陳 満咲杜の「為替の真実」

陳満咲杜のFXブログです。ブログ引っ越ししました。新ブログはhttp://chinfx.blog136.fc2.com/

三番煎じを迎え撃つ

2008年06月27日 13時52分18秒 | FXの真実
ドルインデックス 日足

ドル全体続落、ドルインデックスは72.44まで下値試し、短期基調を崩してきた。言うまでもなく、米FOMCの声明文の「ハト派」口調がドル売りを誘い、昨日の米株安や原油高がさらに拍車を掛けた模様だ。

ECBによる利上げ観測を背景とする欧米の金利差や米住宅及び個人消費の懸念による解釈が多いなか、私は新しい材料を見つけ出せなかった。リストラの増加及び住宅価値の下落による米個人消費の窮状はずいぶん前から予測され、言われ続けている。ゴールドマンさんのレポート(シティーとCMを売り推薦)も「いまさら」の感じで、サプライズよりもショート筋に利用されたとも読み取れる。

結論では、目下のネタは3番煎じであり、安易にかみつけば、新鮮味がないばかりか、「ワナ」の危険性さえある。言い換えれば、更なるドル高の前に、ロングポジションの振り落としとショート筋を誘い込む、という「陰謀」を感じ取れる雰囲気だ。

一方、短期的には、ドルの軟調はもう少し続くと見る。というのは、海外大手業者のセンチメント指標を見る限り、個人投資家の総数としてユーロ/ドルとポンド/ドルの下落にかけているようで、彼らを振り落とせない限り、ドルの本格的な上昇はなかろう。

なので、三番煎じを迎え撃つスタンスだが、タイミング待ちも重要である。ドルロング派はもうすこし辛抱を。


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遅耳の得なり

2008年06月24日 12時42分15秒 | FXの真実
ドルインデックス 日足

最近ザラ場において、できるだけニュースを見ないようにしている。というのは、私は短期取引をしておらず(できない)、相場を分析するにはテクニカル・アナリシス手法を重視するので、チャートだけで十分な情報を読み取れると信じている。

もっとも、後解釈だけ上手なセンセイ達が昨日の出来事をよく解釈しているので、さらっとチェックすれば済むところもあるが、注意が必要だ。たとえば昨日ユーロの軟調については、6月独Ifo企業景況感指数の悪化を理由にした説明が多かったが、ドル全体の反発まで解釈できるかどうかは微妙だ。もっと本質的に言えば、相場のすべてがファンダメンタルズで解釈されるものではないので、市場情報にいちいち気を取られれば、かえって相場の本音を分からなくなる恐れがある。

この辺のセンスに関しては、よい本を二冊を御勧めしよう。まず、「文庫 私は株で200万ドル儲けた」だが、著者が一介のダンサーにして、株取引で成功を収め、その成長物語が大変興味深い示唆に満ちる。もう一冊は「孤高の相場師リバモア流投機術―大恐慌を売り切った増し玉の極意」、著者に関しては最早ご紹介無用のほどの人物なので、詳しいことは省くことに。

この二冊の共通点、何よりも情報に振り回されないというスタンスの大事さを説いているところにある。実際、前者は電報による株価と出来高の数値だけで取引の判断をし、後者にしては、山に住みわざわざ市場から遠ざかって情報を遮断するトレーダーの事例を挙げ、ご本人の取引手法も殆ど値動きだけを追うものだった。

また、時間をおいてから先の情報を知るには、この情報を織り込んでいた値動きとトレンドをより正しく判断でき、相場の本質に近づける、といったセンスは真骨頂であろう。これは多くの相場師が喝破しようとするもっとも肝心な真髄である。

さて、昨日のドルインデックスの日足を視る限り、終値が再び100日線の上で引けたことや、昨日の「切り返し」が一昨日の罫線と「毛抜き底」のパターンを示し、上昇傾向を続いている20日線にサポートされていた、ということがわかる。従って、ドルは引き続き堅調、上値を再打診する地合いにあるという判断ができる。

ユーロ/ドルに関する長期見通しでは、私のロジックが正しければ、年内1.4割れ、来年夏か秋まで1.3350~1.3500近辺まで落ちるだろう。もちろん、この予測自身も市場のコンセンサスと経済情報を完全無視した結果である。






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実力を問われるドルのリバウンド

2008年06月20日 19時02分38秒 | FXの真実
ドル・インデックス 日足図


ドル・インデックスの反発が鈍くなっている。背景には、米利上げ観測の後退やECBのタカ派スタンスの継続に着目したドル安懸念の強さにあり、投機筋が米政府のドル安決意を試したい、という「陰謀論」さえ聞こえて来る。

