「困った時はお互い様」    

NPO法人「ドネーションシップわかちあい」事務局ブログです

リターコンゴからのメッセージ

2020-06-26 05:22:50 | ドネーションシップ
※6/16 寄付(わかちあい)↓させていただいた
https://blog.goo.ne.jp/donationship/e/0bfbdb4d15055267123b6eb77e796fc9

NPO法人RITA-Congo(リターコンゴ)からメッセージをいただきました
紹介させていただきます

メッセージ

この度は多額のご寄付をいただき、ありがとうございます。入金を確認しました。
コンゴ民主共和国の南キヴ州では60名を超える新型コロナウイルス感染者が確認されており、今後のさらなる感染拡大が懸念されています。
ムクウェゲ医師は、南キヴ州ブカブのパンジ病院で、新型コロナウイルスの感染症対策と紛争下での性暴力被害者の治療の両方に奮闘しています。
ですが、感染症対策にともなう国境閉鎖や検査体制の不備によって、苦闘を強いられているとうかがっています。
RITA-Congoのもとには、医療用/一般用マスク、医療用手袋、赤外線体温計、消毒薬、検査機などが深刻に不足しているというSOSがムクウェゲ医師から届きましたため、日本からこれらの物資をパンジ病院に順次届けてきました。

今回いただきましたご寄付は、こうした物資支援など、ムクウェゲ医師の要望に応じた活動に活用させていただきます。

ご支援に心より感謝申し上げます。
時節柄、どうぞご自愛ください。

NPO法人RITA-Congo 共同代表 米川正子&華井和代
(旧コンゴの性暴力と紛争を考える会:ASVCC)


*******************************
※事務局より
リターコンゴの リタは「利他」です
今回ドネから寄付、わかちあいを届けることができてよかったです
皆様の会費や寄付のおかげです
ありがとうございました!

アフリカでコロナが広がっているというニュースもあります
アフリカ、コンゴで何が起っているのか
寄付先の現場のこと、女性たちの現実
今後も情報やニュースレターなどがあれば送ってもらうようにお願いしました
何かあればまた皆様に紹介させてもらいます

以下はBさんが会議に合わせて書いて下さいました
皆さん読んで下さい


◆産婦人科医ムクウェゲ氏(2018年ノーベル平和賞受賞)とパンジ病院 

ムクウェゲ氏が活動するアフリカ中部に位置するコンゴ民主共和国。
遠いコンゴで今何が起こっているのか、私たちと全く関係ないとは言い難いことが起こっています。

人口は7,800万人、面積は西ヨーロッパに匹敵。鉱物資源が豊富。金、ダイヤモンド、銅のほかに、電化製品に欠かせないタンタル、スズ、タングステンなどを産出。
リチウムイオン電池に使用されるコバルトは世界生産量の50%以上、レアメタルと言われる希少金属は全世界の80%を占め、私たちが使用している携帯などに広く使用されています。
豊かであるかのように見えるこの国ですが、2年連続で避難民の数は世界第一。中東のシリアやイエメンなどの国々よりももっとひどい状況です。

2017年には一日平均5,500人、合計170万人もの人々が家を捨てざるを得ず、1998年から2007年の間には540万人以上の死者を出しており、これは1950年代の朝鮮戦争以来世界最大となります。132もの武装勢力に国軍も加わり、希少な資源を巡る紛争が絶えず、暴力が蔓延、人道的危機に瀕しています。

紛争地帯では女性の3人のうち2人が性暴力を受け、赤ちゃんから90歳の女性まで、言葉では言い表せないほどの酷い被害を受け、それも一度の手術では到底完治するような被害ではなく一人の女性に何度も何度も手術を施さなければならない、女性にとって「世界で最悪の地」と言われています。また女性だけでなく、時には男性にまで性的被害が及んでいます。

兵士らは住民を支配する手段として日常的にレイプを繰り返し、それもただのレイプではなく何人もの男にレイプされた挙句、性器を銃で撃たれて膀胱と直腸まで破壊、妊娠しているお腹の赤ん坊までナイフで突き刺すなどです。性器を銃で打ち抜く。これはもうテロです。単なるレイプではなく組織的集団による性的テロが日常的に繰り返されているのです。

