陳 満咲杜の「為替の真実」

陳満咲杜のFXブログです。ブログ引っ越ししました。新ブログはhttp://chinfx.blog136.fc2.com/

よいお年を!

2007年12月30日 18時30分34秒 | FXの真実
皆さん、本年は大変お世話になりました。どうぞよい年をお迎えください。

来年も為替マーケットの波を上手く乗れるように頑張りましょう。引き続きご応援のほどよろしくお願いします。

出版社さんから本の原稿を迫られ、これからしばらく執筆に専念したいと思うが、ブログの更新もできるだけ行うつもりである。一方、皆さんからいただいたコメント及びご質問に対するお返事はしばらく、遅れるかもしれないので、何卒ご理解ください。ちなみに、市況は予想通りの展開となり、当方は「サンタクロースさんからのご褒美」をいただいたので、よい「初夢」を期待しているところである。

鷲の目で見る英ポンド/ドル

2007年12月28日 17時32分26秒 | 市況の真実
相場に臨む場合、虫の目と鷲の目の両方で見るべきだと言われている。

虫の目とは些細の値動きも逃せず、克明に相場の動向を追っていくアプローチを指し、鷲の目とは大きな流れとトレンドを掴むスタンスである。今回は鷲の目で英ポンド/ドル相場を俯瞰しよう。

上のチャートは同通貨ペアの日足である。赤、紫、緑色の線は順次200日、100日、50日移動平均線を表し、RSI(14)を添付されている。虫の目で見る場合、言うまでもないが、Cラインを割れた時点で下値リスクを警戒せざるを得なくなり、200日割れた際、ロングポジションの総撤退を検討しなければいけなかったし、短期スパンであれば、ショートポジションもその都度客観性を以って建てられる。

一方、やや長期的なスパン及びストラテジーで臨む場合、より大きなピクチャーを俯瞰する視点、即ち鷲の目が必要である。図示のように、2006年4月安値から引かれ、この間の安値(25日)と連結するライン(A)がBラインと整合性をもってほぼ2年間の上昇チャンネルを維持しているといった可能性が浮上しよう。鷲の目なしではなかなか解けないかもしれない。

もちろん、このような上昇チャンネルがこれからも維持され、破壊されずにいられるという断然たる保証はない。が、経験則から当方が得た教訓は以下であったことも注意してほしい。即ち、1.本当に強いトレンドが周期、値幅ともに大きく、一般の市場参加者の想定より遙かに長い、或いは大きいのである。2.チャンネルの幅が拡大されることもある。3.長い上昇相場を経た後、初めての200日線割れが短期的には「押し目買い」に繋がり、中長期的にはトレンドの転換というサインにはならないことも多い。

経験則だから、当方も昔よくミスを犯したもの。言い換えれば、一般の投資者らがよく犯したもっとも根本的なミスとは、長期トレンドの転換を性急に判断することである。

このような過ちを犯す心理的な要素としては、やはり「天井売り、底買いをしたい」という「幻想」に尽きる。「俺はドル/円の100円割れを待って、一発で仕込んでやる」、このような最近よく耳にする「ストラテジー」もこのような心理要素が働いているに違いない。

ちなみに、RSIというツールはシンプルでありながら、実に奥深い。25日の安値と対照するRSIの位置が2005年最安値の対応点(a)との同レベルにいることは単に「押し目買いのチャンス」と示唆しただけではなく、週足と整合的に見れば、今後上昇転じた場合、最大の目標値を計算できる基準も提供してくれている。あくまで計算例だが、今後英ポンド/ドルの最大上昇目標は2.0900台となっている。

ただ、この目標値が終値ペースで1.9600割れとなれば消滅するという前提条件も合わせて申し上げる。

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サンタクロースさんからのご褒美?

