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Dr.K の日記

日々の出来事を中心に、時々、好きな古伊万里について語ります。

伊万里 色絵 椿・蝶文 蓋付碗

2023年01月17日 15時02分30秒 | 古伊万里

 今回は、「伊万里 色絵 椿・蝶文 蓋付碗」の紹介です。

 これも、一昨日、我が家の近くで行われている骨董市で買ったものです。

 どういうわけか、伊万里の蓋付碗は人気がないんですよね。

 まっ、蓋付碗というものは、いかにも飯茶碗という感じで、あまりにもありふれた形ですし、古さを伴っていても、どうしても骨董品とか古美術品という趣きが感じられず、まさに「食器」という風体だからでしょうか、、、?

 そんな中で、この蓋付碗に描かれた文様は、なかなか秀逸で、一般の蓋付碗には無い、骨董品とか古美術品という風格を漂わせていました(^-^*) そして、この蓋付碗を、「食器」というイメージを超えた存在にしていました(^-^*)

 そんなことから、私も、蓋付碗にはそれほど興味が無いのですが、この蓋付碗に描かれた文様が気に入って買ったわけです。

 是非、その飯茶碗ばなれをした文様を鑑賞してやってください(^-^*)

 

 

伊万里 色絵 椿・蝶文 蓋付碗 

 

立面(正面と仮定)

椿が器面いっぱいに描かれています。

 

 

立面(正面から右に90度回転させた面)

 

 

立面(正面の反対面)

蝶が2頭描かれています。蓋にも同じく2頭描かれています。

 

 

立面(正面から左に90度回転させた面)

 

 

蓋を外したところ

 

 

本体を伏せ、蓋を裏返したところ

 

 

上から見たところ

上の写真の蓋の上部(時計の針の12時の方角)に疵のようなものが見られます。

 

 

蓋にある疵のような部分の拡大写真

ソゲ疵を接着剤のような物で補修したように見えます。

そして、その部分は、経年劣化で黄ばんでいるように見えます。

 

 

 そこで、私が、その部分に水彩絵具で彩色してみました。

 それが次の写真です。

 

 

 その結果を、再度、上から写真で撮ってみました。

 その写真は次のとおりですが、補修以前とあまり変わらないようですね。むしろ、以前よりも目だってしまって逆効果かもしれません(><) まっ、水彩絵具で彩色しただけですから、何時でも元に戻せますけれども、せっかく補修したところですので、当分はこのままにしておきたいと思います(~_~;)

 

 

 

生 産 地 : 肥前・有田

製作年代: 江戸時代後期

サ イ ズ : 口径11.5cm  高さ(蓋共)7.7cm  底径4.5cm  


染付 岩松波文 小皿

2023年01月16日 14時48分37秒 | 古伊万里

 今回は、「染付 岩松波文 小皿」の紹介です。

 昨日、骨董市で、伊万里の染付の小皿を買ったわけですが、それの紹介となります。

 ところで、この小皿には、岩礁に松が生え、その岩礁には強い波が打ち寄せられて波頭をなしているという、ごく普通の日本の海岸に見られるような光景が切り取られたように描かれています。

 

 

 

 これを見て、「随分と陳腐な文様だな~」、「よく古伊万里に描かれる文様だよな~」と思ったところです。

 でも、まっ、「こんな典型的な文様を描いた伊万里は、これまた、典型的な古伊万里と言えるかもしれないな」とも思ったところでもあります。

 それで、珍品というようなものではないけれども、典型的な古伊万里の例と言えるだろうから、そんな観点から、参考品となるだろうと思って買ったわけです。

 そこで、この小皿を紹介するに当り、このような文様の古伊万里を、普通、図録等ではどのような名称で紹介しているのだろうかと思い、「柴田コレククション総目録」で調べてみました。

 そうしましたら、意外なことに、「岩」と「松」と「波」の三つだけの組み合わせの文様のものはないのですね(><)

 「柴田コレククション総目録」の中では、「岩草花文」とか「岩花木文」、或いは「岩松釣人物文」とか「岩松鳥文」というようなものはありますが、「岩」と「松」と「波」の三つだけの組み合わせの文様のものはないのですね(~_~;)

 これは意外でした。もっとも、それ以外の図録等には載っているのかもしれませんが、、、。

 そんなことから、この小皿の名称は、「柴田コレククション総目録」を参考として、「染付 岩松波文 小皿」としました。

 ご覧のように、この小皿には、日本の海岸の何処にでも見られるような、ごくごく普通の光景が描かれています。

 また、裏面も、唐草繋ぎ文となっていて、これまた、ごくごく普通の古伊万里に見られる典型的な文様となっています。

 

 

 

生 産 地 : 肥前・有田

製作年代: 江戸時代中期

サ イ ズ : 口径13.8~14.0cm  底径9.1~9.2cm

 

付記 2022年8月27日に紹介した「染付 松岩波文 小皿」と同手

 

 

 


追 記(令和5年11月29日)

 今、このブログの過去の記事を少々調べていましたら、「あれっ!」という記事を発見しました。

 この記事の前に、既に、これとそっくりな古伊万里を紹介している記事を発見したのです!

