の「サブプライムに慣れてきた市場は日々安定に向かう」といった論調も投資者らの行動を後押ししたが、問題は評論家達の評論ではなく、個人投資者らの姿勢にあると私は思う。

この前(6月前後かな)、ある外資投資銀行系アナリストのセミナーに参加した。彼は難しい専門用語と経済指標を並べ(しかも資料は全部英語!)、円安傾向の継続と米サブプライム問題の一時性を強調していた。また、日本の個人投資者が円売りするから、円安傾向は不変などなど述べられた。私にとって一番興味深かったのは、私が理解できなかった彼の話に、皆さんが頷いているではないかとの発見である。私が頭の弱い人間か、それとも参加者が実に分かっていなかったのではと悩んだが、結局皆さんが「円安論」を聞きたがっているだけだと悟った。つまり、すでに円売りポジションを御持ちの方の心理安慰となれば、どんな話でもいいから、兎に角ほしい。逆に相反する情報と意見を「ノイズ」として意識的に拒否してきた。今回の円高は投資者教育の意味合いも含め歓迎すべきだと私は思う。円売り=投資、円買い=投機といった間違った認識を変える上、為替及び取引の本質、至ってあるべき姿勢を学ぶ好機にもなっている。

さて、肝心の市況の話に戻るが、私は短期的なドル安一服と考えている。本日23日であり、テクニカル的な視点から本日を越えると、トレンドが一服する公算が高いことに加え、前記の「プロ」らは揃って円買い/ドル売り、ユーロ買い/ドル売りとのスタンスに「ドテン」してきたことも私の自信を深めさせた。後、「円高はあり得ない、円買いの理由が見つからない」と信じていた個人投資者らは本気に心配し始め、恐怖心を抱き始めていることに鑑み、少なくとも今のレベルでのドル売りはお見送りしたい。大体、「プロ」達と一般投資者の見方(恐怖?)が妙に合致している時は要注意だ。

人の行く裏に道あり、花の山ーーー世界最初の先物市場を作った日本の先輩達は素晴らしい名言を残してくれた。

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為替はテクニカルなり

2007年11月22日 19時51分34秒 | 市況の真実
「US/CADに関しては、このところカナダに悪い経済指標結果が続いている事もあり、決済しない方が良かったか、再度買いポジションを持つべきでしたかね。逆にGBP/USは、BEO議事録発表時に利下げの可能性が、確認され下落する事が予想されたので、決済か、売りポジションにしておくべきだったような・・

先日の英国インフレレポートの際、思わぬ下落で手痛い目にあったので、上記の件は予想がつきました。陳氏はファンダメンタルを一切考慮しないのでしょうか。たまには、役に立つときもあります。」

以上は本日DDさんからいただいたコメントの内容である。私としては、いくつか興味深いポイントが隠されているので、ここで取り上げて検証を試みる。

まず、誤解を招いているようなので、自分で言うのもおかしいと承知しつつ、ファンダメンタルズをそれなりに勉強し、それなりに「精通」していると先に申し上げる。

一方、確かに私はファンダメンタルズを根拠に、ストラテジーの策定などをあまりしなかったのも事実である。なぜなら、一般投資者にとって、下手なファンダメンタルズ分析ほど取引に有害なものはないと確信しているからだ。

DDさんが言うように、昨日、英中銀11月議事録の発表があったが、金利据え置きについて事前に7名理事賛成、2名反対との予測に基づき、すでにレートが形成されていた。具体的に見ると、午後6時30分の発表に対し、3時30分において英ポンド/ドルが2.0697まで上昇した。この値動きは前記の市場予測をすでに織り込み済みと示唆(そうでないと買われることがない)、逆に英利下げ懸念が16日の安値を以って反映されたとも読み取れる。その後、発表前の利喰いもあって、一時2.0600まで落ち、また2.0626まで上昇。発表内容が伝わると、8時まで2.0527まで下落したものの、2.0631で大引きした。

