愛する貴方のために私は悪魔になる!たとえ、地獄の業火に灼かれようとも!!
絶海の孤島に建つオペラ座館で、悪夢は三度(みたび)甦る!!衆人環視の中でシャンデリアを落としての劇団員殺害。第二の殺人は全員のアリバイが成立する状況で発生し、ついには完全に外部から遮断された密室状態の劇場で、3人目の犠牲者が出た!!館の地下迷宮の暗闇に潜む冷酷非情な殺人鬼「ファントム」の正体は…!?
つい最近、アニメ化された『金田一少年の事件簿 オペラ座館・最後の殺人』(原作名『~第三の殺人』)をTVで観ましたが、ガッカリです。削除しまくりの失敗作だった!何のためにアニメ化したのよ!!最低だったわ。原作の『金田一少年の事件簿 オペラ座館・第三の殺人』で湖月レオナは、愛する霧生鋭治が自分の炎恐怖症や鋭治の顔面の火傷の原因となった火事を起こした3人の悪党どもに青木ヶ原樹海に置き去りにされ殺されたことを知り、遺品である手帳の“必ず復讐してやる!俺をだまし自分たちの罪と一緒に葬ろうとしたあの3人に‥いつか本物の亡霊――「ファントム」となってあの3人に‥‥!”と最後の力を振り絞って書き遺された鋭治の言葉による、レオナの心に復讐の炎は燃え上がった。それを笑顔の裏に隠して“絶対許さない‥‥!何人もの命を犠牲にして鋭治さんにその罪をなすりつけながら、あまつさえ善人の仮面をかぶり自分たちの成功に酔いしれるこの醜い偽善者たちを‥!!そう!鋭治さんが本物の「ファントム」になるのなら、あたしは「ファントムの花嫁」――!あの日から、あたしは可憐な「湖月レオナ」の仮面の下に憎しみに歪む「ファントム」の素顔を隠し、愛する人を永久に奪った、許しがたいあの3人をこの手で殺すことだけを考えて生きてきたのよ……!”と機会を窺っていたレオナは遂に復讐をやり遂げた。
レオナは愛する人と幸せになりたいと願ったのに鋭治は彼女の俳優としての才能を犠牲にしたくなくて復帰して欲しいと愚かな願いを抱き、彼女を捨てた罪の報いに自分が顔に火傷を負う原因となった火事の首謀者たちの罠に嵌まり、樹海で死を遂げたのは自業自得でしかない。復讐を遂げた後、焼身自殺を図りながらも金田一に命を救われたレオナは衝撃の事実を知る!オペラ座館の女主人・響静歌(ひびき・しずか)は鋭治の母であり、事故死した黒沢和馬との間に鋭治が生を受けたということを!!静歌は“あの子が不幸な最期を遂げたと聞いて正直ショックだったわ。そしてそれ以上に優しかった、あなたがこんなことまでして‥――ごめんなさい、レオナさん‥‥ひとりで、そこまで思いつめるほどつらい思いをさせて‥そして‥鋭治のことを愛してくれてありがとう‥!こんな冷たい母親の私より、あなたは何倍もあの子のことを愛してくれた‥だから、あの子の跡を追って死のうなんて考えないで。あなたが鋭治の「花嫁」なら‥‥私にとってもあなたは娘――大切な娘まで失いたくないわ!”と告げ、レオナは生きる決意をするのだった。
如何なる理由にせよ犯罪者となったレオナに演劇界復帰は不可能だ。しかし、仮に復帰が叶うとしても、彼女は決して演劇界には戻ることはない。愛する人が自身を捨て押し付けてまで掴みたかった夢がそこにあるかもしれないが、愛する人に捨てられ彼を死に追いやった悪意もまた演劇界に棲みついていたのだから。この事件の長所はオペラ座館の殺人事件では被害者でも鋭治や軽井沢の合宿所で多くの有望な若手役者を死なせた悪行…酔っ払って花火をしたせいで大火災を起こした卑劣な加害者である[城龍也、三鬼谷巧、絵門いずみ]を死をもって裁いた、レオナの復讐劇を阻止できずに彼女が3人を殺し終えた後に一が謎解きをしたことだけだ!途中で邪魔したら私が一を殺してやりたいと憎んだ。
復讐を容認してはいけないと重々承知しているが、正義だの何だのは愛と夢と幸福を踏み躙った悪党が被害者の場合、彼らに加担するくらいしか役に立たないのである。つまり、正義を語る人間が悪になることを意味する。