「困った時はお互い様」    

NPO法人「ドネーションシップわかちあい」事務局ブログです

ミンダナオ子ども図書館・松居友さんのお話-3

2011-10-30 18:03:41 | ドネーションシップ
※今年6月、ドネが「わかちあい」(寄付)させていただいた、
ミンダナオ子ども図書館↓松居友さんのお話のレポートです。
http://home.att.ne.jp/grape/MindanaoCL/

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◆ミンダナオ子ども図書館
 松居友さんの話(2011・10・8) <報告>-3

◆ミンダナオのこと日本のこと
・作られた貧困。戦争を作って、仕組まれて、先住民は自給自足してた土地から追いやられて、移民系の有力者がそこの土地を自分達の利益に使う。
プランテーションでいうと海外との関係、、イスラム自治区の問題で言うと石油資源、
外国がミンダナオに関心を持たなければ、イスラムも先住民も平和でやっていた。
・先進国になってしまうと自分達の生活を維持するために資源は必要ですし、自国にそれが無いと他国からとなるし、どうしたらいいんでしょうね、

・どっか一か所だけがもうかるのでなく、シェアリング(分かちあい)みんながそこそこ生活できることが大切。格差があるとどうしようもない。フィリピンでは1%のお金持ちが力を持っている。
・お互い分かちあって助け合いを、逆に貧しい人がそれができる、壁を作らないから。
貧しい家に壁は無い、ミンダナオでは竹の小屋だから、家は寝るだけ、個室なんかなくて。水道があるわけで無いから、井戸に水汲みに行って、日常生活で人が集まる場所がある、家に閉じこもっていない。

ミンダナオでは昔話が生きている、みんながインカント(妖精)がいると心から信じている、大人でも昔話をする時は、外にいるインカントが家に入ってくるのを本気で恐れて戸を全部閉めてからするという。人間と人間でないものとの間に壁が無いのだ。
・昔、日本にも、家と公共の場との中間(巷)があった、壁のない状況の中で生活していた、家との間には縁台があって、生垣があって、今のように塀でしっかり囲われてなかった。人と人との行き来があった。
・日本に帰ってくると寂しい、外には子どもも大人もいない、みんな各々の所に閉じ込められている、
子どもは保育所に、そこに鍵がかかっている、お昼もそこで食べる、お兄ちゃんお姉ちゃんは学校や児童館に、お年寄りは老人施設に、コミュニティはどこにあるの?と聞いたら、コミュニティセンターにある、と笑い話のような。全てが壁の中、中間(人と人とをつなぐ場)が無い。
・日本では、孤独感ばかり、TVでもつけないと居られない、リラックスすると落ち込む、どうやって逃げ出すかと言うと仕事しなくちゃ、で仕事する、でも一人になると孤独、
ミンダナオでは没頭して仕事をしてると、孤独ではないかと心配される。

・ミンダナオと日本とでは時間の流れが違う、
日本では人への気遣いだったり規則だったり。
ミンダナオでは、その人の気持ちの流れ、心の流れで時間が動いていく、気持ちが動いた時に時が動くと言うのだろう、時計が無いから、とも言えるか?
・ミンダナオでは、リラックスして、何もかも捨てて、心が静かになった時、温かいものが入ってくる。時の流れがちがう。ミンダナオに、2週間いると分かる(2~3日では短い)、そこに動いている時の流れ無限の時の流れ。2週間というのは一瞬であると同時に無限と同じと。
ミンダナオでは、人は助け合って生きているから、明るさを失わない、
MCLは生きる喜びを与えられる素晴らしい仕事です。


◆これから
・寄付についてだけど、無着成恭、(松居さんの小学校の担任、禅宗の僧侶、教育者)さんの言葉によると、「してあげるのでなく、させていただくのである」
どちらかと言うとキリスト教的寄付は助けてあげる、やってあげる、と言う感じがするが、これと比べると仏教のは喜捨(喜んで捨てる)布施(布施をする方が喜んで差し出す、人を救うのでなく自分が救われる)
・最初MCLの日本人スタッフは私一人だけでした。始めの5年間は訪問者はいなかった。最近は年20人くらい訪問者があります。スタディツァーや接待はしませんが、常に外に向かって活動しているので、こられたら一緒に参加してください。子どもたちはお客様がこられたからと言って変わりません、子どもたちは自然のままです、子どもの方から飛び込んできます。

・今年から松居陽さん(松居さんの御子息)が加わって世界にMCLの情報発信をしていこうとしています。来年4月には初の日本人スタッフが誕生する予定です。(今一橋大学の学生でMCLが好きで薄給でもいいからと、来てくれます)。
・スタッフは全員給料一律です。安月給(最低賃金のレベル)です。でも年金と健康保険があります。スタッフの病気は治療するし、スタッフの子供はMCLに入れます。敷地内なら家を建てる補助をするし、将来安定して子どもを育てられます。
・松居さんは日本で物を書いてちょっと収入があるのです、でもフィリピンでは殆どお金は使わないので、それをためて土地や家を買っています。松居さん自身は完全無給ボランティアです。