肝心なのは、2.0626から2.0527までの下落がDDさんがご指摘しているような「利下げの可能性が確認され、下落する事が予想された」ではなく、「鷹派」とされる副行長のJohn Geves氏が利下げを主張したことに起因したことである。言い換えれば、市場にとってのサプライズが2名理事の利下げ賛成ではなく、その構成メンバーであった。サプライズだから、予想不可能に近いとも言える。一般投資者にとっては、予想できる範囲ではなかろう。

このケースから得た教訓としては、まず、ファンダメンタルズ自身よりも市場参加者の予測と思惑が大事であることが挙げられる。次に、市場のレートは皆の予測と思惑で形成される以上、常にファンダメンタルズの内容より早く反映する。また、経済指標などの内容の良し悪しに反応するというよりも、事前の予測と思惑とどれぐらいキャップがあるかに反応する。言い換えれば、サプライズが大きければ大きいほど、値段が激しく動く。

この故、DDさんの考え方で相場に臨むのは、非常にリスクの高いものと見る。なぜなら、誰でも予想できるコンセンサスに基づいての取引で儲けられるなら、相場は最早存在しなくなる。

もっと重要なのは、根本的な要素でない限り、このような材料及びサプライズが殆ど「ノイズ」となり、賢い投資者ほど「ノイズ」を利用し、絶好の取引チャンスに変える。その上、すべての値動きを利用しようとする「欲張り」こそ命取りとなることを強調しておきたい。次回はチャートを使い、もっと具体的な検証をしてみたい。

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ポジションの優位性

2007年11月21日 00時43分25秒 | ポジションの真実
今のポートフォリオは上の通りである。クロス円に関しては、利喰いしたポジションはすべて本日のレートより近いもの(即ち比較的含み益の少ないポジション)、逆に含み益がたっぷりあるポジションを持つことで相場に対する優位性を保っている。

というのは、ドル/円、クロス円相場における円高傾向と達成すべきのターゲットには全く疑わないが、相場の「ジグザグ」を対応するため、臨機応変にポジションをチェンジする必要もある。ただ、このような局面において、先に決済するポジションは決して含み益の多い方ではなく、寧ろ温存することで目先の短期変動に余裕を持って対応できる。

現在、120.48のドル/円売りポジションを持つことで、例え判断のミスで109.15の売りポジションを新たに建てたとしても、平均コスト(平均レート)は114.81となり、本日、ストップオーダーなしでも安心して寝られる。逆に比較的含み益の少ないポジションしか持ってない場合、すこしの判断ミスで新ポジションを増やしただけに、平均レートが現レートに非常に近いか、現レートより下回るといったリスクに遭う確率が高い。

よいポジションであればあるほど、相場に対する優位性を持つことで、資金面だけではなく、トレーダーの精神面の健康にもつながる。精神面、資金面の両方が余裕を持つから、冷静かつ客観的に相場の動きを分析でき、次なる正確な判断を齎す。この好循環こそ、トップトレーダーらの成功の源である。

相場は人生なり。人々も社会における優位性の有無、強弱によって違う人生を歩むことに。人生も相場も、一度よいポジションを掴んだら、決して安易に手放さないものだね。明日(今日?)も頑張ろう。

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ドル安、再開へ

2007年11月20日 12時24分57秒 | 市況の真実
当方予想通りの円高が進行している。一方、最近の一週間、円を除き、ドル安の傾向は寧ろ一服していた。対英ポンドでは、ドルは逆に800ポイントを超えた上昇となった。10月31日終値よりも一時440ポイント近くのドル高となったので、対カナダドル、豪ドルや英ポンドに限定すれば、同31日のドル安小休止の可能性との指摘がタイミング的には早過ぎたが、結果としては正しかった。