UBS銀行のアナリストをはじめ、ドル安の再開を予測し始めた方が多い。所謂「中央銀行ウォッチャ―」らはバーナンキ議長とトリシェ総裁の次の一手を必死に予測しているが、皮肉にも、目下の状況ではバーナンキ議長とトリシェ総裁も誰かに「次の一手」を教えてもらいたいのではないか。なので、ウォッチャ―やアナリストらの努力も幾分滑稽に見える。

実際、ファンダメンタルズ上のシグナルは往々にしてお互いに矛盾し、また経済指標の予測自身があてにならない。最近の好例では、米主要紙が揃って「米早期利上げなし」と報道した途端、この観測自身が米FRBの「工作」だ、との指摘も上がってきた。また、最近英キング総裁の発言の基調と5月小売売上高がアナリストらにとってはかなりサプライズだった。だから、ファンダメンタルのみを分析するアナリストらの予測を気にすることはない。

本物のトレーダーならチャートのメッセージを重視するので、ドルインデックスの日足をチェックしないと結論は出ない。上のチャートを見る限り、終値で数れば、日々線が100日線の上に保っている日数は6日になったことがわかる。これは実に2006年10月以来の出来事である。よって、ドルの真価を問われるが、引き続き基調の変化、即ちドルのリバウンドがより本格的になる可能性に注目する、といった判断ができる。言い換えれば、テクニカル上のサインはより重要で、より示唆に富むものと認識すべきである。







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Amazonキャンペーン用特典

2008年06月19日 14時39分42秒 | FXの真実
昨日Amazonキャンペーン用特典として約1時間の講義を録音し、いくつのレジュメを作りました。

今回は実戦的なテクニカル・アナリシス手法を紹介させていただき、エントリーのタイミングを測るテクとメイントレンドの値幅及び終了の目安を見極めるコツを盛り込んでいます。ご興味のある方はぜひご視聴ください。

また、皆さんのお陰により、拙作の増刷が早々決まったことをご報告します。この場を借りて、読者の皆様にお礼を申し上げます。そして、何よりも実際に皆さんのお取引に役に立つことを切望していますので、ご感想、ご指導の言葉をぜひ聞かせてください。今後ともよろしくお願いします。

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新聞の読み方

2008年06月17日 11時02分32秒 | FXの真実
新聞の読み方は人それぞれと思うが、私は基本的に「斜めに」見ている。

本日日経新聞には「原油最高値 市場は警戒」とのタイトルの記事があり、「ドル売り連動 為替介入など具体策焦点に」とサブタイトルが付き、今後市場の混乱とドル安の進行を懸念した。

原油の最高値更新は確かに注目すべきだが、ドル売りとの連動性の視点から見ると、昨日の値動きは寧ろドル高/原油安の傾向を示唆するものと受け止める。

上のチャートはWTI原油の日足図。昨日の高値は直近の7日間の高値を更新したにもかかわらず、終値が直近の3日間の安値より低く大引けした。罫線的には、昨日は長い上鬚の「コマ」風陰線となり、「塔婆」とも近い形になったから、典型的な天井波乱を示唆するパターンだ。

従って、チャートを見る限り、原油高の進行を疑問視、ドル安の予測にも同意できずにいる。(本日ドル安の再開を予測するレポートが欧米銀行、証券会社から一杯出ている)もっとも、原油高とドル安の連動性にも首を傾げるところがあるが、問題を複雑にしないため、ここでは論議しない。

要するに、新聞記者の目とトレーダーの目は本質的に違い、記者の目で相場を張るべきではないということである。

エリオット君の予言(2)

2008年06月15日 21時22分17秒 | FXの真実
       デッサン 世界経済の動向を睨むエリオット君 作者 陳 満咲杜

(前回に続き)やはり気になるので、銀のスプーンをエリオット君に買ってあげて、質問を続けることに。

僕: エリちゃん、どう、おいしいか。

エリオット君 :・・・ベロベロ・・・

僕: どうだ?

エリオット君 : そう言えばクロマグロの上が懐かしいニャン。

僕 : ずうずうしいやつ、早く為替の動向を言え。

エリオット君 : 実は昨日バーナンキ家のアメショー、ヘリコプター・ベン君と話したニャン。

僕 : あのFRB議長のバーナンキ家?

エリオット君: そうニャン、昔ハーバーニャン大学の同窓ニャン。

僕: うそつけ。で、話の内容は?

