玉飛接近

右玉&左玉、ときどき詰将棋

南の右玉(2)

2012年05月19日 | 右玉
第20期銀河戦Eブロック8回戦(2012年2月28日放送)。
対戦相手の金井五段は、連勝賞を受賞したことのある若手実力者。

第1図は△4五歩に▲3七桂とした局面。

金井五段は対右玉のセオリー(「右玉にはミレニアム」)に則った駒組み。
ここから南九段が動きます。

△5五歩▲4五桂△4四角▲5七銀△5六歩▲4六銀△5一飛▲5三歩△5四銀左▲2四歩△同歩▲同飛△3三桂▲同桂成△同角▲3四飛(第2図)

△5一飛と転回させるタイミングが悩ましいですが、△5六歩と取り込んでから回りました。
お互いに駒の損得がない第2図の局面。ここで南流右玉らしい一手が出ます。

△9五歩▲同歩△9七歩▲8八銀△4五歩▲3五銀△4三金▲3三飛成△同金▲9七香△2一飛▲2四歩△2九飛▲9八玉△8五桂打(第3図)

△9五歩と仕掛けるのが南流の一手。『南の右玉』でも端攻めから相手陣を崩す順の解説がありました。
すぐに△4三金とするよりも攻めの足がかりを作る意味でも得です。
飛車角交換に成功し、狙いの継ぎ桂(△8五桂打)を実現させた第3図以降も端を重点的に攻め、108手で南九段が勝ちました。