さて、今朝いくつのポジションを決済した。上の記録は決済明細である。まず、ドル安の一服はそろそろ終了し、ドル安再開する公算が大きいと見ているので、英ポンドなど対ドルの売りポジションを買い戻した。また、カナダドル/円と米ドル/円の一部も利喰いしたが、英ポンド/円もタイミングを計って一部を決済するつもりだ。ただ、注意すべきなのは、複数を持つポジションだけ、円買いポジションを利食ったことは決してターゲット達成といった意味ではなく、次のタイミングを狙ってまた仕掛ける予定だ。だからこそ、値段の高いポジションからではなく、比較的利益の少ないポジションを決済した。よいポジション(含み益がたっぷりある建て玉)の堅持こそ優位性を最大限に発揮できるもの。

短期見通しとしては、円高傾向不変だが、対ポンド、豪ドル及びカナダドルでは、ドル安が再開されそう。ユーロ/ドルに関しては、史上最高値の再更新を以って1.4900大台も視野に。この見通しが正しければ、ドル/円やクロス円全体は当面の底割れを回避できるようだが、逆の見方をすれば、今後更なる下落へのエネルギーが貯蓄されるとの意味も示唆されるので、今年ドル/円の下値目標を下方修正する必要も出てこよう。言い換えれば、緩やかな円高よりも「ジグザグ」型の円高が勢いがある。

イーストヒル ジャパン(株)のホームページの不都合で「BULLBEAR FX シグナル」が間違って表示された日もあったようで、お詫びの気持ちを込めて、同シグナルの無料公開は今週一杯まで伸ばすことに。今日も「シグナル・フォロー」を書いたので、興味のある方はご覧ください。会員の方には、リアルタイムのシグナル発信を検討している、乞うご期待。

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現時点のポートフォリオ

2007年11月16日 13時02分55秒 | ポジションの真実
現時点のポートフォリオは以上の通りである。実際、タイミング的には13日のポジションが悪かった、当日夜米株の大幅上昇が想定外であっただけに、仕方がないと割り切ったが、本来この様な「ノイズ」を利用し、さらに売りポジションを増やすべきだった。

が、総資金と比べ、ポジションを持ち過ぎるのもリスク管理の視点から芳しくないので、断念した。ただ、テクニカル的には、例え初歩的な知識しか持たないとしても、目下の円高傾向を判断できるので、円売りポジションの堅持は全く躊躇するものではない。この意味では、所謂「プロ」達の意見は無用である。言い換えれば、個人投資家はすこしチャートの知識を習得できれば、現在のような「わかりやすい」相場には十分勝ているはずだ。

ちなみに、相場の展開に照らし、ポジションに対するフォローも非常に大事である。本日の「BULLBEAR FX シグナル」にはフォローする具体的なレベルを書いているので、興味のある方はご参考ください。

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シグナル公開

2007年11月14日 11時08分33秒 | 市況の真実
私は「BULLBEAR FX シグナル」というレポートを出している。自分なりのストラテジーをシステム化し、より実戦的なツールとして、具体的な売買ポイントとターゲット及びストップのレベルを明記したもの。

一方、同レポートを出すには常に一抹の不安を覚える。まず、システムの設定が私のロジックで行われ、結局私個人の考え方の反映であり、間違いも当然起す。次に、同じストラテジーでも、資金力、リスク管理の仕方によって結果は違ってくる。詰まることろ、ストップロスの厳守を実行した上、利喰い目標をじっと待てる方はあまりいないではないかと危惧している。

昨日のシグナル(午後)は好例であろう。ユーロ/円などクロス円相場の売りシグナルが点灯されたものの、予想外の米株の大幅高につられ、損切りラインを超えられた。このように、短期取引に影響するノイズがかなり多く存在するといったリスクを理解しないと、シグナルに対する信頼も当然損なわれる。

本日ドル/円とクロス円相場全般の売りシグナルがまた出てきたので、再チャレンジした。相場のノイズに対抗できる唯一の方法とは、トレンドに沿って何回もチャレンジすること。その上、一旦成功したら、薄利に満足せず、目標達成まで粘ることに尽きる。もちろん、目標は常に相場の状況に照らし、適切かどうかを見極めることも大事である。

