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子どもの本の会

子どもたちにはありったけのお話をきかせよう。やがて、どんな運命もドッヂボールのように受け止められるように。(茨木のり子)

『おじいちゃんと森へ』ダグラス・ウッド/文、P.J.リンチ/絵

2011年09月16日 | 日記
原題は『Grandad's Prayers of the Earth』(おじいさんの地球のお祈り)です。

おじいさんが、ぼく(孫)を連れて森を散歩しながら、孫の問い『祈りって何?』について、
話して聞かせるのですが、おじいさんの言葉すべてが印象に残る、素晴らしいものです。

まず、

『木や草や岩やあらゆるものが、じっとして、黙ったまま、天に向かって静かにお祈りしている』

と、始まります。

地球上のあらゆる生命が美しくあるようにと、自分たちの命をささげている、それ自体がお祈りだと…。

鳥は歌うこと自体がお祈り、風はささやくことで祈る。

なかでも、人間のお祈りが、あらゆるものの中で一番素晴らしいと、おじいさんは続けます。
困ったときや苦しいとき、何かを期待してお願いすることがお祈りではなくて、

『お祈りは問いかけじゃないんだよ。お祈り自体がその答えの場合もあるんだ。
 世界を変えるためにではなく、自分自身を変えるためにお祈りするんだ。
 自分自身が変われば、世界もかわるんだよ…』と。

最後におじいさんは、孫の祈りも叶わず、天国に旅立ちます。少年は森へも行かなくなります。

ある日、青年へと成長した孫は、一人で森へ…。

そこでおじいさんの話してくれた『地球のお祈りの言葉』を聞くのです。

祈りをテーマに「人間を含めて自然とは何か…」考えさせられる一冊です。

少年が羽織っているジャケットは…
細かい描写が粋。絵本だからこその楽しみ。

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