ebakam art studio blog

眞壁 陸二

ハモンドオルガン

2009年05月25日 | Weblog
日本を代表するハモンドオルガンJAZZ奏者の酒井潮さんのLIVEがanalog Bar BBで週末にありました。
ホレスシルバーの曲に始まりアントニオカルロスジョビンのWAVE、そしてオリジナルナンバーと続いて2ステージたっぷり3時間程。大満足
独特のスイングとハモンドならではの音色はこの楽器ならではのものです。
一見シンセサイザーのように見えますがリードによって音が出ているらしく音の出方、震え方が、ピアノが息を吸ったり吐いたりしてるような感じなのです。
しかも左手は完全にベースラインを叩くように弾き続ける。これはピアノとは似て非なる鍵盤楽器。
ブルースですねブルース、魂のある音楽です。

Amartya Senというノーベル賞受賞者

2009年05月22日 | Weblog
アマルティア・センという経済学者を知ってますか?
アジア人で初めてノーベル経済学賞を受賞したインドの方です。
つい最近まで僕はこの人のことを知りませんでしたが、出来ることならこういう人に日本の経済を引っ張ってもらいたいものです。
インドの東部ベンガル地方に生まれたセンは幼少期に「なぜインドはこんなに貧しいのか」「どうして飢えに苦しむ国があるのだろう」ということを真剣に考えます、経済学と哲学を学んだセンは倫理的要素を経済学に持ち込みます。
「どうすればもっと儲かるか」ではなく「人間としてより良い生き方」を考えます。
国が経済的に発展しても貧富の差がはげしいと真の豊かな国とは言えない。
国民の人権が充分に保証されているかどうかが豊かさの尺度だ__とセンは考えます。

ノーベル賞という世界で最も名誉ある賞の受賞者の事を僕らは知らな過ぎる
その知識の一部でも取り入れて実際の社会に役立てられないものか…

「合理的な愚か者」「不平等の経済学」等 著書多数 ぜひ読んでみて下さい

SHIFT

2009年05月22日 | Weblog
内閣府によるとGDP国内総生産は戦後最悪の成長率だったそうです
折からのこの不況ですから、なにもとどめを刺すようなことを今更言わなくてもいいような気がしますが…
ただ、もし未曾有の好景気でバンバン生産して売れて儲かってたら、どうしたいのかな?
昨年の今頃は環境問題がスゲー深刻みたいだった、地球温暖化を食い止めなければヤバいことになるぞって、みんな言ってたのに、
買い替える必要のなさそうな冷蔵庫や大型テレビをエコポイントと称して購入意欲を煽り、一部企業を政府が支える。
本当にエコかそれ?これ以上テレビ買ってナニ見てんだ?…

GDPとは無関係でしょうが修理屋が繁盛してるようです、でもそれは悪いことではないです、
まだ使えるものを今までは平気で捨てて買い替えていたのを、好きなものをとことん使うという事に変わったのですよね
思えば日本は30年で家を立て替える、古さに価値観をほぼ持たない国民です、だけど京都や金沢に行くと素敵でしょ?ヨーロッパを好きでしょ?ほんとは古いものが好きなはず
いやいや維持する方が金がかかる、買い替えた方が安くつく…電化製品も車の話でもよく聞く話だけど倫理的に間違っている、大量生産、大量消費、使い捨て。そろそろ止めにしませんか?
造り手の愛情が見えて来るモノはそう簡単には捨てられませんよ。

ここらで日本人にとって何が大切で人間にとって幸せか、新しい価値を示す時期なのだと思います。
GDPやGNPが低くっても楽しく生きて行く方法はあるはずです。SHIFT CHENGE

ギャラリーとオークション、アートマーケット

2009年05月19日 | Weblog
昨日の話をもう少し捕足
オークションで絵画作品の売買がされるということは、作品の良い悪いという質の判断よりも、高く売れそうかどうかのネームバリューの方がが問題にされることが多い。

