遠藤雷太のうろうろブログ

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清水潔『桶川ストーカー殺人事件―遺言』

2016-08-10 21:19:37 | 読書感想文
桶川ストーカー殺人事件―遺言 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社

2016/8/10

1999年に起きた桶川ストーカー事件を追った週刊誌記者の手記。

ごく普通の一人の女子大生が、犯人に考え付く限りの対策をとって、それでも力及ばず殺されたという事実が絶望的に重い。

「詩織は小松と警察に殺されたんです」

実際、ストーカーの小松は実行犯ではなかったし、当然警察も直接被害者を殺していない。

それでも、読み終わると、小松と警察が殺したとしか思えない。

厳密には小松が殺したあと、たしかに警察がもう一度殺している。

最初は警察の怠慢という話だと思っていたけど、それだけでは済まず。

大体の警察官は善良だけど、組織や仕事のためとなると、どこまでも残酷になれる。

これは、警察に限った話ではない。

仮に自分が警察官だったとしても、声をあげられなかったかもしれない。

もし、この事件が『スペル』のサム・ライミの映画だったら、上尾署の警察は一人残らず地獄に落ちている。

 

※読んでから見てみるとホントにびっくりする。

【桶川ストーカー殺人事件】 上尾警察署・記者会見

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