旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

旅の心配事

2017年01月12日 | 旅行一般
 E&Gの場合、大量の旅行手配を短時間で捌くような高密度な仕事をしていないので、来店した方との会話が雑談9割になり、2時間、3時間に及ぶ事は多々あります。もともと来店される方も少ないのでそのメリットが充分発揮できるところでもあります。扱っている手配内容も少し専門的なものが多いのでご来店の場合に限らずメールや電話での問い合わせも、手配内容に関する具体的な質問だけでなく、旅全般に関する相談事という場合もあります。

 今も昔も、見知らぬ土地を訪れるとなれば誰しも不安は覚えるものですが、今はインターネットの存在のお陰で心配事の種を”検索”することができる分、”調べてもよく判らないから行ってしまえ”と行動に移せた時代よりはずっと行動に移すのが難しくなっているという面もあるかもしれません。おまけに何か失敗すると”ホレ見たことか!””言わんこっちゃない”と責められるツールが発達している、いわば”全人類監視&イジメ社会”が実現しているので行動には慎重にならざるを得ません。

 そんな中、ここへ来て質問として投げかけられる事の方向性が少し変化してきた面があると感じています。

 以前であれば”○○な場合はどうすれば良いですか?”という質問が中心だったのが”○○な状況にならないためにはどうすれば良いですか?”という方向に変わったという変化。
 
 この2つは似ているようで、結構違います。
 もう少し具体的にするなら....。

 ”雨が降ったらどうすれば良いですか?”VS ”雨に降られないためにどうすれば良いですか?”
 この2つを比べれば大いに違う事がわかると思います。

 前者なら、”雨具を持っていったほうが安心ですね。”とか、”どこか雨宿りできるところを探してみては?”と答えられますが、後者の場合どうでしょう?

 一歩も外に出ない以外、雨に降られない方法はありません。日々暮らしていれば雨が降る日だってあります。

 本当の意味で旅していたら、日常生活で雨に降られるのと同じ位あたりまえに”思いもよらなかったトラブル”に出会います。その代わり、同じくらい”思いもよらなかった素敵な事”とも出会います。

 ”もし雨が降ったら”と思い悩んで閉じこもるべきか否か。それが旅に出るか否かの分岐点。


 旅に出ると心に決めたら、”雨が降るんじゃないかな”と心配するよりも、”雨に降られる”事は当たり前だと覚悟を決めるしかありません。


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