ドミンゴ(土民子)のわくわくランド

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味覚の形成と旅の味・・その1

2007-08-25 | Weblog
生まれたての赤ちゃんは味覚が空白であるという。生れて初めて味わうのは母親のおっぱいである。おっぱいには特別な味はない。離乳食から初めて味という記憶が脳みそ刻まれて幼年時にはお袋の味が形成されると言う。食育が重要視されるのはこのためである。
さて、私にとってお袋の味は定着していない。何故ならお袋は農家の嫁さんでベゴと同じで朝から晩まで働き尽くめ、料理は専ら祖母の仕事である。故にお袋の味より祖母の味が記憶装置に刻まれている。祖母の漬物は天下一品素材の種類と量によって手塩に掛けて素材の旨さを引き出していた。
祖母が亡くなってからお袋の漬物は今ひとつ無理もない。基本を教えて貰っていないので攻めることは出来ない。美味しいと言葉で言うが箸が進まない。

こうして味覚は育った環境によって変わってくる。共稼ぎを理由に出来合いものを買って子どもに食べさせるなどコンビニア母さんに味を委ねている。子供がおかしくなるのは当然の帰結である。幸い我々夫婦も共稼ぎであったが外食を控えて必ず手作りの料理を子供に食べさせた。今でも子供達はお袋の料理は一番と思っているようだ。これは親子の絆を結ぶ強力な糸であろう。
しかし、私は新しいパートナーと一緒になったらお袋自慢をするなと釘を刺している。文化や育ちが異なる人に強要しては破局することは必死である。極端な料理を作らなければ海外の味覚を味わい好きになれば食を通じて視野が広まるからと考えている。和食の好きな女房は婿さんの故郷の料理にはまっている。アメリカに行っても好き嫌いなく何でも味わい、帰国してからも新しい料理に挑戦している。

私は30年以上日本全国を仕事で旅をした。北海道から沖縄の離島まで!各地ではその土地でしか食べれないものを町の赤提灯によって味わった。魚は北海道が一番、八角と呼ばれる魚の刺身と焼き魚が印象に残っている。多く獲れる魚でないので内地ではお目にかかれない。青森はイかそうめん、秋田では稲庭うどんときりたんぽ鍋、新潟のではズワイガニや串にぐるぐる巻いたうなぎもどきの燻製、岩手では三陸の新鮮な魚介類、宮城では形の崩れたフカヒレスープや剥きたての牡蠣や牡鹿半島で取れたクジラの刺身など数限りない。しかも全てが自腹を切って味わったった。長野では蜂の子飯や野うさぎやイノシシ、もちろん戸隠そばも忘れてはならない。山梨では果物三昧、放蕩も隠れた美味しさである。栃木では鮎の塩焼き頭からかぶりつく。鮎の内臓の塩辛も隠れた一品。めったに口に入らない。茨城では冬の味覚鮟鱇鍋とあんきも海のフォアグラ、千葉では濱口のサシミ(これは喰えない)、ながらみと呼ばれる巻貝、爪楊枝で引っ張り出して食する。神奈川でサザエさんやカワハギの刺身の肝あえ、蝦蛄のボイル。

書いていると段々疲れてきた。主に記憶に残っている美味しいもの福井の大野市では腸に着いたアブラを落とさないホルモンヤキ癖になる。お土産に3重に梱包してして飛行機に乗り込んだ。「お客様言いにおいしますね」客室乗務員の言葉思わずお前は銀バエか問いたくなる。地元で味わうのが一番である。四国では讃岐うどん
垂れの中でうどんが大暴れ、連絡船の甲板で海風を調味料に味わうのも一興である。下関ではふぐのフルコースこれはゴッチである。佐賀ではもう少しで三途の川をわたる経験をしたシェフのフルコース最後はふぐ散り鍋でご飯が踊っていた。

福岡では鳥の水炊き何にも言うな!熊本では馬刺しの最上、上、並と白い脂身の食べ比べ、寿司にも由マグロのトロのようである。南下して沖縄ブタのラフティ声以外は全てを食した。好き嫌いがあるが豆腐用はトウフを醗酵させチーズ状にしたもの庶民の口には合わない。私のように尚一族の流れを汲む人の食べ物である。値段を聞いてビックリする人は退場である。

かように私は雑食性の味覚の持ち主のようであるなお、福井にはヘシコ鯖と呼ばれる糠床に3年寝かした珍味もある。薄くきって炙りお茶漬けの共にしたら二日酔いはストンで行くだろう。今回は国内のダイジェストをお届けしましたが次回はその2として海外の味覚をお届けします。名称等間違いがありましたらコメントを下され!食事制限がこんな記事に化けました。あしからず。

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