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子どもの本の会

子どもたちにはありったけのお話をきかせよう。やがて、どんな運命もドッヂボールのように受け止められるように。(茨木のり子)

★2012年度★第9回お昼休みのおはなし会

2013年01月19日 | 日記
①「おへそのあな」長谷川義史/作,BL出版
②「はつてんじん」川端誠/作,クレヨンハウス
③「ふしぎサーカス」伊藤文人/作,サンマーク出版


『おへそのあな』
誕生前のおなかのなかの赤ちゃんが,おへその穴から,家族の様子をみています。
頭が下になっているので,見える景色は,みな逆さま。
(なぜ,逆さまなのか,子どもたちはわかったかな?)

赤ちゃんは,家族の会話を聴いています。お料理の匂いを嗅いでいます。
赤ちゃんの誕生を待ちわびる,家族の幸せそうなようす。

そして,赤ちゃんは,生まれてくる日に,そっと,聞こえないように言うのです。
「あした,生まれていくからね」

子どもが生まれたときの感動がよみがえる,素敵な絵本です。。
これからお姉ちゃん,お兄ちゃんになるお子さんにオススメ。

また,1年生は,3学期の総合学習として,生まれてからこれまでの自分史を作ります。
誕生前から今までの自分の成長について,お母さんにインタビューもします。
家事や仕事で時間に追われる日々で,我が子が生まれたときの感動を忘れがちですが,優しい気持ちに戻って,一緒に作り上げて下さいね。



『はつてんじん』
初天神…学問の神様,菅原道真をまつる天満宮の縁日は毎月25日。新年になってから,天満宮にはじめてお参りに行くことを,“初天神”といいます。

やんちゃな金坊とお父さんは連れ立って,天神様へお参りへ。
本当は「これ買って~!あれ買って~!」とねだってばかりの金坊を連れて行きたくないお父さんなのです…。
途中の屋台で金坊は,わたがし,たこやき…とおいしそうなものをねだりますが,お父さんは「あれは,どくだ。」とごまかします。
でも,とうとう,根負けして凧を買うことなりますが…

お父さんと金坊のかけあいが楽しい,落語絵本。


落語が大好きな子どもたち。
最後,金坊そっちのけで凧上げに夢中になるお父さんにかけた金坊の言葉(オチ)が,ちゃんと理解できてました!

担当のTさんが前に出ただけで,「おっ!面白い話だよ,きっと!」と子どもたち(笑)。
お笑い系担当就任おめでとうございます,Tさん!
今年も,子どもたちに,たくさん笑ってもらいましょう~!


『ふしぎサーカス』
ひっくりかえしてみると…あれぇ~?
バスがピエロに!ピエロが女の子!犬がウサギに!
とても愉快なさかさ絵本。

ここまでくると芸術作品ですね。
2005年「第23回 アートの中のユーモア国際ビエンナーレ」にて特別賞受賞。世界が認めた,伊藤文人のさかさ絵ワールドを,ぜひお手元でもお楽しみ下さい。



その他,メンバーが紹介してくれた絵本です。

『ミリーのすてきなぼうし』きたむらさとし/作,BL出版
素敵な帽子が欲しくて帽子屋さんに出かけたミリー。
欲しかった素敵な羽のついた帽子は,なんと99999円!
「このくらいしかないんですが…」と,ミリーがお金が全く入っていない財布を見せると,店員さんが「では,これをどうぞ」と,ミリーの頭に想像の帽子を乗せてくれます。
ミリーが街の通りを歩き,見るもの,出会うものが変る度に,想像の帽子も変わっていきます。
そして,すれちがう街のひとびとの頭にも想像の帽子があることに気が付きます。

帰宅後,お母さんに,帽子の事を話します。
お母さんも「素敵ねぇ~」と…。

私は,帽子屋の店員さんとお母さんの,とても優しい,想像力ある大人の対応に感動しました。
クジャクの帽子は圧巻ですよ。

2010年の課題図書になったのも理解できます。みなに読んでもらいたい作品です。

『ちょっとだけ…』瀧村 有子/著,鈴木 永子/絵,福音館書店
下の子の赤ちゃんの世話で忙しいなっちゃんのお母さん。
なっちゃんは,お姉ちゃんとして,ひとりでお母さんに頼らずに,いろいろやってみようと頑張ります。
でも,やっぱり,お母さんにお願いしたいことがある…。
なっちゃんは,「”ちょっとだけ”でいいからだっこして」とお母さんにお願いします。
お母さんは,「いっぱいだっこしたいんですけど、いいですか?」

お姉さんとして成長していくなっちゃんですが,お母さんの愛情を一人占めできない切なさに心打たれます。鈴木永子さんのイラストが優しく表現しています。


ミリーのお母さん,なっちゃんのお母さんのように,子どもへの優しい声掛け,少し,私も見習おうと思いました。

Sさん,2冊の絵本のご紹介ありがとうございました。

次回の定例会,お昼休みのおはなし会は,2/21(木)です。