昨年夏までの日本のプチアートバブル期ではリーウーファンさんが圧倒的で次いで草間弥生さん、この二人が高額取引のトップ2、しかし古美術を入れればやはり横山大観が横綱。
海外のクリスティーズとかでは桁違いの高値での取引があった、話題になっていたのは中国アートバブル、中国人アーティストの作品を中国人が釣り上げて自国のアートの経済的価値をあげて行った、ちょっとシュールでキモ可愛いのが中国絵画の主流だが、30代の画家の作品に数千万~時には億の値段が付いていた、まさしく異常。
中国の国家戦略?とも思われる買いっぷりは、中国の若い芸術家に制作費になり、またそれが次の作品を生む。
しかし日本のバブルの時には日本人は印象派の絵画を買いあさった、結果日本人の若い芸術家には何のメリットも無かった(海外に出ないで世界の名作を見れるのはありがたいことだが…)
やはりアーティストは収入がなくしては生きられないし制作も出来なくなってしまう
世襲かお金持ちの家に生まれない限り芸術の路には進めない、それが現状。
それがひとつ日本のアートシーンのクオリティの低さの要因です。政治の世界と似てますね

やはりアートの市場を熟成し拡大しないといけない、ギャラリーとオークションが連動し、開き一般の人のアート購入者が増えてほしい
さらに言うなら作品のクオリティーを見極められる人がもっとマーケットにほしいところです。

死んでからでは売れるのでは遅い、いや死ぬまでアートで生きていたいだけなのだ

展示の告知その2 Archives展

2009年05月18日 | Weblog
6月には2つの展示があり、こちらは都内
シンワアートミュージアムでの「アーカイブ」という名のグループ展
以前お世話になった美術学校の講師の皆さんが中心の展示に参加させてもらいます。
ここの場所はシンワアートオークションの1階にあるギャラリーです。
シンワアートオークションといえば日本No.1のオークション会社
つまり日本のアートビジネスの中心といってもいい所ですね、
アートビジネスは主にギャラリーでの個展などで作家の手もとから初めて売れていく時にはプライマリープライス。次にその作品を購入された方が転売する、これをセカンダリープライス、セカンダリーマーケットと呼びます。
転売されるのですから最初より安くなると損ですので、オークションなどに出品して少しでも高く売れるようにしたいはずです。
こうして欲しい人が多ければ落札価格が上昇し相場が形成され、その作家の作品の価格プライマリープライスも上がって行きます。
反対に落札予想価格エスティメイトより下回れば安くなってしまうでしょう。

オークション会社にギャラリーが付属されているというのは不思議な光景なのですが、多くのコレクター、美術関係者、ギャラリーが集中する界隈ですので少しでも知ってもらうという為に出品します。
6月2日~7日 銀座7-4-12 シンワアートミュージアムにて 短い展示期間ですのでお早めに

展示告知その1 LAMA

2009年05月17日 | Weblog
6月の展示
地元茅ケ崎オルタナティブスペースのLAMAspace
6月5日(金)~23日(火)まで水曜日定休
神奈川県茅ケ崎市松浪2-8-15 telo467-58-3823
JR東海道線 辻堂駅 西口より徒歩10分

先日オープンさせた僕が自ら施工したギャラリーです。
つまり壁も(特に)床も自分のデザインで内装を造ってるので室内全部が作品となります。
こういった作品の見せ方を「インスタレーション」と美術業界では呼ばれます。
金色の額に入った油絵を壁面に飾ったものだけが作品ではなく、
その場の空間全体を作品とする見せ方です(簡単に言うと…)
実際の作品を観賞する際には、展示空間の壁や床の色や材質も目に映っているはずですが、それを意識して見ない限り見ませんよね、無意識に無いものとしてしまう。その考えを発展させて多くの美術館、ギャラリーは「ホワイトキューブ」と呼ばれる室内の全てを真っ白にしています。作品にのみ集中して見せることに徹した場所なわけです。
逆にインスタレーションはその全てを意識する。
インスタレーションは本来「設置」という意味ですから広い意味では、金色の額に入った油絵を壁面に飾るという「設置」することもインスタレーションとなります。
ただ「どう設置するか?」たとえば隣の作品との距離、床からの高さ、照明の光度など…
同じ作品でも見せ方一つで見え方はまるで変わります。
つまりアーティストが展示空間にとことんこだわって意識してるってことです。

