独連立協議、SPDが債務償還基金創設の要求撤回
ロイター 11月12日(火)4時45分配信
[ベルリン 11日 ロイター] -ドイツの保守系与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と連立協議を進める中道左派の社会民主党(SPD)がユーロ圏債務償還基金創設の要求を取り下げたことが、両党関係者の話で11日明らかになった。
また、欧州銀行同盟をめぐる与野党間の討議はなお続いているもようだ。
SPDは欧州債務危機の最悪期にユーロ圏共同債の構想を支持していたが、今年に入ってからは債務償還基金の創設を求めていた。
ただ与党はいずれの構想にも否定的な立場をとっているほか、ユーロ圏重債務国の借り入れコストがここ1年で大幅に低下したことなどから、SPDが連立協議でこの問題について強く要求する公算は小さいとみられていた。
与野党協議でSPDを率いるシュルツ欧州議長は「債務の共通化は行わないというのが与党の要望だった」と述べた。
与党とSPD双方の関係者が明らかにしたところによると、与党は代わりにSPDが求める最低賃金案を支持することに同意した。
独連立協議をめぐりロイターは、与党とSPDが欧州銀行同盟の大枠で合意したとの関係筋の話を伝えている。それによると、銀行破綻処理の決定を欧州委員会ではなく欧州連合(EU)財務相理事会の下に新たに創設する機関に担わせる案で両者は合意した。
これについてシュルツ氏は、銀行破綻処理の問題をめぐってはなお多くの作業が残されているとし、「まだ終わっていない」と強調した。
連立協議に関与している関係筋によれば、銀行破綻処理について最終的な案をまとめるまでには法律面での課題がまだ残っているものの、14日の欧州財務相会合でドイツとしての案を提示できるよう目指しているという。
ただ独財務省のコットハウス報道官は週内に合意する必要があるとの声に否定的な見方を示し、EUレベルでの年内合意以外に具体的な目標は認識していないと述べた。