・お米が8年前の2倍に値上がりました。100人近いMCLの人の食事と炊き出し用のお米を確保するため、300万円くらいで9haの田を購入しました。お米は2.5期作なので割とよくできます。子どもたちが(籾を干したり)みんなでしていますが、スタッフには歩合制で支払い、子ども達の親には手伝って貰って賃金を払います。大学生の下宿代も値上がりしてきたので、思い切って土地を買って家を建てて子どもたちが下宿できるようにしました。予防策を立てていこうと思います。

・フィリピンの人はそんなに食べ物が無くても冬が無いから餓死はしません。カサバ芋と野生に近いバナナがあって、その二つはかなり乾燥しててもできるので何とかなります。ただ、換金作物が山岳地帯でもう少しできるようになればいいと思います。
・(フィリピンは戦前の日本のように大土地所有みたいになっているけど、フィリピンの事情を考えると、)、部族社会の様な(酋長がいる)大土地所有をして、みんなで分かち合うコミュニティ(みんなと一緒に、たくさんの人たちが分かちあって、皆が食べ物を保証されるコミュニティ)を実験的にしようとしてるのです。(フィリピンでは食事も部屋も違う形態が普通ですが、格差社会のそれが嫌で嫌で)、MCLでは食事も住むところもみんな一緒、それを徹底しています。


《感想》
松居さんは楽しそうに話して下さいました。子ども達の事を語るときは本当にうれしそう。ミンダナオ子ども図書館の活動は多岐に渡っていてお忙しいのに、そんなこと感じさせない語り口調でした。。松居さん自身は壁を作らない方なのだなと思います、ドネの理念をお聞きしているような感じでした。
映像では、本当にかわいい子供達の生き生きと輝いている笑顔と、美しいミンダナオの風景と、戦禍に逃げる人たち、疲れきって無表情な子ども達、何度も繰り返される戦闘、洪水、MCLの様子、僻村の人たち、風景などがたくさん映し出されました。

ドネの寄付が緊急の洪水支援で現地の人たちに配られたビニールシートが使われてる様子も見せていただきました。毎年一人1万円の寄付が困ってる人の役に立っている事が見えて、本当にありがたくてうれしかったです。
子どもたちが好きだから、子どもたちが素晴らしいから、・・、困っていると聞いたら何とかしなくっちゃ、行かなくっちゃ・・・、まず気持ちがあって、それから物事はついてくる、と言うのか、こんなすごいことを当たり前のように肩をはらずにされている。

松居さんは、スカラーやMCLの子どもたちが映像に出てくると「うちの子」と言われます。松居さんにとって子どもたちはわが子なのだと思います。お話の中でも、40年敵対していた村同士が子ども達の小学校建設の為という思いで協力することができ仲直りすることができたと言われてました。
日本でも福島原発で被災した子供たちを救いたくて沢山の大人たちが協力してサマーキャンプを催していました。子ども達の笑顔の為なら(子どもたちが人々にとっての未来だから)大人たちは何でもできるのだと思います。
子どもたちが好きだから、困った人がいるから行かなくっちゃ、・・、誰かのことを思って素直に行動すれば、分かちあい助け合いが当たり前になっていく。松居さんはそれを実践されてるのだと思いました。誰もがそうできたら、皆が安心して暮らせる世の中になる、松居さんのお話を聞いてそれも夢ではないように思えてきました。

「皆さんもぜひいらして子どもたちの笑顔に会ってください、大きな喜びと生きる勇気を与えてもらえますよ、」と、松居さん。いつか行ってそこを訪れて、ミンダナオの時の流れや子ども達との出会いがかなったらいいなと思いました。
「何を持って行ったらいいですか?」とお聞きすると、「ふりかけを持ってきてください、食事は御飯とちょっとしたおかずなのでご飯にかけて食べるとおいしいので、子ども達が喜びます」と。いつかふりかけを持ってミンダナオへ行きたいです。
今回もまた、松居友さんという素晴らしい方のお話を聞き感謝です。(終わり)


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(ミンダナオ子ども図書館のHPより)

貧しいからといって、必ずしも不幸とは限らない
私たちの生活の方が、豊かな国の人々の生活よりも
はるかに美しいと感じるときだってある。
けれども、どうにもならないのが、
お金が無くて学校に行けないときと
病気になっても病院に行けないとき・・・


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ミンダナオ子ども図書館では就学支援をしています。
里親、就学支援をお願いします!!!
郵便振替口座 00100-0-18057
口座名 ミンダナオ子ども図書館

詳しくはこちら↓をご覧下さい
http://home.att.ne.jp/grape/MindanaoCL/MCLpanf1.pdf-s.pdf
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※時間の流れが違う、、という話がとても印象に残っています。
せかせかして焦っている自分の日常が恥ずかしくなったような。。
照らされたような気がしました。

ゆっくり、ゆっくり、、絶えることなく、
つながっていきたいと思います。

松居さん、ドネのために時間をとってくださって、
本当にありがとうございました。(さき)


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