10月30日「日経金融新聞」のコラム「相場を読む」には東京三菱UFJ銀行のチーフアナリストさんのコメントが掲載され、「年内円高小休止、113~118円で推移」との相場感とレンジを示していた。
銀行系のアナリストの殆どがファンダメンタルズから相場を語り、ある意味ではレンジ相場には強い。ただ、相場の水準をファンダメンタルズで決めるものではなく、トレンドの進行が速い、或いは変動率が高まる際、往々にして、相場の進行がアナリストらの予測範囲から大幅に掛け離れる、というケースがしばしばあった。昨日のドルの全面安と外貨の変動率はこの好例となろう。私は少なくとも7年間に渡って銀行系のレポートを読んで来たので、このような感想を持つことになったが、決して銀行系アナリストの能力を軽視しているわけではない。この辺は誤解しないように予め断っておきたい。
さて、「相場は相場に聞け」との原則に沿って、最近のドル/円チャートからヒントを得たい。上のチャートはドル/円の日足図、図示のAラインは8月23日高値と9月18日高値を連結し、Bラインは8月17日安値と9月10日安値連結したもの。A、Bラインが「トライアングル」とのフォーメーションを形成した。
注目していただきたいのは、10月3日にて、トライアングルの上放れが確認され、本来の目標計算値である120.30か121.35(トライアングルの最大値幅をブレイクのレベルに加えた計算値)前後まで上昇するはずだった。
ところが、ドルの上昇が117.94で頭打ち、逆にA、Bラインを順次割り込んで来た。即ち、前記「トライアングル」の目標値を達成しないばかりか、トライアングルの下まで落ちてきたので、テクニカル・アナリシス的な言い方をすれば、10月3日の上放れが「ダマシ」であった。
テクニカル・アナリシスの原則としては、「ダマシ」ほど「正確なシグナル」となれるものはないと見なす。何故なら、世の中の現象と同じく、「達成すべきものが達成されていなければ、その反対の方向になる確率が逆に高くなる」と考えられたのである。よって、10月19日にて、今後ドルがベアトレンドへ復帰するといった確信が得られた。その後、ドルの小反発も見られたが、すっと下落傾向にある21日線に頭抑えられ、ショートの好機とも解釈できよう。
さて、下値ターゲットとしては、順次111.36、109.00と108.35との目標値が概ね計算される。今月下旬までドルの「底入れ」がなかなか難しいと見ているから、銀行系アナリストの「レンジ感」が否定される可能性も浮上しよう。因みに、「年内108円台」とは、私の一貫した見方で、10月5日の記事にも言及している。相場は結局行くべきところに行き、ファンダメンタルズのみでその行方を掴みきれないのは自明の理だ。
昨日のボラティリティーの拡大を以って、ドル安小休止の可能性を再浮上させた。が、対円以外の話だ。よって、クロス円相場も含み円高となり、円を除きドルの保ち合い相場が見られるのでは。ユーロとの関係にも鑑み、豪ドルとカナダドルの過熱感は否めない。
銀行系のアナリストの殆どがファンダメンタルズから相場を語り、ある意味ではレンジ相場には強い。ただ、相場の水準をファンダメンタルズで決めるものではなく、トレンドの進行が速い、或いは変動率が高まる際、往々にして、相場の進行がアナリストらの予測範囲から大幅に掛け離れる、というケースがしばしばあった。昨日のドルの全面安と外貨の変動率はこの好例となろう。私は少なくとも7年間に渡って銀行系のレポートを読んで来たので、このような感想を持つことになったが、決して銀行系アナリストの能力を軽視しているわけではない。この辺は誤解しないように予め断っておきたい。
さて、「相場は相場に聞け」との原則に沿って、最近のドル/円チャートからヒントを得たい。上のチャートはドル/円の日足図、図示のAラインは8月23日高値と9月18日高値を連結し、Bラインは8月17日安値と9月10日安値連結したもの。A、Bラインが「トライアングル」とのフォーメーションを形成した。
注目していただきたいのは、10月3日にて、トライアングルの上放れが確認され、本来の目標計算値である120.30か121.35(トライアングルの最大値幅をブレイクのレベルに加えた計算値)前後まで上昇するはずだった。
ところが、ドルの上昇が117.94で頭打ち、逆にA、Bラインを順次割り込んで来た。即ち、前記「トライアングル」の目標値を達成しないばかりか、トライアングルの下まで落ちてきたので、テクニカル・アナリシス的な言い方をすれば、10月3日の上放れが「ダマシ」であった。
テクニカル・アナリシスの原則としては、「ダマシ」ほど「正確なシグナル」となれるものはないと見なす。何故なら、世の中の現象と同じく、「達成すべきものが達成されていなければ、その反対の方向になる確率が逆に高くなる」と考えられたのである。よって、10月19日にて、今後ドルがベアトレンドへ復帰するといった確信が得られた。その後、ドルの小反発も見られたが、すっと下落傾向にある21日線に頭抑えられ、ショートの好機とも解釈できよう。
さて、下値ターゲットとしては、順次111.36、109.00と108.35との目標値が概ね計算される。今月下旬までドルの「底入れ」がなかなか難しいと見ているから、銀行系アナリストの「レンジ感」が否定される可能性も浮上しよう。因みに、「年内108円台」とは、私の一貫した見方で、10月5日の記事にも言及している。相場は結局行くべきところに行き、ファンダメンタルズのみでその行方を掴みきれないのは自明の理だ。
昨日のボラティリティーの拡大を以って、ドル安小休止の可能性を再浮上させた。が、対円以外の話だ。よって、クロス円相場も含み円高となり、円を除きドルの保ち合い相場が見られるのでは。ユーロとの関係にも鑑み、豪ドルとカナダドルの過熱感は否めない。