2007年12月24日 18時39分19秒 | 市況の真実
今日はクリスマス・イヴ。本日も相場をチェックしなければならないのであれば、「負けた」トレーダーだと言われるかもしれないが、当方もその一人である。

さて、為替マーケットではドル/円の上昇と英ポンド/ドルの下落が目立つ値動きとなり、結果としては私みたいな円高派トレーダーにとって、あまり気持ちのよいクリスマスを過ごせないことになった。一方、違った視点で考えると、サンタクロースさんからプレゼントをいただけるという発想もできる。

ドルインデックスを見ると、先週58ポイントの値幅を以って高値保ち合いを維持したが、先々週の値幅(156ポイント)に鑑み、明らかに上昇モメンタムの低下を露呈させていた。

当方が想定していた78前後の高値レベルと比べ、先週高値の77.85が近づいてきたことを考えても、前記ドル/円と英ポンド/ドルのパフォーマンスばかりに目を奪わるわけにはいかない。言い換えれば、17日にて述べたストラテジーとその理由をチェンジする緊迫性はない。

ドル/円の上昇はドル全体のリバウンドを背景とした値動きであったものの、円に対するマイナスのコンセンサスの増大を看過できずにいる。福井総裁の任期内、一回の利下げさえあるとの見方はその代表格で、クロス円相場の下支えとなった。同じく英ポンドに関しては、来年利下げ継続といったコンセンサスが主導的な役割を果たした。

ただ、当方の一貫した指摘の通り、この様なコンセンサス自身が重要ではなく、目下の値動きに織り込まれたかどうか、あるいはどの程度消化されたかといったアプローチがよほど大事だ。仮にすでに消化済であった場合、逆の立場をとったトレーダーはサンタクロースさんからご褒美をもらえそうだ。

もっとも、米国SP問題に関する楽観的な情緒が中東、中国及びシンガポール政府系ファンドによる大手銀行らへの出資を以って引き起こされたが、つい四週間のパニック的な雰囲気とは随分対照的である。小麦粉、ガソリンをはじめ、庶民の生活に影響し始めたインフレの進行が見られるなか、日銀の利下げがどのぐらい現実性を持つか。英国経済についても、昨日のタイムズ紙は市場の見方が悲観しすぎたとの記事を載せていた。(この前、同紙は英経済の行方について厳しい見方を表明したばかりだったが)

これらの事例を踏まえ、薄商いの中、ドル/円と英ポンド/ドルのパフォーマンスが一時とした市場のコンセンサスに引き起こされた「オーバー」そのものなのか、それとも先見性を持つ値動きなのかを見極める必要がある。当方としては、ドル/カナダドルの「先行性」に注目し、前者の蓋然性が高いと見る。

では、皆さん、メリー・クリスマス!そして素敵なイブを!

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ドル高の限界、英ポンドはパラーメーター

2007年12月20日 18時27分49秒 | 市況の真実
ドル高の限界を測るパラーメーターとして、本日では英ポンドの値動きが重要であろう。

先の英中銀会議において、政策委員会のメンバーが全員一致で利下げを決定したというニュースが昨日のポンド安を齎し、本日も1.9900割れを以って引き続き「悪材料」に反応している。要するに、次回における利下げ観測が強まったとのことである。

一方、短期的には、この様な市場観測がすでに目下の値動きに織り込まれていると思われ、本日英ポンドのさらなる安値更新がなければ、ドル全体の頭打ちにも繋がると見る。

この見方が正しければ、17日の記事「ドルインデックス再考(日足)」における観点との整合性も発揮でき、当方としては注意深く見ていきたい。ただ、値頃感による買い推薦をしているわけではないことをご理解していただきたい。

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気になる記事

2007年12月19日 12時49分59秒 | 相場心理の真実
昨日の新聞には、気になる記事が載っていた。

記事のタイトルは「家計保有外国証券 初の10兆円突破」、個人投資家の資金は日本株から離れ、新興国株を中心に資産が積み上がったという内容だ。10兆円の金額には投資信託が含まないことに鑑み、海外株に流出した金額がいかに大きいかを容易く想像できる。

