旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

自分の身は自分では守れない

2008年06月21日 | 旅行一般
私は過去、いくつかの治安の悪い国、戦時下にある国、武装民兵が闊歩する町など、少し危険性のある国への渡航経験もありますが、幸いな事にそれほど大きなトラブルには巻き込まれずに帰国することができました。

幸運に恵まれていた面もあるでしょうし、見た目ほど実際の現地は危険では無かったという事も多々ありました。私自身は現地でも比較的のん気にやっていたので、治安の悪い地域などでの旅の方法についてあまり参考になるようなテクニックは無いのですが、どこでもある程度意識して取り組んでいた事があります。

それは、”自分の身を自分で守れるなどと勘違いしない”という事でした。

”海外では自分の身は自分で守れ”などと言う人もいますし、”自己責任”などという言葉もありますが、どんな状況でも自分の身が自分で守れるなどと思っているとしたら、それは世界の現実が見えていないと思います。

なにも渡航延期勧告が出ているような特別な国をイメージする必要はありません。例えば先進国の都市でも、スーパーで買い物をしていて、たまたま強盗現場に居合わせてしまったら、あなたは銃やナイフを手にした犯人に対して自分ので自分の身を守ることができるでしょうか。多分、そんなことは無理でしょう。

同時に、そういった治安の悪い地域や国でも、そこに住む人全員が命を失ったり、犯罪の被害に合ったりするわけでもないという事実もあります。ある程度は地元の人々は危険地帯を良く知っていますし、そういったところには極力近寄らないように暮らしています。

我々旅行者は、こういった地元の人々の知恵を極力吸収し無ければなりません。そこまでは”自分で身を守る”意味でもあり、地元の人に守ってもらう意味でもあります。

例えば、新しい町に到着して宿を決め、宿に入ったら、その宿の従業員に食事ができる場所など、それほど重要性のない情報でも良いからいろいろ聞いてみることです。そうすると、近寄らないほうが良い場所などもついでに教えてくれます。それと同時に、自分の存在をその人に印象付けられます<=これが私が重視していた点です。

一人でも多くの地元の人に自分の存在を印象付けて置く事。そうすれば自分が妙なところにいたり、妙な連中と一緒に行動していたりしたとき、警告してくれる可能性が高まります。

自分の身など、たいていの場合自分では守れません。だから、極力味方を増やしておく事に対してためらう必要はありません。


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