今週一杯シグナルを公開する。イーストヒルジャパン(株)のホームページでご覧いただける。パスワードは「1234」である。

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クロス円相場を読む(五)

2007年11月13日 16時10分36秒 | クロス円の真実
為替相場はいよいよ佳境に入って来た。というのは、私のシナリオ、即ち「円を除き、ドル対主要通貨は一服、ドル/円とクロス円相場全般は円高」が相場に証左されたので、後は円高の波にうまく乗っていくだけだ。

ここでよく提起される問題は大体以下の二つに集中される。まず、乗り遅れた場合、まだ間に合うか。それとリンクして、円高は何所まで進行するか、である。「相場は相場に聞け」との原則に沿って、今日もチャートでの検証を試みる。

今日は、英ポンド/円のチャートを使う。理由は英ポンド/円のチャートは最近のクロス円相場において一番典型的な例だからである。

上は英ポンド/円の日足図で、ラインチャートである。ラインチャートには終値しか表示されず、情報量としては極めて少ないが、この故、一目瞭然で大局感を掴みやすいとのメリットもある。

図示のように、1月、7月及び11月の高値がA,B、Cで表示され、このフォーメーション(チャート上のパターン)は典型的な「ヘッド&ショルダーズ}、即ち{三尊型」となる。言うまでもないが、B点はヘッド(頭)で、A、C点は「ショルダー」(肩)という形象を取った呼び方だ。

大事なのは、このような「ヘッド&ショーダーズ」はネックライン(bライン)のブレイクを以って正式完成されると見なされ、その後の下値目標はヘッド(A)からネックラインまでの距離と同じく値幅を、最近の突破点から下にずらして測れること。教科書通りの展開となれば、英ポンド/円は今後202前後のレベルまで下げ続く、というシナリオも出てくる。

まさか、と思う方もいらっしゃるかもしれないが、当方では十分あり得ると思う。相場の進行と発展は往々にして一般の方の想像を越えるもの。私は年初からユーロ/ドルの1.4000大台といった目標を立てたが、最初誰も信じてくれなかった。特に「円高の理由が見つからない」と思っている方にはそこまでの円高予想を到底受け入れ難いと推測できるが、逆に「少数派の勝利」の原則に照らし、このような状況のほうが寧ろ達成しやすいかもしれない。

また、2005年7月安値を起点とするサポートライン(aライン)も下抜けされたことを重視すれば、英ポンドのブルトレンドがすでに終焉したという蓋然性は高い。因みに、aラインとbラインのクロスした時点は丁度目下の228前後に位置し、抵抗の役割を果たせば、このレベルにおいてショートの好機とも読み取れる。フィボナッチ数列で測ると、221.80近辺や215.05前後も重要なターゲットとなろう。

従って、冒頭の問題への答えは単純だ。まず、今乗っても遅くはない。次に下値余地がたっぷりある、ということ。

この見方が正しければ、他のクロス円もそれなりの下落幅が想定されるので、目下のレベルを敢えて位置づけとすれば、円高ではなく、行き過ぎた「円安バブル」に対する修正の最初の一歩に過ぎない。言い換えれば、7年間に亘るブル相場であっただけに、深い調整は避けられない。「山高ければ谷深し」である。

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ポートフォリオの現状

2007年11月12日 16時46分34秒 | ポジションの真実
ポートフォリオの現状は上の通りである。10月16日に建てた豪ドル/円とカナダドル/円のポジションは損切りしたものの、11月5日に新たなカナダドル/円のショートを試み、10日に米ドル/カナダドルのロングポジションを持った。

豪ドル/円の売りポジションを持てないことに少し残念な気はするが、損切りには全く後悔せず、正しい選択だった。損切りレベルを予め設定した場合、自動的に実行されるが、新規ポジションを大体成り行きで作るのは私のやり方である。