新興国株の代表は中国、香港、ベトナムあたりであろう。何しろこの2年間、驚異な高騰率を誇る市場であるだけに、個人投資家を惹きつけたのも当然の成り行きである。

が、私見では、前記市場のいずれもバブル化しており、日本株こそ過去最大の割安度を測れるまで調整して来た。言い換えれば、この記事も「逆張り」サインとして、来年日本株上昇、中国、香港、ベトナム株下落を暗示していると言えよう。

実際、中国、香港株はすでに調整して来た。面白いのは、上海株総合指数が1000割れから3000大台に乗せた際、専門家らは「バブルでは」との指摘が多かったに対し、6000台になった時点、このような指摘が逆に殆ど聞こえなかった。日本でも、最近の投資専門雑誌において、中国株専門家らの大半も「押し目買い」と推薦している。最大の根拠はやはり中国がまだ「バブルではない」からだ。

一方、日本のバブル崩壊も含め、人類の歴史において繰り返し証明した事実とは、大半の市場参加者が「バブル」と気付いていないこそ「バブル」を発生させ、逆に大衆が絶望している最中に強気相場が生まれたのである。よって、「お隣さん」と違うことをやりたければ、今新興国株売り、日本株買いというストラテジーに転換すべきか。

私自身、資産の90%を日本株にシフトしている。10月9日の鶏先か、卵先かにも書いたように、大阪証券取引所における中国A株ETF投信の上場を逆サインと見、中国株を売り切った。一方、今日の「日経」の「ノンバング 時価総額、ピーク比6割減」との記事を見て、買い増しを考えている最中だ。

ちなみに、ノンバング株に関する悲観的な記事が今年中随分新聞の紙面を賑わせていたので、私にごっそり下値を拾うチャンスをくれた。最近、消費者金融各社から年間報告と配当が郵送され、家内は封筒を見てかなり心配しているようだが・・・・・・。

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ドルインデックス再考(日足)

2007年12月17日 12時08分03秒 | 市況の真実
先週ドル急伸、ドルインデックスも77.48の高値を付け、当方の10日時点の見通しが誤ったことを証明した。

そのため、ドルインデックスを再考しなければならない。上のチャートは先週金曜日までのチャートで、同じくRSIを使って今後の動向を探る。

私としては、まず重視しているのは、現在RSIのレベルである。目下ドルの急反発を受け、RSIも65.46まで付けたが、図示のように、年初からRSIの高値と高値を連結するライン(レジスタンスライン)に近づいている。年初からドルのベア相場が続いたことに鑑み、同ラインをブル・ペアライン、即ち分水嶺的な位置を示していると読み取れる。

この見方が正しければ、今後同ラインのブレイクの有無が非常に重要になってくる。が、10日の記事にも解釈していた「リバーサル」とのシグナルは消滅ばかりか、かえって鮮明になったことも看過できず、総合的に判断すると、当方としてはドルの上昇にはなお懐疑的である。

言い換えれば、仮にドル全体がすでに底を打ったとしても、このまま上昇を続けるではなく、一旦再調整してからまた上値を取っていく蓋然性が高いと見る。この場合、RSIも早晩前記のブル・ベアラインを突破、78或いは80といった「買われ過ぎ」ゾーンへ打診することに。逆に、「買われ過ぎ」でない限り、ドルの本格的な上昇がこないである。

一方、私の経験では、本格的であればあるほど、相場のトレンドが安易に転換しない習性を持つので、市場より先に走ってはいけない。即ち、本格的なブレイクを待ったから行動すべきであり、ブレイクがなければ、ドルのベア相場がなお継続されるということになる。

