陳 満咲杜の「為替の真実」

陳満咲杜のFXブログです。ブログ引っ越ししました。新ブログはhttp://chinfx.blog136.fc2.com/

新しい風

2009年01月31日 02時36分54秒 | FXの真実
先日、青月社社長のご紹介で、Win-invest japan(株)の杉田会長とお会いする機会があり、会食しながら楽しい会話と意見交換ができた。

杉田先生は中東、ロンドンなど海外駐在歴が長く、自らヘッジファンドを立ち上げ、運営する数少ない日本人ファンドマネージャーでもある。流石大先輩とあって、相場歴が長いだけに、お話に大変深みがある上、本質に迫る洞察力がなかなか鋭いもので、大変勉強させていただいた。

杉田先生の会社はFXトレーダーの育成をメイン業務とする教育、トレーニング機関である。これは、日本の投資業界に新風を吹き込む事業だと思う。

というのは、投資家教育と言えば、日本ではまだ業界の主導が主流であり、独立系が少ないのが現状である。その背景には、投資者の意識構造にも問題があると言われている。

具体的には、情報と教育は業者がただで提供してくれるものと思い込み、自ら大金を払うには抵抗感があるという方が少なくないようだ。その上、クリックするだけで、誰でも簡単に取引が出来る故、つい勉強と訓練の重要性を忘れがちだ。

対照的に、外科手術を施す医者は長年の勉強と下積みを経験しているし、独奏会を開くピアニストは気が遠くなるほどの練習を繰り返してきた。また、彼らは高い授業料を払うのに躊躇しないのは、代償と報償の因果関係をよく理解しているからである。トレーダーとして生計を立てることを望むなら、これぐらいの覚悟ができないといけないのも自明の理であり、アマチュアでも同様であろう。というのは、プロとアマチュアが同じ土台にて戦うのが投資の世界であるからだ。

因みに、杉田先生も同感なされているように、所謂「日本の常識、世界の非常識」の根深いところである。スワップ金利(そろそろ死語?)を狙う「放置プレー」の奨励は流石下火になったが、代わりに「両建てのメリット」を鼓吹する勢力が台頭している。

おもしろいことに、元祖「放置プレイヤー」、着物トレーダーを目一杯育てた某ディーラー出身者が最近の著作で「じつは私はデイトレーダー」という。彼の本を取り上げ、昨年末、評価者として週刊SPAの「ビジネス本大賞・投資関連」のワーストランキング(12月23日号)に入れたかったが、用意されたリストにそもそもなかったので断念した。

当然であるが、他人の本を評価する側としてその逆風もしっかり受ける運命にある。実際、前作はすぐさま、「あるべき筋」の仕返しをいただいている。これでもよい、新しい風を吹くにはこれぐらいの覚悟はできている。


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拙著発売のお知らせ

2009年01月23日 11時38分24秒 | FXの真実
皆さん、いつも大変お世話になっております。

さて、拙著「FXトレーディングの真実」(扶桑社)は2月2日の発売と決定しましたので、お知らせいたします。(都内書店では、実際31日あたりご購入可能のようです)

今回はテクニカル・メソッドに集約した内容となり、前回の拙作と違い、理屈を抜き、すべて実戦に使える手法のみを紹介させていただいております。ご一読およびご評価、ご指導のほどよろしくお願いします。

以下の紹介文は当方のマネジメント会社、(株)アドライフによって作成されています。ご参照ください。(アマゾン・キャンペーンに関しては、別途お知らせいたします。)

2008年3月のドル100円割れを誰よりも早く当てた異能のFXアナリスト・陳満咲杜が、FXで勝つために本当に必要なテクニカルをプロの視点で選出。実戦で強みを発揮する数々の秘技は、トレーダーとアナリストの両方を経験した筆者ならではのメソッド。中でも「リバーサルに基づくターゲット・カウンティング」は、著者がその師から破門されるのを覚悟で記した日本初公開となるテクニカル手法!2008年の最新のチャートを含み、102枚のチャートを用いて解説する超実践的な内容は既存のFXマニュアル本やネットで調べられるものとは一線を画する。とはいえ、難易度は決して高くない。「シンプル・イズ・ベスト」をモットーとする陳氏だけに、どの手法もわかりやすく、すぐに使えるものが中心で、初心者のテクニカル入門書としてもぴったり。相場で生きていくために必要な思考やトレーダーの心構えなどコラムも充実。ゼロサム・ゲームを勝ち抜くための奥儀がつまった投資家必携の書となっている。