この組織的集団による性的テロの目的は、性的欲求ではなくて、希少な鉱物資源を得るために村人たちを恐怖に陥れ、家族や村やコミュニティーを破壊、性暴力によって全てを支配することが目的なのです。100を超える武装勢力や国軍までもが組織的に女性に激しい性暴力を加え、被害者だけでなく鉱山周辺の住民に恐怖を植え付け支配し、不法に希少金属を取得、それを元に兵器を手に入れ、また新たに勢力争いを引き起こしている現状です。

私たちが使用しているパソコンや携帯電話などのコンデンサー(蓄電器)に使われる希少金属タンタルなどの「紛争鉱物」が、このコンゴの酷い性暴力被害につながっているのです。

普段何気なくこれらの便利さと豊かさを享受している私たちです。
女性にとって「世界で最悪の地」コンゴでのこれらの出来事。
この二つの間には、「金さえ儲かれば」という欲望と争いが世界中に果てしなくはびこり、日本に暮らす私たちと全く無関係だとは言いきれません。

ムクウェゲ氏は1999年にバンジ病院を設立、4万人以上の性暴力被害者を治療。
治療だけでなく被害を受けた女性たちが精神的にも回復し自立できるよう教育を行っています。夫や子供たちの目の前で犯され、家族や周囲の人々からも見放され忌み嫌われ、それも幼い赤ちゃんから90才の老いた女性までです。中には誰の子かわからない子を宿し、自らも腹の子も認められず悩み苦しんでいる女性たち。体だけでなく心に深い傷を負い、自らを蔑み居場所を失った女性たちをです。

彼女たちはムクウェゲ氏のパンジ病院で、治療と心の癒しを得、長い時間をかけて「自分との和解」を獲得。自分は愛されるべき存在だと自らの存在を認め立ち上がっていきます。辛苦を乗り越えることができた女性たちは、誰よりも他者を思いやることができる強い女性へと成長。自分の力で逞しく生き、村に帰ってもリーダーシップを発揮しだすそうです。

傷ついた思いから立ち上がった者は他者を思いやる心が厚く、まさに「傷は美の糧」となります。
理不尽にもふりかかった筆舌しがたい苦難を乗り越え、再び自信を取り戻し、自らを大切に思い、被った辛苦が故に獲得した優しさと強さを礎に、力強く再び歩みだす彼女たち。

そんな彼女たちを少しでも応援したいと思います。

ところでこのムクウェゲ氏は日本語の「利他」という言葉が大好きで、コンゴにも同様の言葉があるそうですよ。


※再掲します
◆ムクウェゲ医師からの日本へのメッセージ
↓↓↓

世界のほとんどの国が今回のパンデミックに見舞われたとしても、ウィルスへの対応力は明らかに異なります。ウィルスによる被害に遭っても、保険システムが確立し、医療設備が整い、国家が組織化され、国民が健康でいる国は、この危機から拙速に復興するでしょう。反対に、医療設備がほとんどなく、危機的状況にある国、社会から取り残された国民を持つ国は、より一層苦しむでしょう。

パンデミックにより、南北の分断が起こるかもしれません。設備の整った富める国々と、設備が少なくパンデミックに晒された貧しい国々、という状況に陥るかもしれません。
共に窮地から脱するためには、富める国、そうではない国が、団結しなくてはなりません。
コンゴ民主共和国のような国を放っておいたら、この感染症は、人類全体にとって危険なものとなるかもしれません。
国際社会から取り残された国々は、潰瘍や感染病巣のようなものになるかもしれません。そこから新しいウィルス感染が全世界でまた始まるかもしれないのです。

持続可能であるために、私たちの力を合わせましょう。団結しましょう。このパンデミックで、私たちは良きにつけ悪しきにつけ、ひとつとなっているのですから。
パンデミックの後、世界はもうこれまでと同じではなくなるでしょう。私たちのシステムの脆弱性がわかったのです。今後は、人を中心とした、より団結したシステムを構築する必要があるでしょう。

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