今回は、「伊万里 染錦 白粉解(おしろいとき)三段重」の紹介です。
これも昭和55年に(今から40年前に)買ったものです。
当時は、一応、古伊万里コレクターを目指していましたので、皿や鉢に限らず、いろんな古伊万里を買い求めていたんです。
特に、ちょっと珍しいもので、「これは何に使ったものなのだろう・・・?」と思うようなものは、個人的には好きではなくとも、優先的に購入していました。これも、そういった類のものですね。
伊万里 染錦 白粉解(おしろいとき)三段重
立面
この三段重は、三段重とは言っても、1番下の段が幅広で、下から2段目と下から3段目は幅が狭くなっている三段重です。全部が等間隔の三段重というのも存在します。
斜め上方から見たところ
下から2段目と3段目を合わせたままにして全体を開けたところ
全部の段を開けたところ
蓋(表)
蓋(裏)
下から2段目と3段目を合わせたままにしたところ
下から2段目と3段目を開けたところ(上面)
下から2段目と3段目を開けたところ(下面)
下から1段目
下から1段目の裏面(底面)
製作年代: 江戸時代後期
サ イ ズ : 蓋径;7.7cm 高さ(蓋共);9.4cm
追記(令和2年9月4日)
「古伊万里再発見」(野田敏雄著 創樹社美術出版 平成2年発行)に依りますと、水を入れる容器としては、別に「白粉解水注」というものがあったようです。
したがって、この白粉解三段重は、水を入れるためには使用しなかったものと思われます。
或る方に依りますと、この三段の役割は、白粉を入れるところ、白粉を水で溶くところ、そして刷毛を入れておくところの役割ではないかとのことです。私も、その見解に賛同するものです。