松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

和ろうそくを灯す時 その9

2009-06-02 23:13:03 | 和ろうそくを灯す時
和ろうそくの箱がやっと出来たのはいいものの、その用途はどうやら単なるギフト用になりそうです。

「これじゃお線香を箱入りで売っているのと変わらんね。」
「……ま、そうですね。」

ギフト用はギフト用として使えるからいいとして、なんだか当初の狙いとは外れてしまった感じがします。でも一体どこが外れてしまったのか。

言われる通り、ギフトとして贈れば、貰った側はスムーズにつけるかもしれません。でも、やっぱりタンスのこやしになってしまうでしょう。なぜって「高そうだし、もったいないから灯せない。」という感覚は変わらないからです。

私は和ろうそくを灯して貰うために販売しているのであって、飾り物を販売しているのではありません。和ろうそくは灯されるために作られてるんです。

だったら、どうやったら和ろうそくを灯してもらえるのか?

またもや振り出しに戻りました。やっぱり死者へのお供え用として差し出すのが一番です。誰のために差し出しているのかをはっきりさせておけば、法要は繰り返し来ますから、その時に灯される確率も高くなるでしょう。

御香典を差し出す時に、和ろうそくも一緒に出せるようなパッケージをもう一度考えなくちゃ。

「簡単やん!御香典と一緒にくっつけて出せば?」
「どうやって?」
「箱を包装紙で包んで、切り込みを入れて、そこに御香典を挟めば出来上がりやん。」

なるほど。智恵のある人は頭が回るもんです。私は言われる通り、まず箱を仏事用の包装紙に包んでナナメに切り込みをいれることにしました。そこんとこに香典袋を入れられるようにします。

そうこうするうちに、知り合いの弓道関係者が亡くなり、お通夜がやってきました。いよいよ箱入りお供え用の出番です。

幸い第一号として算段のM子さんが使ってくれることになりました。御霊前と書いた香典袋を差し込むM子さん。じっと見守る私。差し込んだ後、すぐにビリビリと紙が裂ける音がしました。

「げっ!」

香典袋にお札を入れると多少厚みが増した上に、袋が落ちないように思いっきり差し込んだせいで、包装紙の切り込み部分が裂けてしまったのです。

お通夜の会場を目の前にして、裂けた包装紙と香典袋を手に、M子さんと私は、しばし固まってしまいました。

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