「いつ利益を確定するか」と、同僚にも度々聞かれるが、基本的には、利益をできるだけ伸ばしていくことが私のポリシーであり、トレンドが続くまでポジションを持つつもりだ。トータル利益こそ大事だから、スワップ金利など気にすることはない。そのため、すこしの揺り戻しに慌てることもないし、当面、円の小反落があれば、円買いポジションをさらに増やすつもりだ。平均コストで考えると、今のポートフォリオはかなり優位に立つから、この優位性を最大限に発揮したい。公開!私のポートフォリオでも強調したように「素人」の失敗は損切りできなかったに起因し、「プロ」の失敗は微々たる利益に満足したことにある。

注意:法律の制限で、私自身がリアルFX取引を出来ないため、本ポートフォリオはバーチャルのものである。

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グリーンスパン氏の指摘

2007年11月12日 11時40分25秒 | 市況の真実
米住宅バブルの「生みの親」であるグリーンスパン前FRB議長は先月の講演で再びドル安の危機を指摘した。目下為替マーケットのトレンドはまさにその通りの展開である。一方、日本国内における「主体性を欠いた円買い局面」といった「主流認識」と違って、同氏は「ドル対ユーロの調整は終わり、長期的に対アジア通貨での下落が続く」との見方を示し、当方としてはもっとも興味深い内容だった。

というのは、G7の中、日本人ほど自国通貨及び将来に対する悲観情緒を持つ国民はいないと思う。このブログにも、「円高の理由は見つからない」との意見が何回も書かれていたので、「円安宿命論」が大半の業者の宣伝によって世間に深く浸透しているようだ。が、私に言わすと、これからの20年、日本だからこそ真の「黄金期」に向かい、円高だからこそ景気がよくなる。そもそも、「多数派の失敗」との法則に照らし、周りの誰もが口を揃えて言うことには疑問と警戒を持つべきであろう。

先週末も円高が進行した。私が重ねて指摘している「円を除き、ドル対主要通貨は一服、ドル/円とクロス円相場全般は円高」との展開になった。もっとも、別にグリーンスパン氏の指摘がなくても、この様な相場展開は自然な成り行きで、なぜ日本の「プロ」達の大半が予測できずにいるのかと首を傾げるぐらいだ。「ドル/円の回帰が続く以上、ドル安の受け皿が従来の円以外の外貨から円にシフトする蓋然性が高いので、結果としては円の全面高という形で現れる。」と、当方が10月3日の記事 クロス円相場を読む(一) にも強調していた。

さて、クロス円相場も円高傾向に振れた以上、皆さんの関心はトレンドよりも「どこまで」、即ちターゲット目標に移行していると思われる。8月に取材され、月刊ビッグトゥモロウ 11月号(9月25日発売)に載せたFX関連記事の「予測編」を公開する。以下全文:

(ドル円)経済状況・テクニカル的にも円高ドル安は継続する

 8月に入り急速に円高にシフトしたドル円市場。「今後は円安回帰」という声が圧倒的ですが、私の考えは異なります。米国経済に対する信用不安は根深く、機関投資家を中心に安全投資先に資金をシフトする動きが加速すると思います。ドルの反発は限定的で、むしろ円キャリートレード*の解消は進み、今後3年は円高傾向が継続するでしょう。また、長期チャートから分析すると、ドル円レートにはおよそ8年サイクル(トップで数える)と5年サイクル(ボトムで数える)があります。この二つのサイクルは共に円高傾向を示しており、まさに現在がそれに当たります。基本的には年内108円台へ、3年以内には100円割れと見ています。


(ポンド円)かつてと比べると低い水準、頭打ちを再確認して波乱な展開か

 2000年からのポンド高・円安の進行は103円に近い値幅を以って世間を驚かせましたが、「80年高値(567.74)や85年高値(338.59)、90年高値(286.32)と比べると、なお低い水準です。一方、長期のサイクルだと、00年からのサイク
ルは明らかに強気。15~20年のスパンで考えると、ポンド・円はいずれ250円以上に定着し、280~300円位になっても不思議ではありません。但し、中、短期的だと見通しは厳しく、基本的には7月高値(251.11)をもって中期サイクルのトップアウトをし、今後2年間弱含みの展開と予想します。ボラティリティーの拡大もみられるのでは。215円レベルは年内安値の目安で、ブレイクした場合は下値リスクの拡大も考えられます。



(ユーロ円)史上最高値を更新、一時は急落。さて、今後は?