エリオット君: バーナンキ家は本気らしい、しかもトリシェ家のぺルシャ、ボンジゥ君も彼のご主人がバーナンキと協定を秘かに結んだという。

僕: というのは、ユーロ高を阻止するか。

エリオット君: ドル安の阻止ニャン。

僕: 違いがあるの?

エリオット君: パパはいつもインテリをぶってるけど、実は頭悪いニャン。

僕 :生意気するもんじゃない、猫アレルギーをパパがずっと我慢してるぞ。

エリオット君: とにかくユーロ/円をチェックすればわかるニャン。

僕: うーん。というのは、お前がドル/円の上昇に懐疑的か。

エリオット君: そうではないニャン、一回振り落としが必要ニャン。

僕: お前、また何かを知ってるの?

エリオット君: 実はロスチャイルド家の・・・・・・

僕: なになに。

エリオット君: クロマグロがいいニャン。

僕: もういい。生意気なやつ、明日野良猫にしてやるぞ、まったく・・・・・・


以上はエリオット君との会話だった。猫の話なので、どこまで信用できるか・・・・・・


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エリオット君の予言

2008年06月12日 16時23分23秒 | FXの真実
うちの猫エリオット君は波動理論に精通し、3月16日にて私の手書きチャートを粉々に破り、「明日買いニャン」と叫んでいた。彼のお陰で、パニック相場に売りなしと悟り、本日まで108円台のタッチを楽しんで待っている。

早速エリオット君に次の相場展開を聞いてきた。

僕: エリちゃん、ドル/円次の動向は?

エリオット君: 分からないニャン、でも他の猫の心理を読みたいニャン。

僕: 他の猫は様子見じゃないか?

エリオット君: そうとは限らないニャン。

僕: はっきりしろよ、波動論の示唆とかないの?

エリオット君: 教科書通りなら、あつい相場になるニャン。

僕: なに?またすごく上昇するの?

エリオット君: あつい相場とはわが輩をあつくさせる相場ニャン。

僕: なにが言いたいの、急落もあり得る?

エリオット君: 銀のスプーンを買ってくれないと、わからないニャン。

僕: こいつ・・・・・・


以上エリオット君の予言だった。猫の話なので、真剣にならないように・・・・・

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次回セミナー(7/5・土曜)のご案内

2008年06月11日 23時24分59秒 | FXの真実
皆さん今晩は。イーストヒルジャパンのスタッフです。
この場をお借りし、兼ねてより弊社HP上ではお知らせしておりましたが、
次回セミナーのご案内を申し上げます。

陳氏の処女作『着物トレーダーを卒業せよ 陳 満咲杜の為替の真実』は
お陰様で、Amazonをはじめ各書店にてたいへんご好評を頂いております。
誠にありがとうございます。

そこでこの度は、感謝の意をこめ「出版記念講演」と題し、無料で
107名様をご招待させていただきたいと思います。

そしてなんと、陳氏の直筆サイン入り
『着物トレーダーを卒業せよ 陳 満咲杜の為替の真実』
が当たるチャンスも!!

サインは丁寧に入念に一筆一筆刻まれており、僭越ながら一見の価値ありだと
存じます。(上の写真はサンプル)どうぞご期待くださいませ。

詳細・お申し込みはコチラから!

皆様からのたくさんのご応募お待ちしております。
よろしくお願い申し上げます。

ナンセンスの「サプライズ」

2008年06月10日 17時07分30秒 | FXの真実
昨日ポールソン米財務長官のドル防衛発言につられ、ドルは急速に切り上げしてきた。本日では、一部のアナリスト(主にファンダメンタルズの信奉者)がサプライズを表明しており、ブッシュ政権であるだけに、違和感を感じているようだ。

が、当方から見れば、このようなサプライズはナンセンスであり、ファンダメンタルズの研究者と標榜する多くのアナリストらは世間が思うほど「頭がよくない」ことを露呈させた出来事だ。

なぜなら、最早容認範囲を越えていた原油高と相俟って、米政府もドル安の進行を牽制せざるを得ないのが自然な成り行きで、なにしろ、5日にトリシェECB総裁がはっきりサインを出したので、バーナンキFRB議長に続き、ポールソン米財務長官の発言も米政府がECB側との協議や連携を確認した後の「押し」であることを認識すべきだ。6日当たりでこのぐらいの「背景」を読めないと、ファンダメンタルズ信奉者にしては失格であろう。

また、ポールソン米財務長官の発言が「失言」と捉える向きもあるが、これは幼稚過ぎて、最早論議に足りない見方だ。この時期において、ゴールドマン・サックスの会長を務めた人物が日本の「ボケ」閣僚みたいに簡単に失言はしない、といった考え方は「世界的な常識」でもある。

