北浦和の夜。

某県某大学での仕事を終え、帰途につく木曜日。
会議のため、午後のゼミにも出席できず。

その日は、北浦和で私の先生と待ち合わせ。
なかなか会う時間のない私に、「じゃ、浦和でやりましょうか。」と先生。
そうか、その手があった。先生を出張先の仕事場におっかけてけばいいんだ。
で、夕刻、大宮下車で、浦和へ。

あふれるようなデータにおぼれてわけがわからなくなっている私に、仕事後で疲れているはずの先生は一つ一つのデータを確認しながらいつまでも丁寧に流れを確認してくださった。
そしていつものように最後には
「大丈夫よ。書けるわ。」とにっこり。

真っ暗な町を歩き、夕飯をごちそうしていただき、私の体調のことまで気にかけてくださり、一緒に電車に乗った。

ずっとずっと時間がたっても、この夜のことを私はずっとおぼえているだろうと思う。

ただ、指導教官だというだけで、先生はなぜこんなに学生に心を砕いてくださるんだろう。
面倒ばかりをかけて、いつまでも先生を追い掛け回して、私は、いつ、何を先生にお返しできるんだろうか。