 今年に入り、史上最高値169円台をマークした、ユーロ円市場ですが、2000年からの強気相場が7月13日高値(168.95)以って終了した蓋然性が高く、この先基本的にはユーロ安・円高基調にあると思います。米サブプライム危機後、ユーロが150台からのリバウンドも200日線(159.73)に抑えられたことに鑑み、中期的には下値切り下げ、145.25レベルを試す展開になる公算もあります。一方、ユーロ対ドルの中期上昇トレンドはなお継続中で、史上最高値(1.3852)をさらに更新し、1.4大台目指すと見られるので、ユーロ・円相場もその影響を受け、あくまで緩やかなベアトレンドを描くのではないでしょうか。

まず、編集者が書いた私の話だが、ニュアンスがやや異なる部分もある。次に、この記事を振り返って見ると、いくつのミスが目立つ。まず、ユーロ対ドルの上昇スピードが当方の予測を越えたこと、それとリンクし、ユーロ/円もその後200日線を大幅に超えていた。但し、クロス円相場は構造的に「天井」を形成する時期に差し掛かっている以上、一時の急反発も絶好の売り好機と捉えるべきだ。因みに、ユーロ/英ポンド相場の展開に鑑み、前記「15~20年のスパンで考えると、ポンド・円はいずれ250円以上に定着し、280~300円位になっても不思議ではありません。」といった市況はこない可能性も。というは、5、6年後英ポンドもユーロ通貨に吸収されると相場が示唆している。

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米サブプライムショックの必然性

2007年11月09日 17時06分30秒 | 相場の真実
8月米サブプライムショック以降、米サイドをはじめ、関連銀行、証券の巨額損失が連日新聞のトップ欄目を賑わせている。「底なし損失、断ち切れるか」(本日日経新聞夕刊・ウォール街ウランドアップコラムのタイトル)という疑心暗鬼が蔓延し、一部「プロ」達の予想と反し、収束の兆しは一向に見えずにいる。

もっとも、米サブプライム問題は昨年から指摘され続け、今年3月から為替マーケットに影を落とし始めていた。日本人アナリストの大半は「問題は一時的、米経済力強し」といったスタンスを取り、楽観論を繰り返してきたが、本日に至ってはほぼ悲観論一色に転換している。この事例からも、日本の個人投資家らは是非以下の教訓を心得していただきたい。

まず、機関投資家及び「プロ」と呼ばれている連中は我々が想像するほど賢くないし、リスク管理も彼らが宣伝しているほどしっかりしていない。これは世界共通で、金融工学が発達しているかどうかなどテクノロジーの問題とは無関係である。金融業界だけではなく、あらゆる業界また政府組織も同じである。日本の年金問題はその好例であろう。

次に、アナリストらには、風見鶏の気質から抜け出せず、後解釈が上手いだけでメシを食っている輩が実に多い。(私が聞いた話では、銀行系アナリストのレポートを行内のトレーダーは読まないし、同じ時期にブル・ベア派が常に存在するという。)もっとも、一個人の力は非常に限られ、「プロ」だからすべて把握できるというのは所詮無理な話だ。(この意味では、フジマキ・ジャパンの藤巻さんに敬意を払う。彼は如何なる局面でも、円安と一点張りしてきた。)

もっと重要なのは、「台所でゴキブリが発見されたら、絶対一匹だけで済まない」とウォーレン・バフェット氏が言うように、危機というものの本質を理解することである。結論を先に申し上げると、危機とは「宿命的であり、人為的に避けられないもの」と私は見ている。


