陳 満咲杜の「為替の真実」

陳満咲杜のFXブログです。ブログ引っ越ししました。新ブログはhttp://chinfx.blog136.fc2.com/

転換期の法則(2)

2010年07月08日 17時41分39秒 | 市況の真実
5月7日号の「転換期の法則」では、ドルインデックスは6ヶ月以上の連続陽線引けになれないではないかと指摘していた。案の定、同指数は先月にて陰線で引き、
今月初からも下落して来たので、7月も陰線引けになる可能性がある。

そうであれば、先々月からの罫線組み合わせは「宵の明星」といったパターンになりかねる。
転換期の法則とは、そういったパターンをもってその蓋然性を証明し、また転換の蓋然性が強いから、過去の値動きを繰り返し、パターン化されたものだ。


ところで、今週から発行している無料メルマガの「為替天気予報」はすでに680名の方々に読まれているようで、頑張っていきたいと思う。
今月一杯まで、最新号の公開を設定しておいたから、まだ登録されていない方はご確認を。




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「はらみ線」のダマシ?

2010年07月02日 16時12分16秒 | 市況の真実
ドル/円は急落している。昨日一時87関門割れとなり、円高継続の観測及び懸念が高まっている。

当方としては、ドル/円の5年サイクル構造やドルインデックスとの乖離性に鑑み、ドル/円の下値余地が限定されているではないかと見る。その上、クロス円相場全般における円高も一緒で、
目下本格的な円高が展開される時期ではないと思う。

もっとも、ドルインデックスが6月にて頭打ちとなり、当方の指摘の通り、連続7ヶ月の陽線引けにならなかった。基本的には、このような時期ではクロス円相場における円高圧力は緩和され、
結果としてドル/円の下値を限定するものと思われる。

ところで、ドル/円の週足では、あの「5.6ショック」があった週間の足が長く、その後の7週間の値幅をすべて隠すことになっていたので、強力な「はらみ線」の形を示し、
本来目下の下げがその「はらみ線」の打破となり、きつい下げ(81円付近)となるはずだが、そのパターン自身がダマシとなる可能性にも注意が必要だ。

なにしろ、図の上のドルインデックスが示しているように、5月中旬から6月初旬にかけて形成していた「上昇トライアングル」自身がダマシであったから、目下のドルインデックスの
下落を加速させる原動力となっているではないかと思うぐらいだ。言い換えれば、当方の見方はドル/円の「ダマシ」によって証左されるといった期待を残しておきたい。

一方、仮に「はらみ線」とその打破方向にそった形で円高が進めば、2005年1月安値からの5年サイクルは昨年11月安値ではなく、くるべき安値で完成されることになる。結果は如何に。





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消滅の前に一儲け?

2010年06月11日 19時09分23秒 | 市況の真実
5月13日、あの高名なロジャーズ氏はロイターのインタビューで、ユーロはいずれ消滅という見方を示した。

その記事を読んで、当方は氏の話し方のうまさに脱帽した。「いずれ」といっているから、いつでも方向転換できるはずだ。案の定、昨日氏はユーロの買い推薦といったコメントを行った。

少なくとも氏はユーロ消滅の前にひと上げがありと見ているようで、当方の見方と小さい共通点を持つこと自身が幸いである。

ところで、ユーロ/ドルのリバウンドがあれば、どのぐらい程度かを予測しにくい。上のチャートが示しているように、サブプライム問題が発覚した以降、ユーロは3700pipsぐらいの下げとなったが、
今回ギリシャ問題で3300pips前後の下げ幅を記録している。値幅は似てきたので、そろそろ一服して、リバウンドを展開してもおかしくないだろう。

一方、2008年高値からの急落は約3ヶ月間で完成したと対照的に、今回は5ヶ月超えている。だから、RSIで見る限り、2008年8月から同指標が作り出した強気ダイバージェンスが強烈なシグナルを
構築していたに対して、目下同指標のシグナルは実に淡白である。

よって、リバウンドが2008年12月のような急反発がないかもしれない。が、それには自信を持たない節もある。というのは、リーマンショック以降のユーロ急落に比べ、正確な統計のある先物市場
におけるユーロのショートポジションは目下はるかに高い水準にあり(もちろん史上最高水準)、先物以外、マーケット全体がどれぐらいユーロ売りポジションがあるかはわからない。
要するに、ユーロのリバウンドはショートカバーに依存している以上、ショート筋がどれぐらい我慢強いかによって状況が違ってくるだろう。

