2017/10/2
・1961年、アメリカで初めての有人地球周回飛行に貢献したNASAの黒人女性スタッフ三人の仕事ぶりを描いた話。
・前に見た『42 世界を変えた男』と似ている。メジャーリーグで活躍した黒人選手ジャッキー・ロビンソンの話。
・1947年のメジャーリーグに対して、本作は1961年のNASA。
・42からそれなりに時間は経っているはずなのに、全然状況が変わっていない。
・あんなにジャッキー頑張っていたのに。
・単に女性だからというのもあるけど、アメリカ南北は当然として東西でも大分ちがうのかもしれない。
・最初のうちは常にまとわりつく差別の雰囲気にうんざりする。
・それを一人の数学の天才がひっくり返してカタルシスにつなげる。
・このへんは差別を題材にした物語のテンプレみたいなものかもしれない。
・黒板とチョークで計算した数式が宇宙船の命運を握る。ロマン以外の何物でもない。
・天才数学者のキャサリン、技術者を目指すドロシー、黒人女性の計算係チームをまとめるメアリー。
・この三人がとてもかわいいしかっこいい。ほんとかっこいい。
・作中、三人が同時に職場で活躍するところはほとんどないにもかかわらず、チーム感、仲間感が強い。
・どちらかというといかつい見た目の女性をヒロインに据える配役。
・上司とキャサリンが数学の公式を語るところは意味が全く分からなかったけど、天才同士の会話として面白かった。イチローと落合の会話みたい。
・走るシーンをコミカルに見せているのは何でだろうと思っていたけど、後半に仕掛けがあった。
・うんざりするような差別の現場に身を置きながらも、気持ちを切り替えて生きていけるのは音楽の力。
・作中でも、しんどい思いを共感させられたあとに、必ず音楽でリセットできるように構成されている。
・当時の黒人にとっての音楽やダンスというのはそういうものだったんだと思う。
・もちろん、楽しい時には音楽を鳴らして踊るもんだということも同時に描かれている。
・なので、この作品で描かれているのは、差別はいけないことだということと、音楽はすばらしいということ。
・差別という生臭い食材を、ここまでカラッと口当たりのいい料理にまとめたのがすごい。
『ドリーム』予告編/シネマトクラス
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