「リバーサル」シグナルを基づき、再計算しているところ、ドルインデックスがもう一回安値更新もあり得るという結果が出ったが、チャート的には75レベルが現実的ではないかと思っている。逆計算したところ、ドルインデックスは78前後まで高値更新する余地もあるものの、やはり頭打ちしやすく、再下落する公算が大きい。

この意味では、ドル/円、ユーロ/ドルにおけるドルの高値が今週において限定的だと思う。前回において申し上げた目標値を一旦お預けにするが、ストラテジーの転換にはもう少し相場の証左が必要、という時期に差し掛かっている。


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参考本の推薦

2007年12月16日 18時14分11秒 | 相場の真実
複数の方からテクニカル及び相場に関するお勉強にふさわしい本を推薦してほしい、という要望をいただいたので、厳選した上、とりあえず以下の四冊を推薦いたします。

まず、テクニカル分析に関しては、「ジャック・ジュワッガーのテクニカル分析」(作者 ジャック・ジュワッガー)と「先物市場のテクニカル分析」(作者 ジョンJ・マーフィー)はお勧め。両方とも「きんざい」社の出版作。

この二冊が共通しているのは、著者自身がトレーダーの経験と相場に関する深い造詣を有すること、その上、体系的かつ「正論的」にテクニカル・アナリシスの手法をセンスよく解釈しているで、実にいいと思う。

二冊の内容が似っているから、どちらの一冊を選べばいいと思う。個人的には「ジャック・ジュワッガーのテクニカル分析」をより好む。ただ、英語版と中国版の両方を持っているが、日本語版を持っていないので、英語版ほど全面的に訳されているかどうかは不明である。

ちなみに、ジャック・ジュワッガーさんは「マーケットの魔術師」と「新マーケットの魔術師」の著者でもあり、投資関連の作家として世界的に名を馳せる人物。

相場に関する読み物は「欲望と幻想の市場―伝説の投機王リバモア」(エドウイン・ルフェーブル著 東洋経済新報社出版)と「トゥモローズ・ゴールド」(マーク・ファーバー著 パンローリング株式会社出版)をお勧め。前書はトレーダーの必読書と言われるほどの名作で、小説としてお読みになっても結構面白い。後作は投資の歴史とサイクル論に基づく検証が綿密に行われ、投資の本質を鋭く迫った名作である。

「ジャック・ジュワッガーのテクニカル分析」と同じく、「欲望と幻想の市場―伝説の投機王リバモア」に関しては、私自身が日本語版を持っていないため、翻訳の質は不明だが、とりあえず入手できる範囲だから、ご参考ください。

上の写真は私の本棚の一角で、例示した本のいくつが入ってる。


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既存ストラテジーを継続

2007年12月13日 11時41分47秒 | 市況の真実
昨日市況波乱。米欧5中銀が異例の協調を図り、緊迫した市場に流動性を与えることで金融危機の回避を目指す対策を発表。緊急声明であっただけに、為替市場におけるボラティリティーを拡大させた。

景気不安感の後退から円、スイスフランなど低金利通貨が売られ、NY株も一時270ドル高の急反発であったが、終値では41ドル高に留まった。相場の反応に鑑み、少なくとも現時点では緊急声明の効果が限定的と読み取れる。

当方では、一貫して米SP問題の根深さを指摘しており、今回5国中銀の措置も問題の根本的な解決策にならないと見る。ある意味では問題の先送りだけで、かえって後遺症を残すことに。日本のバブル崩壊後、政府と民間企業の「とばし」行為が齎した悲劇は記憶に新しい。危機の本質が変わらないから、欧米金融企業の「悪夢」はこれからも続くであろう。

さて、肝心の為替相場について、当方は既存のストラテジーを継続したい。即ちメジャー通貨ペアにおけるドル売りとクロス円相場における円買いである。

事後解釈とならないように、敢えて目標を公表する。ユーロ/ドルは1.5200台、ドル/円は108円台である。ただ、同時進行ではないし、一直線的にもあり得ないことを改めて強調したい。