 それは、2022年8月27日に紹介した「染付 松岩波文 小皿」に関する記事です!

 この2022年8月27日に紹介した「染付 松岩波文 小皿」を購入した日は2022年8月21日で、ここ2023年1月16日に紹介した「染付 岩松波文 小皿」を購入した日は2023年1月15日ですから、その間、たったの5ヶ月弱なんですよね。

 ところが、ここ2023年1月16日の「染付 岩松波文 小皿」の紹介では、2022年8月27日に紹介した「染付 松岩波文 小皿」のことなど全く忘れて紹介しているんですよね(~_~;) たったの5ヶ月弱しか経過していないのにです、、、(~_~;) その記憶力の低下には愕然としました(><)

 ですので、2022年8月27日に紹介した「染付 松岩波文 小皿」と、ここ2023年1月16日に紹介している「染付 岩松波文 小皿」とは、両者は、非常に似てはいますが、別物であることを付記いたします。


色絵 桐鳳凰文 八角形鉢

2022年12月20日 19時50分13秒 | 古伊万里

 今回は、「色絵 桐鳳凰文 八角形鉢」の紹介です。

 この八角形鉢も、一昨日の「骨董市と古美術品交換会」の記事の中で書きましたように、一昨日の古美術品交換会で落札したものです。

 また、この八角形鉢も、半ば義理買いしたようなもので、これまた特に是非とも欲しいというものでもなかったわけですが、文様の華やかさに惹かれ、ついつい落札してしまったわけです(^_^) ここのところ、急に寒くなってしまい、身も心も凍えて縮こまってきてしまいましたものね。せめて、この華やかな八角形鉢を眺めていれば、少しは身も心も暖まってくるかもしれないと思って落札したわけです(^-^*)

 ところで、この八角形鉢には、「桐の文様」と「鳳凰のような文様」が描かれているわけですが、良く見ますと、「桐の文様」は「桐文」と分かりますが、「鳳凰のような文様」はどうみても「鳳凰文」とは言えませんよね。あまりにも簡略化されてしまっていて、なんとか、無理に、鳳凰が描かれているのかな~と思って見れば鳳凰に見えるという程度の感じですよね(~_~;) でも、「桐」に「鳳凰」はつきもので、「桐」と言えば「鳳凰」を連想しますし、「鳳凰」と言えば「桐」を連想しますので、一応、これは、「桐」と「鳳凰」を描いたものに違いないと思い、この鉢の名称は、一応、「桐鳳凰文」とすることにしました(~_~;)

 ただ、「鳳凰文」がここまで砕けてしまっているのでは、製作年代は江戸中期はないな~、せいぜい江戸後期かな~と思って落札したところです。

 

 

表面

 

 

表面の上半分の拡大

鳳凰は鳳凰には見えません(><)

鳳凰だろうと思って見れば、なんとか鳳凰に見えるというところです。

 

 

表面の右半分の拡大

 

 

 

表面の下半分の拡大

鳳凰は鳳凰には見えません(><)

鳳凰だろうと思って見れば、なんとか鳳凰に見えるというところです。

 

 

表面の左半分の拡大

 

 

側面(その1)

桐と鳳凰が描かれた面

 

 

側面(その2)

亀甲文が描かれた面

 

 

底面(その1)

桐と鳳凰が描かれた面

 

 

底面(その2)

亀甲文が描かれた面

 

 

高台内の銘の部分の拡大

 

 

 なお、前述しましたように、この鉢の製作年代につきましては、江戸後期くらいはあるのかな~、悪くしても幕末くらいはあるのだろうと思って落札したところです。

 幸いなことに、この鉢には銘がありますので、自宅に帰ってからゆっくりと調べようと思ったところでもあります。

 それで、手持ちの資料を引っ張り出して調べてみましたら、同じ銘が載っていました。

 それは、「近現代肥前陶磁銘款集」(平成18年 佐賀県立九州陶磁文化館編集発行)のP.109です。

 次に、その部分を転載いたします。

 

上の109ページの左側部分の拡大

 

 