もっとも、当方はファンダメンタルズ分析を過大評価すべきではないと主張しており、今年ドル高のストラテジーに傾いているのもファンダメンタルズ分析に起因するものではない。丁々指摘していたように、ファンダメンタルズは市場の内部構造と値動きに後を追って発生するもので、市場の方向を決定するものではなく証左するに過ぎないもの。サイクル論によるドルのリバウンドが確認された以上、このような「サプライズ」もこれから続出するだろう。

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本屋巡り

2008年06月08日 17時00分29秒 | FXの真実
昨日は拙作の発売日、妻を誘って新宿の本屋を巡ってきた。紀伊國屋とジュンク堂には拙作が陳列しており、思わず携帯を出して写真を撮ってしまった。

が、よく見ると、汗が出た!皮肉(光栄?)にも拙作の右隣に置かれたのは、あの『月100万円儲ける私の方法』ではないか!おまけに左のものは『FXで毎日を給料日にする』という心強い(?)タイトルであった。(上の写真は紀伊國屋にて)それはそれは・・・・・・ちょっと複雑な心情・・・・・・。


トリシェ総裁のサイン

2008年06月06日 15時57分13秒 | 市況の真実
昨日ユーロの上昇が目立った。言うまでもなく、トリシェECB総裁による「7月利上げ」の発言が齎した結果である。今晩の米失業率の影響も含め、ドルのリバウンドが終了したのではといった危惧の声が多くなっている。

では、仮にユーロの利上げがあった場合、ユーロ高(ドル安)が続くでしょうか。当方はユーロの続伸には懐疑的だ。言いかえれば、ドルのリバウンドがこれからも続くと見る。

昨日トリシェ総裁の発言がかなり鷹派的だが、その背景について考えざるを得ない。トリシェ総裁が敢えて明確な言い方をしたのは、火曜日におけるバーナンキFRB議長の鷹派発言があったからこそだ。本質的には、ドル安(及び原油高)といった懸念がECB側で弱くなっていることの裏返しでもある、という推測に尽きる。トリシェ総裁はドル高のサインを出しているとも読み取れる。

もっとも、このようなファンダメンタルズ・アナリシス自身が「どうでもよい」ものであり、相場のことは相場に聞かなければいけないので、上のドルインデックス日足を見ることに。

図示のように、昨日の高値73.87は再び100日線に抑えられた形で表れたが、昨年12月から今年2月の間まで同線に接近した局面とはやや異なるシグナルを発している。矢印が示しているのは100日線との打診を果たしたポイントだが、前回の2回では共に前の高値より低いレベルで100日線を試していたのに対し、今回は僅かながら5月の高値を上回っている。サイクル論におけるドル高の蓋然性と相俟って、ドルのリバウンドが今回こそ100日線を突破し、続けられるといった可能性が大きいと見る。

引き続きドル/円の高値が108~108.60前後と予測する。


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機関投資家同士の対決

2008年06月03日 23時54分27秒 | FXの真実
機関投資家には共同基金、保険会社、年金基金といった「戦略型」の投資家とヘッジファンドを代表とする「短期勝負型」の投資家に分かれる。

歴史の経験上、「戦略型」の投資家とヘッジファンドらのポジションが対立した場合、ドルの行方に関してはいつも「戦略型」の投資家に軍配が挙げられてきた。目下はまさに対決の時期である。

米大型公共基金管理機構State Street Corpの統計によると、戦略型機構投資家による年初来のパフォーマンスはドル買超だった。同時に、アメリカ商品先物取引委員会のデータから見ると、ヘッジ・ファンドなどの投機筋によるドルのショートポジションが36%も増加した。

米State Street Bankのデータによれば、過去10年間、年金基金など戦略型機構投資家がドルを買う時期に、ドルが71%の確率で上がっていた。実際、FRBがベアスターンズの売却計画を支持して以来、機構投資家が買ったドル資産数量は過去12ヶ月の平均値より倍近く高くなっているとBank of New York Mellonのアナリストは指摘している。

State Street BankのストラテジストのMcKinsey Global Institute氏の意見によれば、戦略型の機構投資家がいまドルのロングポジションをどんどん増持しておりドルのブレイクする可能性が十分あるそうだ。それ故、ドルの下落を確信している投機筋が必ず降服するので、ドルの上昇幅を拡大させるとも見ているようである。

このロジックが正しければ、ドルショート筋の降伏も間近か。パニック相場に売りなしだけではなく、絶好の買い場であったことを相場が教えてくれるだろう。


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