9月19日の記事相場の最終決定要因を考えるにも紹介したが、今年4月25日発売の「ビッグトゥモロウ」誌に掲載された広告記事には、「2009年末、2010年頭まで、ドル安・円高に進展する可能性が高い。100円割れも」と私は予測していた。具体的なレベルの言及よりも、ミソの部分が実に文書の最後にあった。

巷で話題のキャリー・トレード、即ちスワップ金利を狙う投資ブームは既にバブル化しています。その正当性をファンダメンタルズ(主に金利差)で説明しようとする評論家達の予測に反し、これから主に米国側から様々なマイナス要因が続出するでしょう。つまり、今後2,3年間に渡るドル安が「宿命的」である以上、ファンダメンタルズも後追いで円高の材料となる方向に展開すると予想します。


私は米国経済の専門家ではない。米サブプライム問題の深刻さを予想できる術もなかった。が、結論から言えば、私の見方は正しかった。つまり、金融マーケットにおける値動きが自身の内部構造に沿って動き、ファンダメンタルズはその反映として後付けして来るもの。言い換えれば、世の中のすべては「神の見えざる手」によって必然的、宿命的に位置付けされている以上、金融相場もその仕組みから抜け出せない。因みに、ここで言う「神の見えざる手」とは一般の宗教上のものではなく、「宇宙の法則」を指している。

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ドル/円相場の示唆(五)

2007年11月08日 16時05分03秒 | ドル/円の真実
10月30日「日経金融新聞」のコラム「相場を読む」には東京三菱UFJ銀行のチーフアナリストさんのコメントが掲載され、「年内円高小休止、113~118円で推移」との相場感とレンジを示していた。

銀行系のアナリストの殆どがファンダメンタルズから相場を語り、ある意味ではレンジ相場には強い。ただ、相場の水準をファンダメンタルズで決めるものではなく、トレンドの進行が速い、或いは変動率が高まる際、往々にして、相場の進行がアナリストらの予測範囲から大幅に掛け離れる、というケースがしばしばあった。昨日のドルの全面安と外貨の変動率はこの好例となろう。私は少なくとも7年間に渡って銀行系のレポートを読んで来たので、このような感想を持つことになったが、決して銀行系アナリストの能力を軽視しているわけではない。この辺は誤解しないように予め断っておきたい。

さて、「相場は相場に聞け」との原則に沿って、最近のドル/円チャートからヒントを得たい。上のチャートはドル/円の日足図、図示のAラインは8月23日高値と9月18日高値を連結し、Bラインは8月17日安値と9月10日安値連結したもの。A、Bラインが「トライアングル」とのフォーメーションを形成した。

注目していただきたいのは、10月3日にて、トライアングルの上放れが確認され、本来の目標計算値である120.30か121.35(トライアングルの最大値幅をブレイクのレベルに加えた計算値)前後まで上昇するはずだった。

ところが、ドルの上昇が117.94で頭打ち、逆にA、Bラインを順次割り込んで来た。即ち、前記「トライアングル」の目標値を達成しないばかりか、トライアングルの下まで落ちてきたので、テクニカル・アナリシス的な言い方をすれば、10月3日の上放れが「ダマシ」であった。

テクニカル・アナリシスの原則としては、「ダマシ」ほど「正確なシグナル」となれるものはないと見なす。何故なら、世の中の現象と同じく、「達成すべきものが達成されていなければ、その反対の方向になる確率が逆に高くなる」と考えられたのである。よって、10月19日にて、今後ドルがベアトレンドへ復帰するといった確信が得られた。その後、ドルの小反発も見られたが、すっと下落傾向にある21日線に頭抑えられ、ショートの好機とも解釈できよう。

さて、下値ターゲットとしては、順次111.36、109.00と108.35との目標値が概ね計算される。今月下旬までドルの「底入れ」がなかなか難しいと見ているから、銀行系アナリストの「レンジ感」が否定される可能性も浮上しよう。因みに、「年内108円台」とは、私の一貫した見方で、10月5日の記事にも言及している。相場は結局行くべきところに行き、ファンダメンタルズのみでその行方を掴みきれないのは自明の理だ。

昨日のボラティリティーの拡大を以って、ドル安小休止の可能性を再浮上させた。が、対円以外の話だ。よって、クロス円相場も含み円高となり、円を除きドルの保ち合い相場が見られるのでは。ユーロとの関係にも鑑み、豪ドルとカナダドルの過熱感は否めない。

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お見事!

