陳 満咲杜の「為替の真実」

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生き残りの真実(一)

2008年01月20日 12時30分14秒 | ポジションの真実
前の記事では、「生き残る」との言葉の意味合いがかなり重いと指摘したが、具体的にはどうなるかと聞かれると、あの株式投資の神様、ウォーレン・バフェット氏の言葉を思い出す。

氏に言わすと、投資に成功するために、もっとも重要な3つの原則を守らなければならない。即ち、第一、損をするな、第二、第一原則を忘れるな、第三、第二原則を忘れるな、である。

さすが投資の神様であるだけに、言葉が示唆に富むだけではなくユーモアもたっぷりである。リスクコントロールの重要性をいくら強調しても大げさではない、ということであろう。

儲かりたいから皆が相場に参入してくる。一方、皆が儲かるという相場は存在しない。特にゼロサムゲームの代表格としての為替相場では、損得において常に全体的均衡を保っているから、必然的に「少数派の勝利」となりやすい。だからこそ、如何に儲かるかを考えるよりも、如何に損をしないかを考え、行動したほうがよほど大事である。というのは、ゼロサムゲームでは、敗者でなければ、必然的に勝者となるから、常に相場に生き残ることが前提であれば、損失回避、即ち元本保全のほうがトレーダーの主要任務となる。

誰でもできる簡単な計算をしてみよう。仮に100万円の元本を持ち、数回の取引をして50万円の損失を被った。このケースでは、損失率は50%に達している。そして残った50万円を使い、また相場を張り、100万円まで増やすには何と100%の勝率を要求される。史上最高額を稼いだ投機家と言われるジョージ・ソロス氏さえ、平均パフォーマンスが35%前後であることに鑑み、100%のパフォーマンスを達成するには如何に困難のことかをおわかりになるだろう。

従って、元本に対する損失を抑えないと、トレーダーが取引すればするほど負けていく。理屈は明白だ、市場より大きな元本を持つ個人或いは集団はいないからである。逆説であるか、投機とギャンブルの根本的な違いは、一回の取引(賭け)において、投機は途中でやめることができる(損切り)に対し、ギャンブルはできないことにある。

この意味では、所謂「スワップ派の取引」がなぜ宿命的に負け組になるかを説明できる。つまり、スワップを享受する代償として、元本に対する損失率のコントロールを放棄しがち、ということに尽きる。


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