そういえば、5月15日読者様からのコメントでロジャーズの話が紹介されていた。やや意地悪い答えをしたが、あくまで冗談なので、真面目な方からお叱りを受けることを恐れながら、
当方はロジャーズ氏が大好きであることを表明しておきたい。



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ドル/円の示唆

2010年05月16日 12時45分14秒 | 市況の真実
ユーロ/ドルは急落を続いている。「5.6パニック」の安値を更新していただけに、ユーロ/円の113円台打診はまだ「やさしい」ように見える。

言うまでもないが、その背景にはドル/円の「意外」な堅調ぶりがある。EUのソプリンリスクに危惧し、リスク回避の動きでユーロ売り/ドル買いが進んでいると解釈されるが、円のパフォーマンスを見る限り、
本当のパニックはまだ到来していないようだ。

ところで、ドル/円のチャートに鑑み、足許ではなお切り返しの途中ではないかと思われる。図示のように、2007年6月高値から08年3月安値までの下げ幅に対して一旦50%のレベルを戻ってから次の安値を更新していたが、
08年8月高値から12月安値までの下落変動に対する切り返しは61.8%近いレベルまで行っていた。そうなると、今回は全幅(09年4月高値~11月安値)戻す可能性もあるかということになる。

が、全幅を戻せるかどうかは定めではないが、戻りはいずれ頭打ちして本格的な円高時代に突入するだろう。恐らくある程度の戻りが出たら、円安期待感が高まってくるだろう。その時こそまた裏切られる時期となる。



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トリシェ総裁のサイン

2008年06月06日 15時57分13秒 | 市況の真実
昨日ユーロの上昇が目立った。言うまでもなく、トリシェECB総裁による「7月利上げ」の発言が齎した結果である。今晩の米失業率の影響も含め、ドルのリバウンドが終了したのではといった危惧の声が多くなっている。

では、仮にユーロの利上げがあった場合、ユーロ高(ドル安)が続くでしょうか。当方はユーロの続伸には懐疑的だ。言いかえれば、ドルのリバウンドがこれからも続くと見る。

昨日トリシェ総裁の発言がかなり鷹派的だが、その背景について考えざるを得ない。トリシェ総裁が敢えて明確な言い方をしたのは、火曜日におけるバーナンキFRB議長の鷹派発言があったからこそだ。本質的には、ドル安(及び原油高)といった懸念がECB側で弱くなっていることの裏返しでもある、という推測に尽きる。トリシェ総裁はドル高のサインを出しているとも読み取れる。

もっとも、このようなファンダメンタルズ・アナリシス自身が「どうでもよい」ものであり、相場のことは相場に聞かなければいけないので、上のドルインデックス日足を見ることに。

図示のように、昨日の高値73.87は再び100日線に抑えられた形で表れたが、昨年12月から今年2月の間まで同線に接近した局面とはやや異なるシグナルを発している。矢印が示しているのは100日線との打診を果たしたポイントだが、前回の2回では共に前の高値より低いレベルで100日線を試していたのに対し、今回は僅かながら5月の高値を上回っている。サイクル論におけるドル高の蓋然性と相俟って、ドルのリバウンドが今回こそ100日線を突破し、続けられるといった可能性が大きいと見る。

引き続きドル/円の高値が108~108.60前後と予測する。


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EUR/GBP、調整間近か

2008年04月10日 15時58分46秒 | 市況の真実
ユーロのブル基調は対ドルのみならず、対英ポンドなどの通貨における上昇ぶりも「天井知らず」の様子だ。

上のチャートを見ればお分かりになるように、EUR/GBPは2003年5月高値から引かれたレジスタンス・ラインをブレイクした後、ほぼ一本調子の急上昇となった。テクニカル・アナリシスの視点から見れば、約4年間構築された大型「トライアングル」を上放れしただけに、このような急騰も理屈に適う。即ち、「教科書」通りである。