2007年11月07日 14時55分39秒 | 相場心理の真実
11月5日調べの東京外為売買比率統計(QGI統計)が昨日の日経金融新聞に掲載された。
具体的な数字は以下の通り:

             買い           売り

米ドル/円       82.0(82.7)       18.0(17.3)
ユーロ/米ドル     17.6(19.0)       82.4(81.0)
ユーロ/円       67.8(72.2)       32.2(27.8)
ポンド/円       61.4(74.1)       38.6(25.9)
豪ドル/円       73.9(72.7)       26.1(27.3)
NZドル/円      76.4(75.3)       23.6(24.7) 

                 *( )内は10月29日の統計

このデータを見た途端、私は31日に書いたドル安小休止の可能性のタイミングが早過ぎた、
と気付いた。
というのは、 「東京外為売買比率統計」を読む 及びセンチメント指数から市況を読むにて繰り
返し指摘していた原則に照らし、寧ろ自明の理だ。

実際、相場も例の原則の正しさを証明している。日本の個人投資者の偏ったポジション(売り、
買いのどちらが80%超え)がドル/円とユーロ/ドルに集中しているが、現時点ユーロ/ドル、
ドル/円がそれぞれ1.4666と113.84を打診しており、「多数派の間違い」を見事に語ってくれた。

為替相場で成功するコツは実に簡単だ。まずお隣さんと違うことをやる。お隣さんがトレンドに
逆行しているのであれば、尚更だ。

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再考・「円安バブル」の異常さ

2007年11月05日 17時36分38秒 | 市況の真実
9月13日の記事 ドルインデックスで測る先の「円安バブル」の異常さ において、8月における円の急伸が「円高ではなく、単に先の円安バブルを修正し、あるべき価値へ戻っただけだ」と指摘していたが、果たしてこのような修正の動きが進んでいるだろうか。

上のチャートは本日のドル/円(黒)とドルインデックス(青)の比較図である。図示のように、1998年と2001年では、ドル/円とドルインデックスの大幅な乖離を生じさせた後、いずれも円の急伸が見られ、両ラインをクロスさせた。つまり、ドルの全面安が進めば、円だけが「蚊帳の外」に置かれ、常に売られるといったことはありえない。両者の乖離が大きければ大きいほど、その後円の急伸の可能性が大きい。

この見方が正しければ、目下両ラインの距離が寧ろ拡大していていることをとっても看過できずにいる。言い換えれば、目下ドル/円の114円台のレートが決して「割安」(ドルを指す)ではなく、割高であることを示唆された。よって、円の上昇はこれからも続き、場合によっては8月のように、急速な反騰ぶりを見せることも十分あり得る。

ただ、現実的に考えると、両ラインの接近及びクロスが、必ずしもドル/円の急落だけではなく、ドルインデックスの反騰との同時進行を以って、両者の乖離を解消する、といったシナリオも十分想定される。が、いずれにせよ、クロス円相場の頭打ち、至って反落し、場合によって急落するといったシナリオの現実性が一層強まる結果に。目下、ドルインデックスの急落がほぼ円以外のメジャー通貨が受け皿となっており、クロス円相場が揃って急反発のパフォーマンスを演じていたことに鑑み、上記の見方の信憑性に頷ける。

だから、当方は一貫してクロス円相場が総じて高値警戒圏にいることを指摘してきた。この見方の正誤に関する「相場の審判」はそう遠くないだろう。

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