感性のままに。

平凡な主婦の独り言です。

本物でございます。

2010-08-31 22:33:26 | 趣味
私の仕事場の美術館の所蔵品は、かなり有名な作品がある。

企画展と違って、常設展は1年に4回程、テーマに沿って当館の所蔵品の中から選んで展示される。

その所蔵品は2000点近くあったと思う。

その中で、お客様によく聞かれる絵がある。

「これって、本物ですか?」

「はい、本物でございます。」
私は誇らしげになる気持ちを抑えて、冷静に答えるよう努める。

「あぁ、そうなんですかぁ!ここにあったんですか!凄いですね!」
と殆どのお客様が目を輝かせる。

藤田嗣治
「私の夢」

多分、私くらいの年齢の人なら誰でも美術の教科書で見たことがあるだろう。

少し絵画の好きな方なら、必ず知っている日本を代表する洋画家の藤田嗣治。
その中でも最も有名な「私の夢」。

白い肌の裸婦が横たわる周りに、着飾った色々な動物が取り囲んでいる絵。

残念ながら、当館の所蔵品名鑑の中にも写真の掲載が許されていないため、ネットでも殆どその画像を探すことができない。

私はこの絵が大好きだ!

油絵なのに、日本画の面相筆を使って描いている繊細な線と、細部まで描かれた動物の表情。
いくら見ても飽きない。

こんなに素晴らしい絵が、こんな田舎の美術館にあるなんて、誰も思わないのだろう。

以前は大光コレクションとして所蔵されていたが、その全部が当館に譲渡されたのだ。

その他にも、ロダンの「考える人」もある。
あまりにさりげなく置かれているため、お客様の多くは本物だと思っていないような?

この「考える人」は、日本に8体あるそうだ。
大・中・小の3タイプがあり、どれも本物。

このような彫刻は、型を取って何体も作ることができるから、数は限られているが、その型から作られた物は全てが本物となる。

その他、佐伯祐三「広告塔」、安井曾太郎「読書」、梅原龍三郎「紫禁城」等、絵画好きには是非見ておきたい作品ばかり。

実は、「ユトリロ展」のついでに常設展をご覧になったお客様で、「常設展の方がいいな~。」と感激される方が少なくなかった。

そんな時、私は、
「季節によって展示作品が変わりますので、是非またいらしてご覧になって下さい。」と言うのだ。

たかが監視員の私だけれど、当館の自慢の作品を是非、皆さんにご覧になって頂きたい。

ついでに、私にも会えるかも?

マナーの問題

2010-08-30 11:27:49 | 日記
美術館の監視員をしていると、色んなお客様がいらっしゃいます。

その展覧会のテーマによって客層も違ってきますが、今回の「ユトリロ展」は、大抵の方が絵画をご覧になることに慣れていらっしゃるお客様が多かったです。

わざわざ「ユトリロ」の絵を見たいと思っていらっしゃるんですから、当たり前でしょうが。

ですから、展示室内はとても静かで、話し声もヒソヒソって感じです。

そんな中、夏休みと言うこともあって、お子様連れのお客様への対応は非常に気を使います。

特に、小学生以下の小さなお子様連れ。

そんな小さな子供が「ユトリロ」の絵を面白いと思って興味深く見ると言うことは、まずありません。

多分、親御さんが見たくて連れて来たのでしょう。

それならば、この展覧会がどういう雰囲気の展覧会であるかを知って、ちゃんと事前に子供にマナーを教えておくべきです。

ところが、多くの子供達は次第に退屈になり、親の手を離れて勝手に動き回ります。

・・・当たり前です。
退屈で仕方ないんですから。
しかも、展示室内はゆったりとした空間で走り回りたくなりのも当然です。

そんな元気一杯の子供に、美術館でのマナーを躾けるなんて至難の技!

もし、子供がマナー違反をしないように見ているとなると、親は絵画鑑賞どころではなく、常に子供に注意していなければいけません。

それではチケットを買ってわざわざ美術館に来た意味がありませんね。

それ程見たい展覧会なら、子供は誰かに預けて来るべきでしょう。
それができないなら、申し訳ないのですが、見に来ることを諦めて頂きたいのが本音です。

少なくとも、私が子育てをしていた時は、美術館に子供を連れて行くという発想がありませんでした。

決してじっくり見ることができないことはわかっているし、子供にとっても嫌な思いをする場所になってしまいます。
親としても、とても楽しむことなんかできずに嫌な思いをするなら、そういう場にはいかない方がいいと思ってました。

でも、最近の親はそうは思わない人が多いようです。

子供は自由にさせておいて、自分はじっくり絵画鑑賞を楽しんでいます。

小さい子を連れていて、どうして側にいなくても不安にならないのでしょうか?
美術館内にいれば、どこかにいなくなることはないと思っているのでしょうか?

