ebakam art studio blog

眞壁 陸二

南青山と渋谷にて

2009年12月24日 | Weblog
先日LAMAで知り合った映像作家の赤地剛幸さんの個展が開催されている南青山Galley PLSMISを見に行く
世界中を旅し映像作品をつくっているアーティスト
インド、チベット、南米、中国etc…彼の行動範囲の広さが瞬間的に伝わる
マルチビジョンで18台のモニターがずらりと積み上げられ それぞれに違う国の人々が同じような作業をしている姿が映る。
仕事をしている人、ボールで遊んでいる子供たち、道路工事や生活の風景など「国が変わっても人間だいたい同じようなもんだな」って思うような映像が14分でループするような作品になっている。
何年にも及ぶ取材の旅、彼の見て来た世界がリアルに伝わってきた。
映像作品というものは現代美術シーンにおいて中心的役割がある
(横浜トリエンナーレなどではなんと8割近くが映像作品だった 本当に多い)
しかし映像ものは大抵脅迫的に時間を押し付けられるので見る方はぐったりしてしまい、僕はあまり好意的に思ってはいない。
しかし彼の作品は見飽きる事は全く無かった。僕は映像作品は映画では無いほうが良いと思っているので、彼の映像の「見せ方」に対するアプローチは面白かった。

次に渋谷のトーキョーワンダーサイトで開催中の照屋勇賢の展示を見る
こちらも映像作品
マクドナルドの包装紙などにカッターで切り込みを入れ木を作ったりする作品で有名なアーティストです。
大学を卒業後彼の出身地である沖縄の文化的バックグランドのある琉球紅型を利用した着物作品でデビューし、現在はニューヨークを拠点に制作を続けている人気作家です
今回のワンダーサイトではちいさな段ボール箱に向かってプロジェクターで手作りのヨットが川を流れて行く映像を映した作品だった。
段ボールというほぼゴミのような素材に映像が映されることで、その箱がちいさなシアターのように見え透明な箱のように感じて美しかった。
彼の作品は小さな作品、しゃがんで覗かなければ見れないという行為が必要なのだが宝物を発見したときのような楽しさがある。
すでに大きな美術館で個展も経験しているがますますこれからが楽しみだ。

旅の終わり 京都

2009年12月24日 | Weblog
宇治を後に今回の最終目的地 京都へ
以前茅ヶ崎に住んでいた仲間を訪ねる
白田君の個展も丁度開催中だった。
ギャラリーの中央で200号はある大きな絵がグルグル回転していた…
一晩かけて彼には説教…
なんだか可能性はあるやつなのだがもう一つ考慮が足りない…
行動するが内容が無い…
でもあんな馬鹿があっと驚くものを創る可能性もあるから もっと馬鹿になってもほしい。
彼らは「ロケット探偵団」という共同スタジオを経営する。
そこは京都の若いアーティストの溜り場のようになっていた
様々なイベントを企画しニュースに取り上げられたりラジオ番組に出てたりさながらタレントのようだった。
閉じず、常に開いて美術を一般の人に楽しんでもらうということは大いに賛成。
美術家はとかく内に籠りがちになりやすいが、彼らは珍しくキャラクター的に外向きだ。
仕事は順調のようだ、あとは自分自身の作品制作をどこまでしっかりクオリティを上げられるかだろう。
彼らと一晩喋りまくったあと翌日は樂美術館で樂焼きを見て、唐長で型紙を使った装飾画を見た。
樂焼きなどは柚薬ののり方を見てると完全に抽象にように僕の目には映る。
誰も指摘しないがM・ルイスやJ・ポロックの抽象絵画の世界に極めて近い。

日本美術のエッセンスなのだろう