FXトレーディングの真実
陳 満咲杜
扶桑社

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シンガポール出張

2009年01月17日 16時28分14秒 | FXの真実
                       シンガポール紙幣

うちのエリオット会長の命令で、本日からシンガポール出張だ。今成田空港にいるが、10分100円というせっかちの港内PCを使ってこの記事を作成している。だからさっさと書くつもりでいる。

今回の目的はセミナーの参加だが、出かけたい時に出かけられるから、改めて脱サラのメリットが大きいと感じている。(組織に命を削るより、自分のためにコストをかけ、たとえ失敗しても悔いにはならないよう生きたいものだ。)

人生は一度限り、死ぬ時「俺がやった!」と自分に言い聞かせたい。

さて、搭乗前に、ゴシップ的な話をお聞かせしましょう。先程ネットでなんとなく検索していたところ、ある外国のサイトで面白い記事を見つけた。同記事はアナリストの「早ければ、ドル/円が三ヶ月以内に70円まで落ちる」といった予測を紹介している。

この見通しには全くサプライズなしだが、意外なのは、同アナリストは他ならぬ、あのバークレイズ銀行の梅本氏である。やはり、ここまで円高が来たか。

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風桶の2009(一)

2009年01月10日 11時31分02秒 | FXの真実
            合衆国通貨1ドル、エリオット君、陳アソシエイツ会長就任記念紙幣

年末年始の恒例行事として、新年相場に関する見通しがマーケット関係者を慌てさせ、そして悩ませている。当方もいくつかのインタービューを受け、主な予測記事は「マネーポスト」と「投資の達人」(共に1月号)に載せていただいた。

東西、ジャンルを問わず、昨年年末から、当方もいろんな予測を随分読んできた。そのうち、もっとも「邪道」な予測は、なんとアメリカが2012年頃分裂し、内戦状況に落ちるというもの。同預言者は周りから当然のようにバカされているが、本人は全く意を介さず、自信満々で持論を展開している。

元KGBアナリスト出身の同預言者の主張はともかく、彼の言い分には感慨深い節がある。彼に言わすと、アメリカでは、最初ソビエトの崩壊を予測していた人物が周りからバカにされるどころか、全く無視されたようだ。というのは、当時殆どの専門家がソビエトの脅威と拡大に西側が対抗できず、資本主義の敗北ではないかとばかりに危惧していたから、バカしてやる余裕さえなかったからだ。(余談だが、知り合いの20代男性何人に聞いていたところ、彼ら全員がKGBを知らないし、聞いたこともないという。時代が違うとは言え、・・・・・・)

ジャンルが違うものの、相場に関するアナリシスの真実はどうやら一緒のようだ。即ち、専門家らは小さい変化を予測できたとしても、歴史的な転換点においては殆ど素人と同様に鈍感で不正解であった。また、圧倒的な多数派の関心事ほど圧倒的に予測された「あるべき姿」で現れない。

このような事態の発生は予測者の能力と関係なく(諜報機関にしても、金融機関にしても、アナリストらは高学歴のエリートから選ばれている)、予測の不確実性という永遠不変な法則にある。相場予測における不確実性の本質は日本のことわざ、「風を吹けば桶屋が儲かる」のように語られるファンダメンタルズにおける因果関係の複雑さだけではなく、原因がそのまま結果として新たな原因を作り出すといった因果関係そのものの複雑さにある。

最近の好例では、9日英中銀は50ポイントの利下げを断行、1694年同行設立以来最低水準まで金利を引き下げた。が、金利決定が伝われた後、英ポンドは下落ではなく上昇していた。利下げ幅が予想より小さかった、或いは「うわさの売りで、事実の買い戻り」といった「従来の解釈」が聞こえてきたが、的を射ているとは言い難い。英ポンドの大幅安が英中銀の金利決定に影響した、というニューアンスが声明文から読み取れたので、ショート筋が一斉に手仕舞いに走ったのはどうやら本当の引き金のようだ。

このように、本来原因である利下げ観測が英ポンドのレートを大幅に押し下げ、その結果自身が金利決定における判断基準となり、元の観測と逆の市況をつくる。そして、新たの市況は次のコンセンサスや予測に影響を与え、新たのレートをつくり出す。相場における因果関係はお互い絡み合い、どちら原因で、どちら結果なのかを断定的に言えないケースが多い。


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謹賀新年 

2009年01月03日 15時59分42秒 | FXの真実
                       (だるま市、本川越喜多院)

あけましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になりました、今年もよろしくお願いします。

為替マーケットに限らず、昨年はいろんな意味で勉強になった一年でした。
皆さんと共に、今年はよい知恵と結果を出せるように頑張っていきたいと思います。

何卒、引き続きご指導のほどよろしくお願いします。