セツの 日々つれづれ日記

猫たちの様子や感動した景色など、日々のささいな出来事をアップしています。

桜の吉野山 その6(最終回)

2013-04-25 07:00:00 | 吉野山

ついに最終回です。

西へと急ぐように落ちて行く太陽。

私の気持ちもちょっと焦って来ました。




桜に光が当たらなくなったら、もったいない。

それに何より、山の中で暗くなるのは絶対に避けたい。

急がなきゃという気持ちと、最後の光を撮っておきたい気持ちがせめぎ合って。

心の中は、この山の色合いのようなモザイク模様でした。




この美しい場所に、いつも立っている気分になれるように。

写真を残したい、と思う。


その5でくぐってきたミツバツツジの道を向かい側に眺めます。




綺麗だったなぁ……。


だいぶ近づいてきた、あの大屋根。




下の道路を走っているのは、私が朝乗ってきたのと同じルートのバスです。


杉の木立から差し込む、眩しい光。






ほんとうは、もっともっとキラキラです。


時間が遅くなってしまって、当初予定していた見所をスルーすることになりました。

如意輪寺や五郎兵衛茶屋など。

このあたりにはたくさんのいいポイントがあるんです。


仕方がないので来年のお楽しみにとっておくことにします。


どっちかだけでも見れるかなって思ったけれど、山がついに日陰に入ってしまったから。






今回はこれで充分です。

暗いところの桜も、紫がかって杉の闇に沈んだように見え、幻想的でした。

急な坂を下ったり、ぐねぐねした道を進んでいると。

こんな谷間に出ました。




おひさまがくれた、最後のプレゼントだと思いました。




逆光ならではの、破裂しそうな光の塊。

そしてその奥には、闇に沈んだ桜も浮き上がって見えています。

これを最後に見て行きなさいよ、って、山に言ってもらっている気がしました。



ついに、山に日が沈みました。

薄暗くなる山の谷間。

分岐点を見つけます。

真っすぐ→五郎兵衛茶屋、右→吉野駅。

こう書いてありました。


このとき、

(ん?茶屋はもう行かないから、方角から言えば右の吉野駅かなぁ?)

と考えました。


右へ下りて行くと、アスファルトの道が現れました。

(歩きやすい道になったなぁ。でも人気はないし暗くなってきたし……、ちょっと怖い。

 早く元の道に戻りたいなぁ……)


土産物屋が立ち並び、観光客がいっぱいのにぎやかな道が、恋しくなりました。


てくてく、てくてく。

歩けど歩けど、薄暗い道が続きます。




だんだんと、不安になってきました。

早くマップを見ておけばよかったんです。

iPhoneで現在地を確認すると、私は元の道と平行に走る『ささやきの小径』という道に来ていました。


え~~~~!

戻れないの!?


なんとか左へ、元の道へ戻れるルートを探しましたがちっとも見つからず。

この辺りで、吉野駅に行くということはどういうことか分かったのです。

つまり、駅までこの道で帰るということ。

お土産屋さんのはしごもできない。

暗くさみしい道がえんえんと続く。

最悪だ~~~~



あえてこの恥ずかしい失敗談を書いたのは、ひとえに私と同じ間違いをしてほしくないからです。

あの標識では分からないですよ~~~。

いや、あそこでちゃんとマップを見ておかなかった私が悪いんですが。

五郎兵衛茶屋と一緒に金峯山寺とか書いておいてほしかった……。

もしもこれから行かれる方がいらっしゃれば、どうぞお気をつけ下さいね。


iPhoneのマップで進み具合を何度も見ながら。

てくてくてくと歩いて行きます。

横は、こんなちょっと怖い岩が見えていたりして。






まあでも、よく見るとちょっと高千穂の黒い岩に似ています。

岩の間からしみ出る水とか。

悪くないよ、うん。

無理矢理そんな風に心を落ち着かせようとしたり。



突然、こんな美しい門が現れました。




何?何かの旅館かな。

調べてみると、ここは『吉野温泉元湯』というところで、かの島崎藤村が逗留していた宿だそうです。

暗かったので、人気もなくちょっと怖かったですが、明るい時間はきっと素敵な、鄙びた温泉宿なのでしょう。


あ、ケーブルカーだ!!




やっと吉野駅に帰ってきたようです。

はあ~~、やっと着いたか……。

あ~あ、失敗しちゃったなぁ。

あんなに目指していた金峯山寺の蔵王堂も、見られずじまい。

どうにも情けない気分です。

蔵王堂の勇姿をご覧になりたい方は、こちらの記事をご覧下さい。


『紅葉の吉野山(1/4)』




と、駅前に漂う、お肉が焼けるいいにおい~~~

見ると、屋台が出ていて、牛串とか鶏串とか書いてあります!!

高かったけど、両方を速攻ゲット!!

あ~おなか空いた~~~。




色気もそっけもないですねぇ……。

きっと体がタンパク質を求めているんだ、うんそうだ、とだれかに言い訳してました

牛肉も鶏肉も、塩がきいてジューシーで、とっても美味しかったですよ。



そのあとは、駅前のお土産屋さんでさくら羊羹と葛餅を購入して。




中身の写真を撮るのを忘れました……おバカでしょう~~。

駅前のベンチでゆっくり休憩してから、ぬる過ぎる缶コーヒーを買って、電車に乗りました。


はあああああ、終わったなぁ~~~~。

大きなため息をひとつ。

足はさすがにふくらはぎが張っていました。


これで、桜の吉野山、終了です。

長々とお付き合い、ありがとうございました。

最後は尻つぼみで申し訳ありません。

次来た時は、もう少しかしこく歩こうと思います。


ブログをいつも読んでくださるジージさんが、あの黒い岩を見て和歌の上の句を書いてくださったので、下の句を作らせていただきました。

み吉野の いにしえの岩 物語る
とく散る桜と 人の世もまた

歴史のある場所に来ると、自然と風流な気分になります。


それでは、今日は、イブちょのあらよっと踊りでお見送りしてもらいましょう。

あらよっ!




ばったん!




ほっっ!!腹筋!!





相変わらずお散歩ではしゃぎまくりのイブちょさんでした。


それでは、また次回でお会いしましょう~