一方、トレンドの進行及びそのモメンタムは往々にしてファンダメンタルズの材料と相俟ってお互い促進するものが多い。目下はこの典型であろう。市場のコンセンサスでは、本日ECBが金利を据え置き、BOEが利下げするといった内容で、その上、ECBサイドでは依然インフレ警戒のスタンスを取るといった予想が大半である。

このような背景を踏まえ、やや逆説であるが、EUR/GBPの調整も間近かもしれない。なぜなら、コンセンサスに主導され、ユーロ買い/英ポンド売りが行われた結果、今のレートになっているから、その後、逆の方向に行きやすいと思われる。

4日の記事と同様、この様な考え方自身も予測であり、これから相場の検証を受けることに。結果は如何に。

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懐疑の内に育つドル高相場

2008年03月25日 00時24分53秒 | 市況の真実
急遽台湾講演が決まり、今台北のホテルにいる。

上の図面は今回講演のタイトル、ドル高がすでに進行していると主張するつもりだ。

当方の主張に違和感を感じる方は台湾にも多いかもしれない。というのは、丁度台湾の総統選が終わったばかりで、国民党の勝利を以って株高、通貨高の市況となっただけに、台湾のセンセイ達が競って台湾ドル高/ドル安、株高の「絶対性」を熱く語っている。

だが、昨年日本の自民党参議院選の結果と市況の関連に鑑み、政局の相場への影響は結局短期的なものに留まる、という教訓があった。もっとも、日本でも昨年多くの評論家達が自民党の惨敗を根拠に、円安を予想したが、そのあと君子豹変ぶりを発揮して円高に転がり、本日では90円、92円など目標値を出しているのと同じく、台湾にも多くの「豹論家」が後で出てくるかもしれない。センセイ達の素性は案外世界共通だ。

昨年7月ごろ、私が台湾で「ドル崩壊」とのタイトルの講演を行った際、所謂プロと一般投資家の両方から懐疑と批判の声があった。台湾マネー誌のインタビューを受けたが、現地銀行系アナリストが真っ向から反論を述べた文書と一緒に掲載されていた。が、先ほど本屋で立ち見していると、台湾の経済誌には「ドル崩壊、ドル底なし」といった論調が圧倒的だったことに気付く。相場は常に懐疑の内に育つもの、だからドル高がすでに進行していると言えよう。

ちなみに、今朝、家から出発しようとしていた際、テレビにあのボクシング「亀田3兄弟」の長男・興毅氏のインタビュー映像が映っていた。「最近気になるニュースは?」との番記者の質問に、彼はなんと「ドル/円100円割れ」と「サブプライム問題の底が深い」と答えた。これは恐ろしい!目下「プロ」及び「元プロ」達も同じことを言っているではないか。だから、ドルの全面安はすでに終了したか、終焉に向かいつつある。

この見方が正しければ、今後このジンクスが生まれるだろう。即ち、ボクシング選手が「プロ」及び「元プロ」達と同じことを言い始めたら、相場はすでに変調しているとのこと。

また、上野公園の桜がすでに咲き始めたとの報道もあった。1月23日ツー・ビッグ・ツー・レイト?にて述べた「桜の満開とともに、円もわが春を謳歌するか」は概ね達成されたようだ。日本に戻ったら、家内を誘って、花見に行きたい。

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大局観

2008年03月20日 16時53分46秒 | 市況の真実
ドル全面安の市況はすでに終焉に向かいつつあり、年内一杯、ドル全体が堅調な値動きとなろう。

このシナリオはメジャー通貨ペアに限定され、しかもドル/円を除くもの。よって、クロス円相場の下落がこれからも続き、円安派の修羅場はこれからも続く。

当方がこのブログを書き始めた当初、円高の蓋然性を主張していたが、所謂プロと一般投資家の両サイドから「円高の理由が見当たらない」との意見が多かった。本日では、「ドルを買う理由が見当たらない」が主流となりつつある。だから、ドルは底をすでに打ったか、近々打とうとしている。

どうやら日本には、為替と為替相場の本質を理解している方が少ないようである。困ったことに、ご自身が「わかっていない」方でも本を書いたり、講師をやったりして、間違ったコンセプトを一般投資家に教えていた。この故、日本の個人投資家の多くが「着物トレーダー」のレベルから抜け出さずにいる。業界と業界人の責任は重い。

