イリアーデの言霊

  ★心に浮かぶ想いのピースのひとかけら★

寵姫であるかぎり

2015年02月28日 00時42分30秒 | 漫画

徳間漫画文庫
『銀河英雄伝説』第2巻

ヴェストパーレ男爵夫人:ごきげんよう、グリューネワルト伯爵夫人。
アンネローゼ:ヴェストパーレ男爵夫人、お待ちしておりましたわ。
ヴェストパーレ男爵夫人:お聞きになった?イゼルローン要塞を叛乱軍に盗られたという話。あなたの弟、出世するわよ。
アンネローゼ:え?
ヴェストパーレ男爵夫人:軍務尚書と統帥本部総長と宇宙艦隊司令官、この帝国軍三長官が自分の在任中の不祥事だからって辞表をだすつもりだそうよ。
婦人:まあ。カストロプ星系の動乱も半年もつづいているのでしょう?いたたまれませんわね。
ヴェストパーレ男爵夫人:空いたポストの少なくともひとつはローエングラム元帥のものになるでしょう、でもあなたがちょっと陛下におねだりすれば他のふたつも。おねだりしそうにないわね、そこまで気を遣って人畜無害を装っても寵姫でいるかぎり敵は減らないわよ。
アンネローゼ:それでも。(あの日皇帝の寵姫として召された日、私に選択の余地などなかったけれど家族の幸せのために運命を受けいれた。それがけっして家族を弟を守ることにはならないとしらずに不用意に宮廷内に敵を作らないこと、それが今の私にできるせいいっぱい。)