もちろん、相場における絶対的なものはないので、くれぐれも鵜呑みぜず、自己責任で前記のシナリオをご参考ください。

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鈍感力と実行力

2007年12月12日 11時28分13秒 | 相場心理の真実
今日オフィスについたら、早速シグナルレポートの作成に関わり、新規シグナルを発信した。一方、皆さんが固唾を飲んでお待ちしていたFOMCの声明文、実はまだ見ていない。

声明文の解釈は「先生」達に任せ、市場の反応こそすべてを語ったので、予想通りの展開に全くサプライズなし。敢えて言うと、お偉いさんの解釈を読めば読むほど相場の本質がわからなくなり、混乱するだけで、トレーディングにはマイナスである。

今朝も面白い話があった。海外の大口投資家の何人が電話で、112円台でドルを売っておけばよかったと溜息を洩らした。が、ついこの前、彼らは「112円台に近づけば、必ずドルを売ってやる」と口を揃えていた。というのは、11月28日このブログにも書いたように、「ドル/円は112円台を超える値動きも警戒しつつ」といった見通しを彼らに言ったからだ。当時、ドル売りに乗り遅れた投資者から「いつ売っていいか」という質問責めに遭遇したので、敢えてエントリーレベルを口にした。

なのに、彼らは例外なく111円後半におけるドル売りポジションを持ったなかった。理由を聞いたところ、また口を揃えて同じ言い訳をする。即ち、FOMCの結果待ちと評論家達の一部がドル上昇シナリオに転換したからだ。112を一時ブレイクしたことに鑑み、彼らの心情もわからないではないが、相場の本質を一般人に理解させる難しさを改めて感心した。

この様な心理及び行動パターンは恐らく日本人投資家にも共通していると思う。克服するために、鈍感力と実行力の発揮しかあるまい。そうでなければ、永遠に後悔して相場を眺めるだけにいる。

鈍感力とは「風見鶏」達の話を聞かないこと。私の経験では、90%以上の「評論家」及び「先生」達は相場の状況に合わせてごろごろ見通しを変える。その上、いつも立派の理屈をきれいな文書で纏めるから、彼らの文書を読んだらやはり「そうか」と信じてしまうほどだ。だったら、聞かない、読まないのほうがよほどましだ。ちなみに、風見鶏の特徴は以下の4点に集中されると思う。即ち1.事後解釈、2.常に広いレンジ範囲を言う、3.「○○次第」といったイベント待ち傾向、4.ファンダメンタルズばかりを「我田引水」的に解釈する。

他人の評論ばかりか、所謂情報そのものに対しても同じ姿勢でよいと思う。ロイター通信から流されるニュースを全部読んたら、何の結論も出せないであろう。私の経験では、週間単位で言うと、せいぜい2.3件の情報が印刷して吟味に値する価値のあるものだ。

次は実行力だ。事前に一所懸命相場を研究しておけば、躊躇なくエントリーと決済(損切りも含め)できる。実行できない背景には、ストップロスオーダーの設定と実行に対する恐怖心ではないかとも推測される。ストップオーダーの設定を嫌うから、結果としてエントリーできないことに繋がる。相場は人生なり、実行力のない者は常にチャンスを逃すことに。

さて、相場の居心地が「悪くなった」ので、円安派トレーダーらは気持ちのよいクリスマスを迎えない蓋然性も高まりつつある。商い薄なので、ボラティリティーの拡大にご注意を。

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大人しくなった個人投資家、正解か。

2007年12月11日 16時37分40秒 | 相場心理の真実
ドル/円とクロス円相場は小康状況を保っている。当方としては3日のコメントにおいて、「短期にせよ、日本人投資家にとって「居心地のよい」市況になりそう」との表現でこの様な発展を暗示していたので、果たして通じていたでしょうか。