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ドル安、再び一服の公算

2008年03月07日 13時59分56秒 | 市況の真実
ドルの下落が続いている。ドルインデックスが昨日72.86という「史上最安値」を付けた。外貨サイドでは、ユーロ、スイスフランをはじめ、史上最高値を更新か、変動相場に移行して以来の高値、あるいは二十何年ぶりの高値を付けた通貨が多く、最近円の上昇にスピード感があったものの、絶対水準で測る出遅れ感が依然残っている。

さて、ドル全体の下落について、目下悪材料とネガティブな市場心理が蔓延する環境の中、当然の成り行きと受け止められているが、そろそろ一服感も出ている。

上のドルインデックスの日足を見てください。2005年11月高値を起点とする大型下落チャンネルがきれいに目下の安値がサポートラインに位置することを示している。だから、ドルの売りポジションを増やす時期ではないと言えよう。そんな簡単な見方でいいかと、よく初心者に質問されるが、当方がいつも言うのは、勿論それだけでよいし、十分だ。何故なら、銀行ディーラーなど所謂「プロ」のトレーダーらもこれを見て判断しているからだ。評論家でなければ、難しいリサーチと解釈は無用だけではなく、かえって邪魔だ。

また、当方としては、市場心理の参考価値が大きいと思う。ドル安を疑問視していた一部の個人投資家らはややパニック気味で、自称「フォレックス キング」の某「元祖円安原理主義者」のブロガーや「サブプライム問題は一時的」とのスタンスを取っていた「元プロ」の講師も揃ってドルの下値を予測し始め、ドルの崩壊危機を懸念している。前にも言っていたように、このような「プロ」と一般投資家の「危機感」が妙に合致している時、相場も往々にしてモメンタムの一服か、トレンドが転換しやすい時期に差し掛かっている。

念のため言っておきたいが、私はドル買いを決して推薦しているわけではない。ドル売りポジションを増さないことやポジションのストップロスの厳守を御勧めしているだけである。なぜなら、誰も将来を正確に予測できない以上、賢い投資家は決してトレンドと逆のポジションを取らない。例えすごく「魅力的な」チャンスに映っているとしても。

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そんなのカンケーねぇ?(二)

2008年01月30日 02時03分14秒 | 市況の真実
事例としては28日、英ポンドに関する要人発言とその後の市場反応を挙げてみたい。

英ガーディアン紙が28日付けで、BOE(英中銀)の政策委員が「今後数カ月でBOEが大幅利下げを実施しなければ、英経済は減速するおそれがある」、「市場の先回りをする必要がある」などの発言を報道した。その影響で英ポンド/米ドルは1.9866から1.9730まで下げ、英ポンド/円は213.70から209後半まで急落した。上のチャートは英ポンド/米ドルの60分足図で、aの表示部分はこのユースが伝えられた後の下落幅を指している。

確かに政策委員は要人だし、発言自身がもっとも敏感な材料となる金利動向を暗示するもので、短期的における英ポンドの下落も納得できる。が、メイントレンドに焦点を凝らせば、「でもそんなのカンケーねぇ」と、経験豊富なトレーダーなら、すぐ直感できるだろう。なぜなら、図示のように、b(1.9644)とc(1.9792)を超えた英ポンドがすでにブル基調に転じており、少なくともスウィング・トレーディングの視点から英ポンドが上昇トレンドにいる、との判断を下せる。

この判断が正しければ、相場は証明してくれるだけではなく、トレーダーに仕掛けのタイミングも教えてくれるはずだ。図示のように、100時間線やEラインのサポートを確認できた上、変動率の視点からも130pipsを以って調整の完了(材料の出尽くし)の可能性が大きい、よって、ロングの好機と見なされるべきであった。その後、英ポンドが見事に反転し、1.9929の高値をつけていた。(執筆時点まで)

このように、ニュースなど材料を追って売買するよりも、冷静にトレンドを見極め、一時の値動きの「逆行」を利用すれば、リスクが限定される上、比較的に高いリターンを手に入れる。肝心なのは、ニュースなど材料の中身よりも、相場の反応を照らしながら、値動きのパターンを検証することにある。相場における値動きがすべての情報を織り込む形で形成されていくので、材料自身が「ノイズ」かどうかをすぐ判別できるのである。