それはそうでしょう。迷子になったとしても狭い空間です。

でも、その子が親の見ていないところでどんな行動をしているかわかりますか?

柵の中に入る、作品を触る、走る、寝転ぶ、大声を出す・・・・・。

その後を付いて回って、注意をしなければいけない私達。

注意された子供のお母さんで、「わかりました!じゃあ、出て行きますっ!」と逆切れして帰ってしまったお客様もいらっしゃいました。

子供4人を連れてきて、子供達に美術館内を自由にさせておいて、自分は一人でゆっくりユトリロ鑑賞をしていらしたお母さんもいました。

子供が悪いのではありません。
子供はそれが普通なんです。

何も教えない、場をわきまえない親が問題なのです。

自分の子供が、周りの人に迷惑をかけていることがわからないのでしょうか?

子供がいたら、自分の楽しみを我慢しなければいけないのはとても辛いことです。
ストレスもたまってしまうでしょう。

私もかつてはそうやって二人の子供を育てた経験者ですから、その気持ちは十分に理解できるのです。

でも、子供をちゃんと育てるということは、親として我慢も必要なのです。

自分の楽しみと子育てを天秤にかけたら、子育てが重いのが親になるということではないでしょうか?

ストレス一杯のお母さん達にはとてもキツイ言い方になってしまいましたね。

子供を立派な大人に育てようと思うのなら、親自身が他人に迷惑をかけてはいけないと思うのですが。

理想を言えば、美術館内に子供を預けられるような施設があるといいんですけどね。

「私が外でお子様の面倒を見ていましょうか?」と言いたくなる時があります・・・。

もし、これを読んだ子育て真っ最中のお母さん・お父さん、是非、そのような場所にお子さんを連れて行く前に、少し考えてみていただけませんか?

















ホッと一息

2010-08-25 22:17:21 | 趣味
本日を持って、「ユトリロ展」が終了しました。

丁度、私の勤務が最終日の今日もあったので、「ユトリロ展」の終了と共に、次回の「ポンペイ展」が始まるまで、暫くの間お休みです。

失敗も数々ありましたが、大事に至らず、ホッとしています。

その「ユトリロ展」でのエピソードなど、ご紹介したいこともありますが、それはまた後程にすることにします。

前回、ブヨに刺されたことを書きましたが、そのブヨに刺されたの時の話です。

なぜ、そんな畑に出かけたか?
それは、夏の早朝の風景を写真に撮りたかったからです。

こう暑くては、日中はとても撮影に行く気になりません。

私が子供の頃の夏を思い出し、朝顔や朝露に濡れる涼しさを求めて、日の出の頃に早起きをして出かけました。

まさに、日の出を拝むことができ、清々しい気持ちになりました。

そして、畑に沢山朝顔が咲いている所を見つけ、撮影している途中、見事にブヨに刺されたのです。
それで、もっと撮影したかったんですが、これ以上は耐えられないと、別の朝顔を探してみましたが、中々沢山育てている家が見つからず、またあったとしても敷地内に入らないと撮影できなかったりと、いい被写体に巡り合えませんでした。

そんな中、朝顔が沢山咲いているお宅で、丁度水撒きをしているオジサンがいらしたので、ちゃっかり撮影を許可してもらいました。

きっと、そのオジサンも「何で朝早くから朝顔なんて撮ってるんだろ?」と思ったでしょうね。
全く、変なオバサンになってます、私。

そんなこんなで、1時間程の撮影で出来上がったのが、このデジブックです。ご覧くださいね。
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デジブック 『早朝の夏』


早起きは三文の徳・・・になったでしょうか?

ブヨには刺されましたが、とても気持ちのいい朝でした。

真夏の早朝って気持ちいいーーー!!

虫刺されにご用心!

