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子どもの本の会

子どもたちにはありったけのお話をきかせよう。やがて、どんな運命もドッヂボールのように受け止められるように。(茨木のり子)

『おしゃべり階段』くらもちふさこ

2013年01月08日 | 日記
小学校時代,「りぼん」派と「なかよし」派が対峙していて,ちょっとマイナーなところで,「はなとゆめ」派が数名いた。

私は「別マ」派だった。別冊マーガレット。

好きな漫画家さんは,くらもちふさこさん。

30年以上前の作品だが,『おしゃべり階段は』文庫本になったものを今もときどき愛読している。



その他,好きなマンガ家は,睦A子さん,岩舘真理子さん,吉田まゆみさんだった。

描かれた男性が,皆私好みで,かっこよかったんだ。

「レモン白書」「アイドルを探せ!」全巻もっていたが,どこ行ったのか?はて?




「おしゃべり階段」の,主人公,森本加奈が,中学~高校時代の自分と重なる。

何度読みかえしても,胸がキュンとする。

残念なことに,中山手線君のような,かっこいい彼氏は出来なかったが…(笑)
(登場人物は,駅名が多い。中野くん,荻窪くん,国分寺さん,立川先生)

中学時代は,友だちのこと,恋愛のこと(好きな人が親友とかぶってしまったり…),受験のこと,自身で抱えている身体的なコンプレックス(私の場合はニキビだった…)などなど,いろんなモヤモヤ袋を抱えていたなぁ。

誰にも相談することなく,自分でなんとか凌いできた感じがする。

「時」が解決してくれるということも,「その時」の自分にはわかるはずもない。


今は,あんなに悩んでいたことがウソのように思える。

これといった答えのない問題に,悩み続けた日々。

でも,悩むことは無駄ではない。

いろんなことを,思い悩み続ける時間が持てたことはむしろよかったと思う。



それに,うちの親は口うるさくなくて,それでも見守っていてくれたことに,今は感謝している。



絵本の読み聞かせをしている…とはいえ,正直,母親に読んでもらった記憶はまったくない。
そして,ほとんど本も読んでなかった中学時代。
もっと読んでいたら,人生変わっていたかもしれないが,いまは後の祭りだ。

高校受験の面接で,「最近読んだ本は?」と問われて,山口百恵の「蒼い時」と言ってしまったあと,そのときの面接官だった小枝先生(体育)に笑われ,汗がどーっと出たのを今でも覚えている。


漫画はよく読んでいた。

身近な大人や教師の説教やアドバイスより,こうした漫画の中のセリフに助けられたところも少なからずあった。


「おしゃべり階段」の登場人物は,クラスに,先輩に,後輩に,必ず一人はいたような人物ばかり。

読むたびに,自分の中学時代と重なって,あの子,あいつ,あの先生が,懐かしく思い出される漫画だ。



あなたたちの未来がわかる

あたしの「過去」というテキストがあったから

だけど あなたたちは知らなくていい

遠い未来に見つけるものが

今のあたしにわからないように

わからないから悩む

悩んで

悩んで

いつか悩むことが無駄ではないことを知り

そして

いつかテキストになるであろう「今」を大事にしたいと思う日もくる


(「おしゃべり階段」より)


ラストは何度読んでもジーンとくる。


漫画本ばかり読んでいる息子に,

「ちゃんとした本読みなさい」

と,言っているそんな母ちゃんも,漫画大好きなんだよ。ふふ