陳 満咲杜の「為替の真実」

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ツー・ビッグ・ツー・レイト?

2008年01月23日 14時21分52秒 | 相場の真実
ドルインデックス 日足

昨日米FRBが0.75%の緊急利下げを実施、対円を除き、ドル全体が売られた。その分クロス円全体が上昇したが、皮肉にも一部の「スワップ派」投資者がやっとの思いで損切り、あるいはドテンして円買いした後のことだった。相場の神様は誠に意地悪である。

さて、FRBの決断に株式市場の評判が芳しくない。NYダウは一時460ドルの暴落となり、その後反発したものの、なおマイナス128ドル超の下げ幅を演じていた。

先週ブッシュ大統領の景気刺激法案に対する失望感から米株式が急落したが、その時の評判は「ツー・リトル・ツー・レイト」だった。つまり「小さすぎ、遅すぎ」である。同じ言い方とすれば、今回FRBの決定に対し、「ツー・ビッグ・ツー・レイト」との見方がマーケット関係者らが共有しているかもしれない。

要するに、緊急利下げがもっと早めに行われるべきだとの認識が一般的であるものの、利下げ幅にはショックを隠せない投資者が実に多い。想定を越えた利下げ幅の裏返しとして、危機の深刻さを物語っているだけに、背筋が凍る思いをした市場関係者も多いであろう。いまさらではないが、バーナンキ議長の手腕には疑問符が付く。

ある意味でバーナンキ議長は「貧乏くじ」を引いた人物だ、これからイバラの道を歩むことに。が、FRBへの信頼がなくなる、という事態に陥れば、それこそもっと深刻で、恐ろしい危機である。だから、当方が繰り返し指摘してきたように、危機とは人為的に避けられない経済現象で、その場の解決策で問題を先送りしただけでは、いずれより大きな危機と直面しなければならない。

ちなみに、今の状況を作り出した張本人のグリーンスバン氏はなんとサブプライム関連の金融商品の空売りで大儲けしたヘッジファンドの顧問に着任し、まるで全く責任のないような振舞いを続いている。氏に対する評判はこれから変わっていくであろう、今回の危機の進行度合とともに。因みに、氏は米金利が少なくとも3%まで下げると見ているそうだ。


ドルインデックスの日足を見ると、ドルの頭が低下傾向を続く100線に再び抑えられ、リバウンドがすでに終了し、今後安値を再更新していく、といったシナリオを浮上させた。この見方が正しければ、今年前半において、ユーロは1.5200あるいは1.5500、豪ドルは0.9400あるいは0.9900、円は101あるいは97のレベルへ打診する値動きもあり得る。

桜の満開とともに、円もわが春を謳歌するか。

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