ebakam art studio blog

眞壁 陸二

金沢にて

2009年12月18日 | Weblog
一昨日の夜より金沢に帰省してます。
昨日から雪、山間部では20cm程の積雪、市内も雪です
まずは21c美術館でオラファーエリアソンを見る。
水や鏡の反射を使って虹のような光のスペクトルを見せたり、オレンジ色の光に満たされた部屋では補色を自分の目が欲しがる機能を巧みに利用した感覚を体験させる作品だった。
現代美術は体験だ。
未体験の感覚を刺激されることで新たな価値観に出会うことができる。しかもエリアソンの作品は理屈抜きに美しい、壮大な自然と宇宙の神秘を感じさせる。

僕は金沢出身であるがこの美術館は開館五年目で、金沢で過ごした高校までは現在美術館のある土地は中学校があった場所なのです。
「たられば」になるが、こんな素晴らしい美術館がもし当時からあれば金沢を出なかったかもしれない。
僕の心の中にはいつも必ず金沢の記憶がある。
原風景としての景色と色彩感覚は焼きついている、子供のころは都会に憧れ地元を愛でる気になどならなかったのだが30才を越えたころから妙に気になりだした。
年に4日程帰るか帰らないかぐらいしか金沢には戻っていないが、記憶を確かめるべく、もしくは新しい金沢を知るために全力で動き回る
今回は金箔の技術を身につけたく2箇所で金箔の箔押し体験をおこなった。
金沢はその地名の由来にもなったように現在も金箔の全国シェア99%である。
伝統に裏打ちされた技術を伝統工芸に終わらせないで現代アートで使用出来ないものかと検討中です。
ちょっと慣れが必要だが何をすべきかという目処はたった
教えて下さった皆様ありがとうございました。
茅ヶ崎に帰って試作をいくつか作ってみようと思ってます。

「ふるさとは遠きにありて想うもの そして悲しくうたうもの」と室生犀星は詩をよんだ。
金沢は僕にとって郷愁そのものなのです、そしてなぜかいつも少し悲しい気分にさせられる それは悪い意味ではなく失恋にも似た感情だ 不思議と心地よい寂しさだ。