ebakam art studio blog

眞壁 陸二

越後妻有ダイジェスト

2009年08月31日 | Weblog
左上より開発好明の「千色の家」、カサグランデ&リンターラの「ポチョムキン」
石塚沙矢香の「うかのめ」の家遠望、下段ボルタンスキー「最後の教室」

個人的には沙矢香ちゃんの展示がNo.1すばらしい
たくさんの人に是非見てほしい

越後妻有アートトリエンナーレ

2009年08月31日 | Weblog
先日お知らせした越後妻有アートトリエンナーレ(新潟県十日町地方)に行って来ました。
今回で4回目となるこの芸術祭、地元の皆さんの認知と理解が進んで来たようで地元の方とのコミュニケーションがとれていることが印象的だった。
300組以上の作品の展示ですので、全てを見たわけでは無くほんのわずか見てまわっただけだったが、とても暖かい空気を感じた。
見た作品は石塚沙矢香、開発好明、アントニー・ゴームリー、クリスチャン・ボルタンスキー、カサグランデ・リンターラ、他多数

今回は元生徒の石塚沙矢香の展示を見る事を主な目的に行った、想像以上のクオリティで良い作品。
彼女の作品はお米を糸に接着した糸を空屋を舞台にインスタレーションしたもので、
記憶、時間、連続、連鎖といったものがテーマになっている。
緻密に計画された配置と明かりの量でバランスが良く素晴らしい。
ただゴームリー、塩田千春といったアーティストとの類似感はいなめない
糸状のものを空間全体に密集させる方法はやや流行りのスタイルといえる、とはいえ今後の展開が楽しみ。

300組の作品全てが良いわけではないし正直言うと中にはひどい作品もある。
回を重ねる毎に作品数も増え続けどこから見ていいのか正直迷う
エリアがあまりにも広すぎて遠い、今後の課題改善するべき点も沢山あるのも事実、
それでもアートによる出会いと発見をもとめて沢山の人が訪れていた
アーティストとサポートスタッフ、運営されている人々と地域の皆様と全ての関係者の皆さんの努力が感じられます。

写真は石塚沙矢香「うかのめ」

9月13日まで新潟の里山の美しさと現代アートをぜひ楽しんでみて下さい

maruuさんの展示

2009年08月29日 | Weblog
茅ケ崎Lama Spaceで開催中のmaruuさんの a feeler 展
彼女はレコードジャケットやイラストの仕事もされているデザイナーなのですが、今回は完全にartモードの作品。
ナイーブに描かれたドローイングの作品が素晴らしい。
上手く言えないけど、ちょっぴり病気?の人間の裏側が描かれている
ちいさい声でささやくように唄うような繊細さが 見る者をその絵画の世界に連れて行ってくれる不思議な絵だ。
優しく不気味な世界。オススメです

9月15日まで水曜定休
茅ケ崎市松浪2-8-15 0467-58-3823 Lama Coffee 2階



衆院選

2009年08月28日 | Weblog
今度の日曜は4年ぶりの総選挙。
小泉郵政選挙から4年ということです。
4年間に安部内閣、福田内閣、そして「責任力」がキャッチフレーズの漢字の読めない総理大臣へとバトンタッチされた。
郵便局は民営化された事でどうなったんだ?
人口の少ない過疎の地域からは郵便局が存続出来なくなった。
なんでもかんでも市場原理、自由競争にのっとる必要は無い
(資本主義国家の中の社会主義的側面はある程度残すべきだ。このままだといずれ図書館や消防、救急も民営化されてしまいかねない)

規制緩和は大企業に優しく、労働者に厳しい社会を作り出した。
人気を回復したいがために高速道路の土日1000円化と定額給付金が支払われたが、どちらも払い過ぎた税金をわずかばかり返してくれただけだ。
しかしそれだって車を所有していない者にとっては何の恩恵も無いし、エコポイントだって特定の家電メーカーを国が支えることになり おかしい
自分達のして来た事に対する反省や自己批判の声はついぞ聞かれなかった。
それどころか自己採点は80点を超えていたのには驚かされる。
だからといって民主党へと簡単にまかせていいのか?
こっちは政権交代を奪取したくてたまらない人達だし元々は同じ穴のムジナ
うーん迷う、誰にどこに任せてもうまくゆく気がしない…
選挙になれば「ずっとこういう考えだった」と言わんばかりにマニュフェストを書き立てる。
前回は郵政賛成か反対かなど論点にもなりそうも無い事だけで、選挙させた。
そんな事を煽った小泉元首相はどういうつもりで現状を見ているのか?
責任 とらなくていいのか?

