せかいのうらがわ

君と巡り合えた事を人はキセキと呼ぶのだろう
それでも僕らのこの恋は「運命」と呼ばせてくれよ

煮え切らない満月と小さい隕石

2009-11-12 23:57:51 | テイルズ
星同士が近付きすぎてしまうと、ある一定の力で引き合わない限りぶつかってしまうか、ないしは引き離され、おそらくもう二度と出会うことはないと言える。あたしたちは大きな星同士で、ぶつかったせいで一度は溶け合ったのだけど、雫が跳ね返るようにして結局あたしだけが半身を取られたまま、暗闇の無重力に放り出されてしまった。そんな感じ。
あんなに大きかった体は全部もう片方に取られてしまって、悔し紛れに相手の片鱗も捥ぎ取ってみたのだけど、それだけで満たされるわけがなかった。真っ暗闇の中どれだけ彷徨ったとして、もう一度会える確率なんて今一瞬だけ広げた手の平の上に、あの凛々の明星が落ちてくるぐらいの確率。この世の中に存在するどの確率よりも低い。何故ならと訊かれればそれは、だって、0だから、としか言いようがない。あの人は死んだ。

――なんて、煮え切らないエステルを押すために言ったのは、あたしが研究者で、小難しいことを並べ立ててもそれで済むから。とにかく煙に巻いてうんと言わせればそれでいい。

「リタは、強いですね。私は、…そんなの許されないです」
「敵国の王子様ってわけでもないんだし、会いに行けばいいじゃない」

意地悪く吐き捨てたくなるのをぐっと堪えて、慰めるような口ぶりで言う。本当に嘘つきだと思う、内心本当はぐずぐずしている姿を見るとどうにもたまらなくなって、悪魔のように"そのうち二度と会えなくなっても知らない"と言ってしまいたくなるくせに、エステルの前ではいい子で居たくてたまらないあたしが邪魔をする。
でもそれでいいのだ。別に、エステルを泣かせたいわけじゃない。どんなにこの子を追い詰めたところで、もうどうにもならないのだ。

「あたしはもうできない。あんたが羨ましいわ」
「…私の好きな人は、私を私としてすら、見てくれないです。あの人の不幸せなんて望んでませんけど、でも、……」

―――
一回書くのやめた話はもう書いちゃだめだって話(爆)

忘れない傷跡の時ぼそっと言った「エステルとリタの云々」。
ぱっと書いてみようと思いたったのはよかったけども、
おっさんの存在きもくていやだ。もう書きたくない\(^O^)/