其処で初めて判明したのだけれども
煙の正体は如何やら焼香の煙らしく
また
祭壇に遺影はなく
花輪は
FROM;ジェリー藤尾
オンリーであった
ロザリアロンバルトとは
似ても似つかない
グロテスクな遺体を
暫く、
眺めていたら飽きて来たので
自分も
規則正しい生活をする為、
身柄を一時的に社会に拘束されてみたいと
焼香に参列することを決意した
しかし、
横入りして来るおっさんはいるし、
そもそも、
列にちゃんと並んでいるのか?
其処に突っ立ってるだけなのか?
判然としない輩はいるし、
ババァどもが好き勝手に
前後左右で自由自在に駄弁ってたり、
それが、
大音量で襲い掛かって来るし、
精神は混迷を極め、
また、
一度焼香した筈なのに
何度も列に割り込んで来たりするジジイもいて、
またそして、
「私は列に並んでいるんだ!」
と云う、
この社会に参加している
意思を示し
社会的意義を唱える術を
オレは知らなかった
秩序を自ら放棄し、
最早、
混沌と化していた葬列の中で、
漸く、
焼香をする番がめぐって来たのだけれども、
更なる悲劇がオレを狂わせ襲う...
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