案内ハガキを御希望の方はHP内のコンタクトよりメールでお知らせ下さい





斎藤義重さん その2

2009年05月14日 | Weblog
斎藤義重さんについて凄いなと思うのは、常に前衛であった点です。
1904年に生まれたってことはバーネット・ニューマンよりひとつ歳上で
パリでピカソがキュビズムを始める前で
日本ではまだまだ明治
当時の美術、芸術のあり方は当然今と全然違うだろうし価値観や基準も違っていただろう、
だが斎藤義重は常にギリギリまで追い込んで、情緒的な絵画や装飾性をきらい自分に厳しい作品を造り続けた、どうしてそんなことが出来たのか分からないが30年代には「トロウッド」と呼ばれるレリーフ状の抽象絵画が描かれている。早い早すぎます
一般には抽象表現主義はNYで40-50年代、ヨーロッパではもう少し早くて10-20年代にマレービッチやモンドリアンらが抽象絵画の実験をするが斎藤義重とのタイムラグはほぼ無い、同じ時間に同時進行していることに驚く、
その後の「鬼」や木を使った作品も終始前衛的で革命的だ
安井、梅原や岡本太郎なんかが昭和の巨匠と言われますが、あんなのはあくまで日本の中での洋画、
斎藤義重はその遥かに上の世界を感じ取っていた現代美術家だったのだ。
今見ても全然古くない凄いです。

画像は代表作「鬼」1957 神奈川県立近代美術館蔵 (注)今回の展示には出品されてません

斎藤義重09複合体講義

2009年05月13日 | Weblog
朋優学院TSギャラリーにて斎藤義重さんの展覧会が開催されてます。
おそらくあまり有名ではないのですが斎藤義重さんは日本を代表するアーティストでした。
断言してもよいです日本で五本の指に入る優れたアーティストです。

展示内容は晩年の複合体と呼ばれる、彫刻とも言い難い 黒く塗られた板を配置してゆく作品と講義を撮影されたビデオの上映、私は本人には会ったことが無いので斎藤義重さんの講義のお話がご自身の声で聞けたのは有意義でした。
斎藤義重作品と教育論ははその後の「もの派」を生み、現代美術の大きな割合を占める「インスタレーション」の牽引者として尊敬されています。

時間と空間に対する考察が作品の主なテーマです。
1904-2001年まで97年の生涯でした。
5月16日まで西大井朋優学院TSギャラリー




CASA BRUTUS

2009年05月13日 | Weblog
只今発売中のCASA BRUTUS(カーサ ブルータス)マガジンハウスに
我等の溜り場 LAMAcoffee がちょっぴり紹介されています。
湘南のユニークな建築としてノミネート?されています。
他にも近所の僕の好きなお店が数件紹介されてます。
大磯のラスカル食堂、茅ケ崎 アシエンダie、鎌倉 イヌイット・ファニチャー
共通しているのはセルフビルド、リノベーション、アンティーク、
古さを大切にしている温かなほっこりした空間なのです。
洗練されたスタイリッシュなモダンとか都会的な臭いは一切しない店ばかりです。
そこが湘南のスタイルなのだと思います。
江ノ島あたりは都会が海にやって来た感があるのだけれど、茅ケ崎大磯あたりは良い意味でユルイ。
ゆっくりした時間が流れている気がします。
CASAブルータス、渋いチョイスしますね。