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米軍 MkⅡ手榴弾 前編

2008-04-16 23:16:37 | ミリタリーコレクション

手榴弾、と一口に言ってどんな形状を思い浮かべるだろうか?。
一般的にはパイナップル状のものを思い浮かべることが多いと思う。
ここでいきなりレモン型やペースボール型ならまだしも棒状のものや円筒形が出てきたらかなりのマニアだ。
間違いない。

そしてパイナップル型の代表的なものが米軍のMkⅡだ。

これは第一次世界大戦の際にフランス軍のMle1915(防御用破片型)手榴弾を参考に開発された
(一説によれば英軍のミルズNo36との説もある)MkⅠ手榴弾を元に改良した物だ。
画像の物はミリタリーショップ、ファントムで売られている物で
第二次世界大戦後に改良されたタイプのモデル品であるものの、レバーの形状が少々異なる。
(詳しくは後編にて)

第二次大戦中のタイプは安全把(セイフティ・レバー)が1点引っ掛け式(ボウチョン・デザイン)であったが、
安全性に問題があったことから戦後、画像のような2点引っ掛け式(スプリット・トグル)に変更された。
この方式は現在でも世界各国で使われている。
また、鋳造構造のボディ(弾体)は鉄を鋳造して作られており、
1942年までは底部に空いた穴を大型のマイナスネジで塞いでいた。
このボディの製造方法変更とともに底部のマイナスネジは廃止され、
同時に炸薬の変更が行なわれた。
当初は無煙火薬を充填していたのが、1943年からはTNT爆薬に変更されたわけだ。
そのため、炸薬の識別のためにTNT充填品は全体を黄色で塗装することとなったが、
やたら目立つために直ぐに全体をOD色で塗装するように指示がなされた。
が、やはり中身の識別ができないのは困るということで上部に黄色のペイントをすることで落ち着いた。

なお、この「パイナップル」デザインは濡れていたり、泥が付着していても滑らないように考えられたもので、
破片の生成には寄与しない。
そのため、破片の大きさがまちまちで、飛距離もまちまちだったことが後のM26手榴弾開発のきっかけとなったとされている。
また、ボディにある「RFX.」の文字は製造メーカーの印であり、訓練弾にのみ入るモールドであるという。

MKⅡ手榴弾後期型(MK2)の諸元を以下に記す。
・型式名称:MK2
・弾体素材:鋳鉄
・重量:21オンス(約600グラム)
・炸薬:TNT(トリニトロトルオール)
・炸薬重量:2オンス(約57グラム)
・信管:M204A1(M204A2)
・信管遅延時間:4~5秒
・殺傷半径:10メートル
・塗装:OD色 上部に高性能爆薬を示す黄色の帯あり

※この手榴弾はベトナム戦争でも在庫が無くなるまで使用された。
 実際に当時の写真でもこの事が確認できる。


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