僕はもう既に期日前投票を済ませました。
選挙の結果は開けてみなければ分からない。
皆さん必ず選挙に行きましょう。
そしてよく考えましょう。

追伸:あまり話題にならないが最高裁裁判官の不信認投票もある

ゴーギャン展

2009年08月22日 | Weblog
しばらく忙しくて久しぶりのブログです。
昨日、近代美術館で開催中の「ゴーギャン展」を見て来ました。
お茶の水駅で降りて徒歩で竹橋へ向かう、途中 神保町の古書店を数件ぶらつき、源喜堂で画集を1冊購入、
その後登山用品店やスキーショップに立ち寄り、楽器屋、レコード屋などさんざん寄り道を楽しみ3時半ごろようやく近代美術館へたどり着く。
お茶の水、神保町は趣味のお店が多くてなかなか前に進めない…
今回のゴーギャン展の目玉は何と言ってもボストン美術館所蔵 の代表作
「我々はどこから来て、我々は何もので、我々はどこに行くのか」という哲学的でとても長いタイトルを持った作品が来ていることです。
1.4 x 4m ほどの横長の大作で彼の生涯全てを懸けた傑作です。
晩年タヒチで過ごしたこの画家はヨーロッパ主義ではない、野性に帰ろうとした画家で、力強い輪郭線と原色に近い鮮やかな色彩を平面的に塗っていく事が特徴の画家。

目に見える現実をそのまま写すのではなく、感情や感覚をプラスα加えたり、逆に単純化したりして絵を創っています。
このような試みは絵画の近代化に大きな功績があり、ゴッホやセザンヌともおよそ共通の思考のもとで制作されています。
ちなみにこの3人は後期印象派と呼ばれ、印象派とは違います。印象派まではあくまでも視覚に従順な絵画ですが、ゴーギャンら後期印象派は「魂の印象派」といった感じでしょうか、「主観」がかなり多く、「自分はこう見た あるいは こう感じた」という 見方 で描かれている事が特徴です。
それは現実よりも色鮮やかに誇張されていたり、手足が大きくデフォルメされていたり 体のクビレが極端すぎて不自然だったり と決して写実的では無い。
ここで言いたいのはそれらが悪い訳ではないと言う事、「絵画とは何か」っていう哲学も同時に考えているわけです。
人間はただ目で網膜に写ったものを映像的に見ているわけでは無く、見たいものを脳で意識することで初めてはじめて「見る」のです。

会場は予想より空いてます「ゴーギャン展」9月23日までです。オススメ
上の写真は作品の部分

ホワイトバランス

2009年08月15日 | Weblog
デジタルカメラの好きなトコ。
出始めの2000年頃はまだまだ性能がフィルムカメラに比べて低くカメラ自体の質感とデザイン性が極端に悪く、なおかつ値段が高いというで全く受け付けなかったが今では撮影の99%はデジタルカメラになった。
今はRICOH GR DEGITAL とちょい古いNIKON D70sに35mm単焦点のF2を装着して愛用してます。
デジタルの優れた点は、フィルム時代には考えられなかった点にホワイトバランスの優秀さを第一に挙げます。
カラーでの撮影の際、例えば「青」ひとつとっても赤みを帯びた青から黄色みを帯びた青まで様々です、AWB機能でもまぁ80%位の満足は得られますが、100%に近づくためのお得な情報を一つだけ教えましょう、
「ここぞ!って時の必殺技」それはマニュアルでホワイトバランスをとるのです。
メーカーの取り扱い説明書には撮影する光源下で「白いもの」に向けて適正露出で撮影しそれを基準として記憶させる。とたいていの場合ありますが、「白いものって」曖昧です。どんな白?「白いとは?」と哲学出来ちゃうくらいです。

今考えられる最善の方法は「18%のグレーカード」を利用することです。
これはコダック社とGINNICHI(銀一)から発売されてます。ビックカメラくらいの店でも入手可能。
このグレーカードを撮影光源下で撮影し、記憶させれば、青いものはちゃんと青く、赤いものは赤く撮影出来ます。
スタジオ撮影なら光源を一種類に絞っても可能ですが、一般的には太陽光あり蛍光灯あり電球ありとミックス光が普通です。そんな中でもしっかりと色再現を求められる場合には是非この方法を試してみて下さい。誰でも簡単にプロ並みの写真が撮れますよ。
でも上の写真は蛍光灯モードで撮影…

