桶川ストーカー殺人事件―遺言 (新潮文庫) | |
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新潮社 |
2016/8/10
1999年に起きた桶川ストーカー事件を追った週刊誌記者の手記。
ごく普通の一人の女子大生が、犯人に考え付く限りの対策をとって、それでも力及ばず殺されたという事実が絶望的に重い。
「詩織は小松と警察に殺されたんです」
実際、ストーカーの小松は実行犯ではなかったし、当然警察も直接被害者を殺していない。
それでも、読み終わると、小松と警察が殺したとしか思えない。
厳密には小松が殺したあと、たしかに警察がもう一度殺している。
最初は警察の怠慢という話だと思っていたけど、それだけでは済まず。
大体の警察官は善良だけど、組織や仕事のためとなると、どこまでも残酷になれる。
これは、警察に限った話ではない。
仮に自分が警察官だったとしても、声をあげられなかったかもしれない。
もし、この事件が『スペル』のサム・ライミの映画だったら、上尾署の警察は一人残らず地獄に落ちている。
※読んでから見てみるとホントにびっくりする。
【桶川ストーカー殺人事件】 上尾警察署・記者会見
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