2024/1/27
・ある男女が、お互いを意識し始めた中学生のころから、大人になって大きな事件が一段落するまでの間に交わされた手紙やメールを、ほぼ時系列で読み上げていく話。
・小林エレキくんと吉田諒希さんの回。
・単純な二人芝居とも朗読劇とも少し違う往復書簡形式。
・一対の椅子、コップと水、加湿器。奥中央にお花。シンプルできれい。
・本を持つので演者はセリフを覚えなくてもいい。それがラクなのかと言われると、全くそんなことはないということが始まるとすぐにわかる。
・舞台上に動きがなく、声に集中せざるを得ない状況だからなのか、場の空気が張りつめている。
・そこまで重い話ではないし、戯曲で読んだときにはユーモアを感じたやりとりも深刻な雰囲気になる。
・上演中、客席かどこかでビニールか何かがかちゃかちゃ鳴った程度の音も気になるくらい。
・あくまで往復書簡なので、会話のテンポと違う間合いになるのも難しそう。新鮮なところでもあったけど。
・あと、ずっとほぼ同じ姿勢なので本を持つ腕が筋肉痛になりそう。
・一人が音読している間、作中実際に手紙やメールを読んでいるのはもう一人のほうになるので、沈黙している側の演技も入っている感じ。
・それぞれの人生を歩むことになっても、お互い相手のことを特別だと思っている二人。
・それが初恋というものなんだと言われると、たしかにそんな気はする。
・二人とも、通り過ぎる罪とか、いろいろ言っていたけど、実際にやりとりを聞いてみると、衝動が先にあって後追いでそれらの言葉をあてがっているようだった。
・このあたりの説明は脚本の構成上の都合だと思うけど、言葉だけではぴんとこないところ、フィジカルを通した朗読で補完されている。
・言葉に先行して衝動が伝わってくるんだから、演者が脚本に依存しすぎていないということなんだと思う。
・初恋なんて一方通行で当たり前なのに二人は違う。本当ならこんな幸せなことはないはずなのに。ままならない。
・それでも、物語が終わったあとも二人の人生はまだまだ続くんだから、そこに希望を感じたりもした。
(カタリナスタジオ 1/27 19時の回)
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