 この資料によりますと、この鉢は、「明治~大正」にかけて作られたということになりますね。

 ただ、上掲の109ページからは、この銘は「松葉マーク」と言うことと、生産地は「肥前・有田」ということは分かりますが、窯名は不明で、創業年や廃業年も不明となっていますね。

 ということは、この鉢は、幕末の可能性もあるということですね。或いは、江戸後期の可能性もあるということですね。

 私の長い経験から判断しますと、この鉢の製作年代は、江戸後期はあるのかな~、悪くしても幕末はあるのかな~と思えなくもないのですが、それは、私の全くの主観的な判断にすぎませんので、ここでは、一応、「明治~大正」といたします。

 

生 産 地 : 肥前・有田

製作年代: 明治~大正

サ イ ズ : 最大口径19.5cm  高さ8.2cm  底径9.1cm


染付 竹に鶏文 大皿

2022年12月19日 17時20分22秒 | 古伊万里

 今回は、「染付 竹に鶏文 大皿」の紹介です。

 昨日の「骨董市と古美術品交換会」の記事の中で書きましたように、この大皿は、昨日の古美術交換会で落札したものです。

 半ば義理買いのようなもので、特に是非とも欲しいというものでもなかったのですが、大皿に描かれた鶏の元気なイキイキとした姿に惹かれて落札したわけです(^_^)

 ところで、この大皿には、竹に雪が降り積もったところが描かれています。いわゆる「雪持文」というものですね。

 しなやかな竹の枝葉が雪の重みに耐え、やがてはその雪を跳ね返して立ち直る、強力な弾力を有する植物の強い生命力を表現しているわけですね。

 そして、そこに、寒さもなんのその、元気に餌を漁っている鶏が描かれています。

 時、あたかも、冬に突入で、厳寒の候となりました。

 そんな時にこの大皿に出会ったものですから、私も、この大皿に描かれた竹や鶏に負けないように、この冬を元気に乗り越えようと思ったわけです。それで、この大皿を眺めていれば、この大皿に描かれた竹や鶏から元気をもらえるのではないかと考え、落札する気になったわけです(^-^*)

 

 

表面

 

 

表面の鶏部分の拡大

寒さもなんのその、元気に餌をついばんでいます。

 

 

裏面

 

 

生 産 地 : 肥前・有田(大外山・志田窯)

製作年代: 江戸時代後期

サ イ ズ : 口径26.8cm  底径14.5cm


色絵 剣先蓮弁文 猪口

2022年10月18日 15時38分27秒 | 古伊万里

 これも、一昨日の骨董市で買ってきたものです。

 

立面

 

 

剣先蓮弁文部分の拡大

剣先部分には金彩色が施されています。

 

 

底面

 

 

見込み面

 

 

見込み面の底部の拡大

見込み文様として鷺が描かれています。

 

 

 この手の猪口は、骨董市などでもよく見かけますし、図録等にもよく登場する器ですね。

 この猪口には、剣先蓮弁文の上部空間には何の文様も描かれていませんし、また、口縁の内側にも何の文様も描かれていませんが、物によっては、剣先蓮弁文の上部空間には文様を描かないけれども口縁の内側に何らかの文様を描いたり、或いは、剣先蓮弁文の上部空間と口縁の内側の両方に何らかの文様を描いたものなど、幾つかのバリエーションがあるようです。

 また、この手のものは大変に人気が高かったとみえ、江戸時代中期の終り頃から幕末・明治初め頃までの長期間にわたって作り続けられたようです。

 それだけに、その製作年代の特定に苦慮するところではありますが、幸いなことに、この猪口の場合は、見込み文様に鷺が描かれていますので、それを基に、かなりの精度でその製作年代を特定出来そうです。

 「柴田コレクションⅣ」(佐賀県立九州陶磁文化館発行)の巻末に「17世紀末から19世紀中葉の銘款と見込み文様」という論考(鈴田由起夫氏論述)が掲載されていますが、その中の「17世紀末から19世紀中葉の見込み文様」の中に、見込み文様としての鷺文様が登場してくるからです。

 それによりますと、見込み文様としての鷺文様は、1780~1820年代に登場するようです。

「柴田コレクションⅣ」のP.277から転載

 

 このことから考えますと、この猪口は、1780~1820年代(江戸時代中期の終り頃から江戸時代後期の始め頃)に作られたものと思われます。

 

 

生 産 地 : 肥前・有田

製作年代: 1780~1820年代(江戸時代中期の終り頃から江戸時代後期の初め頃)

サ イ ズ : 口径9.9cm  高さ6.6cm  底径5.5cm