越後妻有アートトリエンナーレ 大地の芸術祭

2009年08月13日 | Weblog
新潟の十日町地方を中心に芸術の国際展、越後妻有アートトリエンナーレがおこなわれています。
美術館等で額縁に入った絵画を観賞するのではなく、展示内容のほとんど全てが山や田んぼの自然の中や古い家屋、廃校になった小学校等を舞台にインスタレーションと呼ばれるその場所、空間全体を展示空間にする(簡単に説明すれば)野外彫刻的なスタイル。
「設置」「インストール」の語源からの美術用語。
トリエンナーレとは「3年に一度」という意味、ちなみにビエンナーレは「2年ごと」ですね、つまり3年に一度おこなわれる(主に野外)芸術祭です。
オススメ作家は、カサグランデ&リンターラ、クリスチャン・ボルタンスキー+ジャンカルマン、青木野枝、アントニオ・ゴームリー、水谷一、ジェームズ・タレル、そしてわれらの石塚沙矢香ちゃん。
茅ケ崎凸凹ハウス在住の沙矢香チャンは廃屋を一棟丸ごと使ってのインスタレーション。
タイトルの「うかのめ」とは食を司る神のこと、暗い室内に糸にお米をびっしりくっつけて天井から吊るされる
真夏、新潟、アートと温泉そしてへぎ蕎麦9月13日まで
(ガイドブックと前回までに行った際のの感想です。僕自身は来週あたりに行く予定。展示会場が多すぎてあまりにも広範囲なのでまづは上記の展示を見るのをオススメします)


Macの調子が…

2009年08月10日 | Weblog
お盆です
天気が毎日ころころ変わります
今日はバケツをひっくり返したようなゲリラ雷雨
そのせいかここのところ家の電化製品の調子が悪い
CDにDVD、さらに今使っているこのマックまでイマイチ調子が良くない
珍しく僕が長い時間仕事で使っているからか、はたまたそろそろ寿命か?
機械であるからにはいつかは壊れるが僕にはこいつらは直せない
大切に使っているから6年間も一台のMacでやりくりしてきた
クラシックカーやアンティークのカメラのように直して直して味が出てくる
そんなパソコンってまだ出来ないもんですかね
これ以上進化したらついていけなくなりそうです。

富士山アタック

2009年08月05日 | Weblog
昨日、僕にとって4回目の富士登山に行ってきた
予報は雨のち曇り、のち雷雨
でもこの時期の予報はコロコロ変わる、良い方に変わる事もあろうかと出発
深夜0時茅ケ崎を出て2時半ごろ5合目の駐車場に到着、満天の星空に驚く、連日の豪雨が空を澄み渡らせていた。
日の出前にスタートし6合目手前の見晴しの良い所で御来光を見る、山で見る朝日と眼下の雲海は素晴らしく幻想的だ、
天気はこれ以上無いほど最高、11時登頂。1時間程山頂にいて下山
3時前にはまた5合目駐車場に戻って来れた
寝不足と軽い高山病でちょっと頭が痛かったが素晴らしい景色を存分に楽しんだ。
ただしかし富士山は日帰り出来る山だが体力的にはかなりしんどい、
僕でも相当疲れる、脚も膝も頭も痛いし、昨日は晴天だったが雨が降れば凍えるように寒くなる。
でも小さな子供もお年寄りも登っている、お互いに励まし合いながら山頂を目指す。「コンチワー、ガンバリマショー」とか声を掛け合って。

急がなくても、ゆっくりでも、休み休みでも、諦めなければ必ず頂きに立つ事が出来る。苦しみを乗り越えた後の達成感は最高だ。
人生勉強に登山は最高です。古い言葉だが「根性」が身に着く、
「あきらめない」こと「粘り続ける」ことが「根性」

これから登る方への注意 山の天気は変わりやすいもの、雨具(上下)と登山靴だけは最低でも持って行って下さい、肌着は速乾性のものでコットン製品は汗が冷えて低体温を招くので駄目です。山頂は御来光の時間なら2~3度と真冬並、お昼で晴れていても10度位で結構寒いです。装備はなるべく慎重に準備して下さい

続dessin

2009年08月02日 | Weblog
dessinデッサン、および絵画について考える事
「見て描くことと、見ないで描くこと」
見過ぎればそれは 依存で説明、面白くない
見なければ自己表現と言う 欺瞞、もっと面白くない
正確さや情報の記録伝達ならばカメラやコンピュータの方が優れている
19世紀半ばにカメラが発明され多くの絵描きは職を失った。
セザンヌをはじめ後期印象派の絵画が「絵画の生き残り方」を示したと思う。
絵画でなければ出来ないことを描こうとした。

さらに21世紀に絵を描くならば、「人はなぜ絵を描くか」って事をもっと考えて描かなければならない。