2010-08-24 11:34:34 | 日記
残暑が大変厳しい中、体力的にもバテバテな私。

なんでも、この暑さで夏バテしていない人は少ないとか。

そんな中、今年の夏は「虫刺され」に悩まされている私です。

勿論、蒸し暑い夏は蚊が多いのは仕方ありません。
特にワンコの散歩帰りに外でワンコの足を洗っていると、「やぶ蚊」が私の手足に群がってくるのです!

それでも、やぶ蚊はまだそれ程後をひきませんが・・・・。

先日、日の出を見たいと思って早朝に出かけた時、畑の近くで「ブヨ」にやられました。

「ブヨ」は「ブト」「ブユ」とも言われる小さい虫です。

ブヨは蚊のように刺すのではなく、噛み切るのだとか。

気づいたら、4ヶ所もやれていました。

初めはポチッと血が出ているだけなんですが、一日経ってビックリ!
噛まれた部分から半径5cmくらいが赤く腫れているんです。

勿論、熱を持っていて痒い!!

それから虫刺されの薬を塗って、冷却材で冷やしましたが、2日程経ってやっと腫れが引きました。

まだ、痒みはありますけどね。

それと、一番困っているのが、原因不明の虫刺され。

原因不明と言うか、虫の正体不明と言うことです。

一体何に刺されているのか、全くわからないのです。

「痒い」と思って見ると、必ず5mm程の赤い腫れがあります。
しかも、1ヶ所ではなく2ヶ所のことが多く、衣服で隠れている部分に。

衣服に付いたダニの種類でしょうか?

あまりに蒸し暑いので、家に変な虫がいるのでしょうか?

でも、殆どが毎日のように洗濯している下着やTシャツやジャージです。

そして、一番不思議なのは、家族で私しかそのような目に合ってないってこと。

随分前に一度同じようなことがあったので、その時は皮膚科に行きました。
診断は「虫刺され」でした。
「特定な人にしか刺さない虫がいる」んだそうですが。

この家にそんな虫がいるのかと思ったら、昨日の夕方、美術館で監視してる時に太もも辺りに痒みが!

それまで何ともなかったのに、急にそんな所で虫刺され??

家にいるんじゃなかったのぉ?

不思議感が強まりました・・・。

正体不明の虫に悩まされる今年の猛暑です。

早く涼しい季節になってーーーー!!




白馬の旅 その2

2010-08-21 14:55:44 | 趣味
前回の予告通り、白馬旅行の二日目を紹介します。

前回から随分と日にちが経ってしまいました。
仕事の関係やら、夫が傍にいるなど、中々ブログをアップするどころか、コメント返信さえできずにごめんなさい!

さて、大満足のホテルでの夜は明け、朝がやってきました。

台風はすでに過ぎ去っています。

普通、台風一過って青空に恵まれるでしょ?
でも、この日はどうしたものか、一向に青空が覗かなくて、結局ずっと曇りのまま。

それでも、雨は上がったので、予定通り白馬山麓を眺めに出発しました。

長野オリンピックの競技場として使われたゲレンデがある所です。

そのリフト二つを乗り継いで、山の中腹まで行き、そこから頂上までは登山になります。

リフトを降りた地点でも、十分高く、まさに雲を下に見る風景が広がっていました。

青空はなかったですが、雲の景色も素晴らしいですね。

私達はそんなに高い山登りをする予定ではなかったので、そこからの登山にはかなり苦戦しました。
前日の雨のために道はドロドロで滑りやすく足場も悪かったので、足もガクガクで、空気が少しずつ薄くなって来ているのか、突然に私の心臓がドッキンドッキンして来ちゃって。

見ると、まだまだ頂上までは半分も来ていません。
考えると、気が遠くなりました・・・・。

帰りのことも考えて、そこで引き返すことにしました。
頂上まで行ったとして、帰ってこれるかどうか・・・・?

時間的にも、そこで引き返して正解でしたけど。

それでも、そこから臨む雲海から覗く景色は素晴らしく、私達にとっては十分でした。

雲を下に見ることなんて、そんなにないですからね。

遠くの山々を眺めていると、別世界のようで、自然と地球の凄ささえ感じます。

曇りのため、あまり写真は綺麗に撮れていませんが、デジブックにまとめたのでご覧下さい。
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デジブック 『心のご馳走を求めて?』


快晴だったら、どんな風景が広がっているのでしょう?

頂上には池もあって素晴らしい景色らしいので、今度は準備万端で登りたいです。

まぁ、いつになるかわかりませんが。