英ポンドに関しては、利下げ後、対ドルは回復、対円では寧ろ高くなっている。利下げだから売りといった短絡的な思考ロジックのままでは、「素人」の域から出られず、まして「常勝」とは所詮無理な話だ。

最近面白い話が聞こえてくる。目先円高一服しているにも関わらず、日本の個人投資家らは外貨の押し目買い意欲が盛り上がらず、大人しくなったと嘆ぐアナリストらはいる。彼らは総じて円安論者で、円安の理由の一つとして、声高に「日本人投資者が円売りするから、円安を齎す」と主張しただけに、肩透かしを食らった結果に落胆を隠せない。

が、私から見れば、それは当然な結果であり、常識では誰でも考えられる結論だ。( 「鶏先か、卵先か 」を参照)なのに、彼らの肩書きと経歴及び学歴に惑わされ、自ら常識による判断を放棄した個人投資家も実に多かった。

さて、「猫も杓子」も円高の見通しを述べ始めている目下では、個人投資家らの大人しさはもう一つ側面を浮き彫りに。即ち円売りポジションの「塩漬け」である。言い換えれば、懐が痛んでいるから、余裕はないとのことだ。原因はなんであれ、押し目買いに躊躇しているのは正解かも。というのは、私は来年こそ「円高の年」になると読む。特にクロス円に関しては、目下の水準は依然「異常な円安」であると指摘しておきたい。

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「リバーサル」点灯、ドルインデックスにおけるRSI

2007年12月10日 10時53分12秒 | 市況の真実
ドルインデックス(日足)におけるRSI(14)が「リバーサル」とのシグナルを点灯させた。

具体的には、上のチャートが示しているように、先週木曜日におけるドルインデックスの高値(76.81)が、10月8、9日の78.80/90と比べ低いのに対し、対応するRSIが逆に高くなっている。

このような現象は「リバーサル」と呼ばれ、今後下落しやすいと示唆するシグナルで、目標値もある程度計算できる。この見方が正しければ、今後ドルインデックスが73.10前後の安値をつける蓋然性も大きいので、ドル安も年内一杯続く公算か。

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ゴールドマン・サックスさんの分析

2007年12月06日 18時23分32秒 | 市況の真実
昨日英ポンドは急落、今日も安値を更新した。私の見方はともかく、相場における英ポンドに対する弱気が「本物」かどうかはもうすぐ分かるだろう。英中銀会議の結果が発表された後の値動きが大事だ。

大手投資銀行のゴールドマン・サックスのアナリスト、Kevin Edgeley氏が早速レポートを発表し、GBP/USDが2.0245を割り込めば、1.9590まで下落する見通しだという。理由は日足における「ヘッド・アンド・ショールダズ」の形成が2.0410割れを以ってすでに形成され、1.9590はその目標値である。上のチャートに照らせば、明らかにaラインが前記フォーメーションの「ネックライン」で、bラインが2.0245を示す分水嶺だ。

私としては、この見方を排除しないものの、「ヘッド・アンド・ショールダズ」とのフォーメーションの認定に疑問視。その上、サイクル的な視点で視ると、ドルは早くても来年後半でないと、なかなか本格的な反騰を見せてくれないのではと思う。よって、安易なストラテジーの転換はなかろう。

一方、本当のトレーダーなら、柔軟の対応力も大事なので、本格的なブレイクがあれば、自分のミスを素直に認め、方向転換も躊躇なくするつもりだ。結果は如何に。

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「BULLBEAR FXシグナル」11月のパフォーマンス

2007年12月05日 18時44分55秒 | ポジションの真実
「BULLBEAR FXシグナル」の11月におけるパフォーマンスを集計した。今回は16勝6敗となり、計480万円あまりの利益を確保した。具体的な数字はイーストヒル ジャパン(株)のホームページにてご覧ください。また、本日午後もシグナルを出したので、会員様はご参考ください。

