感性のままに。

平凡な主婦の独り言です。

魅惑の仏像~その3

2009-06-16 20:38:52 | 趣味
今回は、まさに「魅惑の仏像」の名にふさわしいものを紹介します。

奈良の秋篠寺の「伎芸天」です。

「伎芸天」とは、芸能をつかさどる容姿端麗な天女で、左手は上に向けて天華を捧げ、右手は下に向けて裳裾を持っています。

なんと、「伎芸天」と言われる現存の像は、日本ではこの秋篠寺にしかないと言うことです。

頭部は天平時代に、胴体部は鎌倉時代の運慶の作と言われています。

美しい天女と言うだけあって、この伎芸天もとても魅力的です。

今でさえ美しいのに、完成した当時はもっと綺麗なお顔だったことでしょう。

私の考える美しい仏像の代表とも言える姿です。

秋篠寺のこの仏像が安置されている場所は、薄暗くなんとも雰囲気のいい空間だったことを覚えています。

博物館などに展示されているより、昔からのお寺でそのまま安置されている方が、仏像に会った時の瞬間が違うような気がします。

その仏像を含む建物内全ての空気が、私をタイムスリップさせてくれるようで。
何とも言えない気持ち。
時間が止まったような・・・。

香りと少し湿ってひんやりした空気。

そんなものを感じながら進んで行くと、後光が差したように美しい「伎芸天」がスッと現れて。

その美しさに、もう感動するしかないんです。

大学の古美術研究旅行で第一の目的は、この「伎芸天」を見ることでした。

なんと言っても「芸術の神様」ですから、私達美術科の学生にとっては、「伎芸天のお守り」は必須アイテムです。

何がなくとも、そのお守りだけは買って帰えりました。

でも、それ以上に、その美しさには魅了されたんですが。

昔の人はどんな人をモデルに、こんな仏像を作ったのでしょうか?

こんな美しい人がいたってことでしょうか?


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