旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

失敗する自由を謳歌する

2018年12月19日 | 旅行一般
 旅していると自分の思い通りにいかない事は毎日発生します。もしかすると入念に下調べしたうえで緻密な計画を立ててその通り行動すれば思い通りにいったと勘違いすることはできますが、それは計画通りいっただけの事であって、思い通りにいったというのとは少し違います。

 スーパーカブで旅するタイ北部の場合、もはや10年ほど続いている企画なので毎度訪れる宿や屋台もある程度の目星がついているのですが、それでも今まで使っていた宿が廃業していたり、レストランが廃業していたりは毎度の事。予約を入れてあるわけではないので空いていない事だってあります。

 宿探しについては私が処理すべき問題なので参加される方にとってはあまり関係ないのですがもう少し細かい事、特に食事については参加する方々も”思い通りにいかない”問題に直面することになります。

 よくわからないまま注文した料理が驚くほど辛い事もありますし、嫌いな”パクチー”がどっさり入っていて困惑されている事もあります。あるいは自分が注文したつもりのものと全く違うものが出てくることもそう珍しい事ではありません。

 人によっては思い通りにいかない事を恐れてて食事に出かける事を敬遠される方もおられます。

 実はこの思い通りにいかない体験は私が現在企画している"”自分を取り戻す旅”シリーズの一つの要素と考えているのです。

 ”旅の恥はかき捨て”という言葉があるように、旅先では思い通りにいかない事は特別な事ではありません。むしろ旅先で問わる能力は思い通りにいかなかった時にいかに次の手を考えるかとか、いかに順応できるかという事だと思うのです。日々の学業や仕事では許されない”失敗する自由”が旅先では許されているという事もできます。

 思い通りいかない事を恐れて入念な下調べをしてからでないと行動できないのは日々の生活で沁みついてしまった習慣。そんな習慣を一度忘れて失敗できる自由を満喫するのも旅の楽しみだと思うのです。

 実際、一緒に旅した人たちと旅行好きの夕べなどで再開した際に話題に出るのは思い通りいかなかったことの”思い出”。空港でのセキュリティチェックでの失敗から始まって、天候の事、ガス欠やパンクなどのトラブル、宿の思い出や食事の事など共に味わった”思い通りいかない”思いと、それを一緒に乗り切ってきた共感などが旅の思い出として深く刻まれていくのだと思います。

 旅先では思い通りいかなくて当たり前。失敗する自由を精いっぱい満喫してみてはいかがでしょうか。


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