URLはコチラ

http://www.easthillfx.co.jp/market/cheng1bf.html


ちなみに、私が書いたレポートは現在「BULLBEAR FXシグナル」と「BULLBEAR FXレポート」だけなので、署名の無い文書は他人の執筆である。お間違いのないように。取り急ぎ、お知らせまで。

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相場は相場に聞け

2007年12月04日 22時55分48秒 | 相場心理の真実
毎回「東京外為売買比率統計」を読むのは楽しい。個人投資家の考えとその行動パターンを通じて相場の主流が鮮明に見えてくるからだ。

今日オフィスに着いたら、早速3日調べのデータを読んだが、案の定、小幅ながら円売りポジションが総じて減っていた。一方、英ポンド/円のロングポジションの減少が特に目立つことに興味を引かれた。11月26日の78.1ポイントと比べ、7.3ポイントも減少し、英ポンド買いは70.8ポイントとの数字を示している。具体的には買い建玉が12%減、売り建玉29%増だった。

23日の終わり値と比べ、30日(それぞれ調べ日の前日を取る)の終わり値が概ね2円以上も高いので、明らかに8月の急落の状況とは違う。なのに、個人投資家がロングポジションの決済を急いでいたのも明らかに別のところに理由がある。言い換えれば、値動きよりもファンダメンタルズに起因する「喚起材料」があったに違いない。

ありがたいのは、日経金融新聞の同記事には理由をきちんと書いている。即ち「英国利下げ観測からストレートのケーブルでショートにしやすい」と、外為どっとコム資金為替部の方のコメントが載せていた。(ちなみに、ケーブルはGBP/USDのことだが、なぜこの方がここで使うかは不明)

やはりそうだったか。ある意味では非常に納得できる。個人投資家らはまるで銀行のアナリストのように、金利動向を予測し、行動する。(いや、銀行のアナリストより偉い。アナリストらは予測のみである)だが、肝心なのは、為替はテクニカルなり(一)にも書いていたように、「ファンダメンタルズ自身よりも市場参加者の予測と思惑が大事であることが挙げられる。市場のレートは皆の予測と思惑で形成される以上、常にファンダメンタルズの内容より早く反映する」。この理論が正しければ、次の疑問も自然に湧いてくる、即ち、利下げ観測がすでに市場のコンセンサスである以上、誰が今の英ポンド相場を支えているかである。

言い換えれば、もし誰もが利下げを理由に英ポンドを売りたい、あるいはすでに売ったのであれば、相場がすでに大きく崩れているに違いない。が、目下の小康状況は明らかに違うことを言っている。「相場は相場に聞け」との精神を貫けば、利下げコンセンサスが共有されている中、英ポンドの底堅さが今後の上昇傾向を逆に示唆している、といった解釈もできよう。勿論、主に対ドルの話であるが、対円のレートでもすぐ崩れることはないと見ている。

おもしろいのは、本日の日経金融新聞には、英ファイナンシャル・タイムズ紙の社説「ポンドは脆弱、ドルつれ安」を載せており、あるブログにも「英国の銀行がまたかなり損失を出しているという噂」といち早く伝わっている。情報は結構だが、肝心なのは相場の反応だ。情報や噂だけに頼み、むやみに売買したら、「早耳の早倒れ」との相場格言のように、逆に損失を招くことに。

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新規シグナル

2007年12月03日 13時48分28秒 | ポジションの真実
本日体調が芳しくないため、出社できずにいる。一方、今朝の相場に鑑み、新規シグナルを出した。会員様はご参考ください。

短期にせよ、日本人投資家にとって「居心地のよい」市況になりそうで、恐らく「先生」達が再び強気な発言を繰り返すだろう、あたかも彼らが事前に「知っていた」ように。

決済ポジションと新規ポジションの両方があったが、今日はとりあえず決済したポジションのみを開示する。

注意:本ポートフォリオ及び取引はバーチャルである。

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