相場は相場に聞け。真剣に耳を傾ければ、一日中、何回も「そんなのカンケーねぇ」という相場の呟きが聞こえるかもしれない。この「呟き」が多ければ多いほど、相場の方向はより鮮明になってくる。


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そんなのカンケーねぇ?(一)

2008年01月29日 18時17分26秒 | 市況の真実
相場の本質を見極め、メイントレンドを見つけ出せるかどうかはトレーダーにとって死活問題となる。が、現実では、為替ほどいろんなニュース(経済指標を含め)、うわさ及び要人発言に影響されやすいマーケットはないから、トレーダーも往々にして迷いがちで、悩みの種になっている。

この故か、一部個人投資者はファンダメンタルズを必至に勉強し、血眼となってニュースを収集、分析しようとする。努力自身は素晴らしいものだが、個人投資者ほど、「勉強すればするほど本質から遠ざかっていく」といったリスクに注意しなければいけない。なぜなら、森羅万象のファンダメンタルズに没頭すればするほど、情報量の多さと比率して、総合的な判断力を失われていく羽目になりやすいからだ。

そもそも、相場動向の決定要素は値動き自身の内部構造に依存している側面が大きく、ファンダメンタルズ分析のみでは、必ずしも相場の方向を見つけ出すとは限らない。このため、金融機関のエコノミストと大学の教授らはファンダメンタルズの分析をうまくできたとしても、相場で成功した話はあまり聞こえない。

当方の経験では、相場のトレンドをチェンジさせるほど重要性を持つニュースは少ない。言い換えれば、殆どの材料は短期的なインパクトしかなく、相場はいくべき方向にいく習性があるから、これらの材料の影響力も総じて短命的で、「ノイズ」になる可能性が高い。賢いトレーダーはこのような「ノイズ」を利用し、有利な取引チャンスを見出すことが多い。

つまり、経験豊富なトレーダーなら、ニュースなど材料及び短期的な市場反応を「本物」か、「ノイズ」かを見極める能力を有し、「ノイズ」であれば、いくら持て囃されても、「そんなのカンケーねぇ」と割り切れる上、逆に「ノイズ」によって形成された値動きを利用し、極めて有利な取引チャンスを手に入れる。次回は実例を挙げて説明したい。

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相場見通しの検証

2008年01月14日 17時53分24秒 | 市況の真実
本日12月シグナルの検証を行うべきだが、市況が動いているので、とりあえずこの前の見通しを検証することに。   

ご存じのように、当方は一貫して「ドル高限定論」を展開してきた。昨年12月13日 既存ストラテジーを継続 にてドル/円108台、ユーロ/ドル1.5200台との目標を掲げた。

同日終値ではドル/円が112.33、ユーロ/ドルが1.4626とのレベルを記録していたが、当方と同じ見方を示すアナリスト(別に日本に限定した話ではなく、欧米大手投資銀行、証券会社に属する方も多い)はまだ少なからずいたが、20日ユーロ/ドルの1.4309安値及び27日ドル/円の114.66高値に鑑み、見通しを急変させたアナリストも少なからずいた。印象として、日本のアナリストはドル/円を強気、ユーロ/ドルを弱気に転換した方が多かったに対し、欧米系では両方弱気に転換した方が多くいらっしゃった。

君子豹変、と言われたらそこまでだが、先週末では、また当方と同じ立場に再転換してきた方も実に多い。欧米投資銀行のレポートを見ると、ユーロ/ドルの見通しを、従来の1.4、1.35及び1.32までの下落といったものを1.5、1.52及び1.55まで上昇、といった転換のケースが目立つ。一方、風見鶏にならずに済んだ当方もつらい経験をしてきた、即ち英ポンドでの失点である。「上等な風見鶏」になるのは難しい、ということを痛感しているところである。

さて、市況の話に戻るが、1月4日にてドル/円が108円台割れとなり、予想を果たせたが、ユーロ/ドルに関しては懐疑的な見方を持つ読者が多かったのではないかと推測していた。が、目下の市況において、当方の見通しがすこし説得力を持つように見えるかもしれない。

