旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

嗜好物

2004年11月24日 | 旅行一般
 アルコールや紅茶、コーヒー、タバコなどの嗜好物というのは人間にとって必要不可欠な栄養素でなく、むしろ毒になるものも多いわけですが、それを承知で摂取するだけに文化に密着している事も多く、様々な国で嗜好物にまつわる思い出というのも旅につき物となりますね。

 数年前、カナダのオフロードファンライドに添乗員として同行した際、シルバートンという小さな町の小さなモーテルのオーナーが“お前は去年も来ていたな。そして、そのときスコッチを飲んでいただろう。”と言われて驚いた事があります。
 
 たいていの場合ビールしか飲んでいない私は実は前年の記憶が薄れていてよく覚えていなかったのですが、荷物を置いてモーテルの1階にあるパブに入った瞬間、その風景を見て前年の記憶がよみがえったのです。そのパブには他の宿泊先ではみた事のないほど豊富な種類のウイスキー類が並んでいて、その中に私がスコットランドに行った際に地元のおじいちゃんたちが“お前、スコットランドに来てビールはねえだろう”と強制的に薦めたスコッチがあったのです。なんとなく懐かしくてそのスコッチを注文した私を1年越しで”スコッチを飲む奴“として覚えていてくれたのです。私が席に着いた瞬間に私のテーブルにはそのスコッチが運ばれてきて”な、思い出したか?これだろ“と。

 私はたいていのモーテルやホテルで、“日本からライダーをカナダのバックカントリーに連れてくるツアーコンダクター”として記憶されているので、“スコッチを飲む奴”として記憶されていたのがなんともおかしく感じたものです。

 さて、つい先日ひょんなきっかけでE&Gを会場としてワインのテイスティング会が開かれることとなり、私も会場提供者として参加させていただきました。11月18日に解禁されたボジョレヌーボーに引っ掛けてその他にもいろいろ味わってみようという企画だったわけです。

 私自身は会場提供者として参加させていただいたものの、ワインに関しての知識はほぼゼロ。もともとそれほど大量にアルコールを摂取できる体質でもなく、“お酒はたしなむ程度”の人間なので、私以外にE&G関係者として、お客様の中でたまたまワインに興味のある方(であることを私が把握している人)、且つ私が簡単に連絡を取ることができた方にも声をかけさせていただいてご参加いただきました。

 当日、会場であるE&Gの事務所に集合した人たちは初対面の人も多く、どういう流れになるのか少し心配でしたが、さすがに共通の知識、話題を持つ人たちの集まりは共通の話題で通じ合うようで、いつの間にかすっかり和やかな雰囲気となり、何も知らない私にも面倒がらずに丁寧に解説していただいたりしながら、あっという間に時間は過ぎていき、帰りの電車時間を心配する事になりました。

 そこで得たワインに関する知識は私の脳の記憶領域の問題で、ここで公表するほどのレベルにはないのですが、ハッキリ言って話を聞いているだけで面白い。

 ただ単に酔っ払うためのアルコールではなく、話題は料理との組み合わせから歴史や地理的条件、気象条件、文化の違いにまで及び、これはアルコール好きならずとも旅人にとっては自分の旅を更に豊かなものにしてくれること間違いなしの知識と直感した次第です。

※この会、次回も行われるようなので、興味のある方はE&Gに“ワイン興味あります”と意思表示しておいていただければ声をかける事ができるかもしれません。※

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