ファンダメンタルズ的な解釈では、米大幅利下げの可能性を理由に、アナリストらのスタンス変更も正当化されるが、当方としてはテクニカル的な背景の方がよほど信用できると思う。(12月17日の ドルインデックス再考(日足) をご参照ください)

この意味では、為替マーケットの魅力の一つとして、所謂プロとアマチュアが実に同じスタートラインに立たされている、機関投資家といっても株式市場ほど優位性を発揮できない、といったところではないかと指摘したい。個人投資家らはもっと自信を以ってマーケットに臨むべきだ。

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初取引日の示唆

2008年01月03日 13時14分11秒 | 市況の真実
昨日は為替マーケットの初取引日となり、昨年最後の取引日に続き、ボラティリティーの拡大を以って今年の波乱を暗示していた。

実際、家に籠っている間、欧米の大手投資銀行、証券会社をはじめ、数多くの名の通った機関に属するアナリストらのレポートを読み漁った。彼らの大半は今年におけるドルの反騰を予測し、英ポンドに対する見方が総じて悲観的だ。(多くの方はユーロが現在のレベルから1.4000~1.3500前後、英ポンドは1.9000以下に落ちると予測している)一方、円に対する見方はそれぞれだが、クロス円に関してはやはり円の反転を見ている。

だが、昨日の相場はクロス円の下落を証左していたものの、ユーロ/ドル、英ポンド/ドルの下落ではなく、ドル/円の大幅下落を以って形成させたことを見逃せない。言い換えれば、クロス円相場の下落はユーロ、英ポンドなど外貨の下落よりも円の反騰に依存する側面が強く、ドル全体の下落リスクはなお大きいということになる。

ご存じのように、当方は英ポンド/ドルに関してはあまり弱気ではなく、英ポンド/円に対してはかなり弱気の見方を一貫して堅持している。多くの方から「矛盾しているのでは」とのご指摘を頂いていたが、背景としては、やはり個人投資家らは円高に主導される相場を信じていないようである。日本株と円の行方(大げさに言えば日本の将来)に関しては日本人ほど悲観的、という調査結果が示しているように、寂しい限りであるが、逆に日本株と円の強気サインとなっている。

確かに多くの高名なアナリスト達の見方と相違しているが、当方は昨年12月13日の記事既存ストラテジーを継続での見通しを堅持する。相場が自分の見方を間違ったと証明しない限り、ぶれることはない。もっとも、仮にユーロをはじめ、外貨全体対ドルのベア相場がすでに始まったとしても、外貨主導であっただけに、クロス円相場全体の下落モメンタムを一層強まることに。この意味では、2008年相場のキーワードはやはり「クロス円における円高」である。

当方のロジックを理解するために、クロス円相場を読むシリーズと再考・「円安バブル」の異常さ及び ドルインデックスで測る先の「円安バブル」の異常さなど過去の記事のご一読をお勧めしたい。


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鷲の目で見る英ポンド/ドル

2007年12月28日 17時32分26秒 | 市況の真実
相場に臨む場合、虫の目と鷲の目の両方で見るべきだと言われている。

虫の目とは些細の値動きも逃せず、克明に相場の動向を追っていくアプローチを指し、鷲の目とは大きな流れとトレンドを掴むスタンスである。今回は鷲の目で英ポンド/ドル相場を俯瞰しよう。

上のチャートは同通貨ペアの日足である。赤、紫、緑色の線は順次200日、100日、50日移動平均線を表し、RSI(14)を添付されている。虫の目で見る場合、言うまでもないが、Cラインを割れた時点で下値リスクを警戒せざるを得なくなり、200日割れた際、ロングポジションの総撤退を検討しなければいけなかったし、短期スパンであれば、ショートポジションもその都度客観性を以って建てられる。

一方、やや長期的なスパン及びストラテジーで臨む場合、より大きなピクチャーを俯瞰する視点、即ち鷲の目が必要である。図示のように、2006年4月安値から引かれ、この間の安値(25日)と連結するライン(A)がBラインと整合性をもってほぼ2年間の上昇チャンネルを維持しているといった可能性が浮上しよう。鷲の目なしではなかなか解けないかもしれない。

もちろん、このような上昇チャンネルがこれからも維持され、破壊されずにいられるという断然たる保証はない。が、経験則から当方が得た教訓は以下であったことも注意してほしい。即ち、1.本当に強いトレンドが周期、値幅ともに大きく、一般の市場参加者の想定より遙かに長い、或いは大きいのである。2.チャンネルの幅が拡大されることもある。3.長い上昇相場を経た後、初めての200日線割れが短期的には「押し目買い」に繋がり、中長期的にはトレンドの転換というサインにはならないことも多い。

経験則だから、当方も昔よくミスを犯したもの。言い換えれば、一般の投資者らがよく犯したもっとも根本的なミスとは、長期トレンドの転換を性急に判断することである。

このような過ちを犯す心理的な要素としては、やはり「天井売り、底買いをしたい」という「幻想」に尽きる。「俺はドル/円の100円割れを待って、一発で仕込んでやる」、このような最近よく耳にする「ストラテジー」もこのような心理要素が働いているに違いない。

ちなみに、RSIというツールはシンプルでありながら、実に奥深い。25日の安値と対照するRSIの位置が2005年最安値の対応点(a)との同レベルにいることは単に「押し目買いのチャンス」と示唆しただけではなく、週足と整合的に見れば、今後上昇転じた場合、最大の目標値を計算できる基準も提供してくれている。あくまで計算例だが、今後英ポンド/ドルの最大上昇目標は2.0900台となっている。

ただ、この目標値が終値ペースで1.9600割れとなれば消滅するという前提条件も合わせて申し上げる。

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サンタクロースさんからのご褒美?

2007年12月24日 18時39分19秒 | 市況の真実
今日はクリスマス・イヴ。本日も相場をチェックしなければならないのであれば、「負けた」トレーダーだと言われるかもしれないが、当方もその一人である。

さて、為替マーケットではドル/円の上昇と英ポンド/ドルの下落が目立つ値動きとなり、結果としては私みたいな円高派トレーダーにとって、あまり気持ちのよいクリスマスを過ごせないことになった。一方、違った視点で考えると、サンタクロースさんからプレゼントをいただけるという発想もできる。

ドルインデックスを見ると、先週58ポイントの値幅を以って高値保ち合いを維持したが、先々週の値幅(156ポイント)に鑑み、明らかに上昇モメンタムの低下を露呈させていた。

当方が想定していた78前後の高値レベルと比べ、先週高値の77.85が近づいてきたことを考えても、前記ドル/円と英ポンド/ドルのパフォーマンスばかりに目を奪わるわけにはいかない。言い換えれば、17日にて述べたストラテジーとその理由をチェンジする緊迫性はない。

ドル/円の上昇はドル全体のリバウンドを背景とした値動きであったものの、円に対するマイナスのコンセンサスの増大を看過できずにいる。福井総裁の任期内、一回の利下げさえあるとの見方はその代表格で、クロス円相場の下支えとなった。同じく英ポンドに関しては、来年利下げ継続といったコンセンサスが主導的な役割を果たした。

ただ、当方の一貫した指摘の通り、この様なコンセンサス自身が重要ではなく、目下の値動きに織り込まれたかどうか、あるいはどの程度消化されたかといったアプローチがよほど大事だ。仮にすでに消化済であった場合、逆の立場をとったトレーダーはサンタクロースさんからご褒美をもらえそうだ。

もっとも、米国SP問題に関する楽観的な情緒が中東、中国及びシンガポール政府系ファンドによる大手銀行らへの出資を以って引き起こされたが、つい四週間のパニック的な雰囲気とは随分対照的である。小麦粉、ガソリンをはじめ、庶民の生活に影響し始めたインフレの進行が見られるなか、日銀の利下げがどのぐらい現実性を持つか。英国経済についても、昨日のタイムズ紙は市場の見方が悲観しすぎたとの記事を載せていた。(この前、同紙は英経済の行方について厳しい見方を表明したばかりだったが)

これらの事例を踏まえ、薄商いの中、ドル/円と英ポンド/ドルのパフォーマンスが一時とした市場のコンセンサスに引き起こされた「オーバー」そのものなのか、それとも先見性を持つ値動きなのかを見極める必要がある。当方としては、ドル/カナダドルの「先行性」に注目し、前者の蓋然性が高いと見る。

では、皆さん、メリー・クリスマス!そして素敵なイブを!

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