読書感想文

ただただ読書記録。

となりのウチナーンチュ

2008-07-19 21:03:09 | 読書感想文
となりのウチナーンチュ
早見裕司
理論社 2008


この場所に住んでいるから、彼らはこんな人柄を持つようになったのだろうか。
それとも、こんな人柄を持つ彼らだからこそ、ここに住んでいるのだろうか。

そんな人柄をもつ人間じゃないと、とても住めないということなのかもしれない。

台風も無茶苦茶くるし。

台風をバカにしちゃいかんよ、台風を。
自然の力をバカにする奴は、ろくな目にあわない。

と、それなりに強い台風が良くやってくる福岡人は思うのでした。




「うち、音痴でしょ」
「ううん、だって――」
「自分でも知ってるよ。だけどカラオケなんだから、自分で楽しかったら、それでいいんじゃない? 無理に聴かなくてもいいんだし」


関連リンク
Wikipedia 早見裕司

風の館の物語 2

2008-07-19 20:50:46 | 読書感想文
風の館の物語 2
あさのあつこ:作 百瀬ヨシユキ:絵
講談社 2007 講談社文学の扉


自分の目が見たものを信じることができる力。
信じる人の目が見たものを、例え自分は見えなくとも、信じることができる力。

より、大きな力はどちらなのだろう。




千夏は笑ったりしない。うそじゃなく、ごまかしじゃなく、はぐらかす言葉でないなら、ちゃんと本気で聞いてくれる。よく、わかっている。


関連リンク
Wikipedia あさのあつこ
はてなキーワード 百瀬ヨシユキ

過去の感想文
風の館の物語 1

チボー家の人々 4 美しい季節 II

2008-07-19 20:39:53 | 読書感想文
チボー家の人々 4 美しい季節 II
ロジェ・マルタン・デュ・ガール:著 山内義雄:訳
白水社 1984 白水uブックス


それぞれの形。
それぞれの表現。

人が違えば、形が違う、それぞれの恋愛。


しかし…なんにしても、一筋縄ではいかないのが恋愛なのか。




「ちがう! ちがう! そうじゃないの! そうじゃないってば!」


関連リンク
Wikipedia ロジェ・マルタン・デュ・ガール
Wikipedia 山内義雄

過去の感想文
チボー家の人々 1 灰色のノート
チボー家の人々 2 少年園
チボー家の人々 3 美しい季節 I

No.6 #2

2008-07-19 20:28:04 | 読書感想文
No.6 #2
あさのあつこ
講談社 2004 YA!ENTERTAINMENT


読んでる途中はあまり気にならないんだけど…。

後から読み返すと、これ、いわゆる「中二病」全開の台詞回しだよね。
設定も含めて、そんな感じがムンムンしています。

でも、それがいいのかもしれない。

主人公たちの、その若さを存分に味わえる作品。




 西ブロックと聞いておぼろに浮かんでくる姿があった。何て名前だっけ、確かラッチセルの……いい人だった。それは覚えている。あの人なら……でも……。


関連リンク
Wikipedia あさのあつこ

過去の感想文
No6 #1

黒魔女さんが通る!! ――チョコ,デビューするの巻――

2008-07-19 20:08:41 | 読書感想文
黒魔女さんが通る!! ――チョコ,デビューするの巻――
石崎洋司:作 藤田香:絵
講談社 2005 青い鳥文庫


相変わらず、中高学年の女の子たちからの評判の高い、黒魔女さんを読んでみました。

なるほど…。
確かにこれは人気になるだろうなぁ。

ビュジュアル、設定、読みやすさ。
女の子たちの好きそうな要素満載です。

…なんだか、大きなお兄さんたちも好きそうだけどね。


しかし…いくらなんでも、「エロエース」ってあだ名はかわいそうだと思うんだ。




自称「熱血イケメン教師」ときたら……


関連リンク
はてなダイアリーキーワード 石崎洋司
藤田香 Fs5.

Sweet Blue Age

2008-07-19 19:52:16 | 読書感想文
Sweet Blue Age
有川浩、角田光代、坂木司、桜庭一樹、日向蓬、三羽省吾、森見登美彦
角川書店 2006


桜庭一樹の「辻斬りのように」を先に読んでいたからかもしれないのですが、どのお話も、どこか、プロローグ的雰囲気のするお話ばかりに感じました。

なにか、ここから物語が始まる…という感じのお話が多く、「あれっ?続きは?」と思うこともしばしば。


その感覚は、あながち間違いでもなかったようで…。
「辻斬りのように」のほかにも、有川浩の「クジラの彼」は、他の作品からのスピンオフだそうですし、森見登美彦の「夜は短し歩けよ乙女」は、同名作品の第一章らしい。

そのうち、これらの作品も読んでみないとなぁ。




「おともだちパンチ」を御存知であろうか。


関連リンク
Wikipedia
有川浩
角田光代
坂木司
桜庭一樹
三羽省吾
森見登美彦

過去の感想文
少女七竈と七人の可愛そうな大人

おじさんのかさ

2008-07-19 19:13:58 | 読書感想文
おじさんのかさ
佐野洋子:作・絵
講談社 1992


幸せなのはどちらだろう。

大切にされながらも、雨に濡れ、そのうち寿命を迎え壊れてしまう傘と、
いつまでもいつまでも、雨に濡れることもなく、大事に懐に抱えられて一生を過ごす傘。

傘にとって、幸せなのはどちらだろう。




りっぱなかさは,りっぱに ぬれていました。


関連リンク
Wikipedia 佐野洋子

桜庭一樹読書日記 少年になり、本を買うのだ。

2008-07-06 21:23:48 | 読書感想文
桜庭一樹読書日記 少年になり、本を買うのだ。
桜庭一樹
東京創元社 2007


フヒヒヒヒ。
思わず変な笑いが出てしまいます。

うわ、ほんと私、本を知らないな。
紛いなりにも司書ですよ、私。
この本に紹介されている本の、ほとんどを読んだことないばかりか、まったく知らないってどういうことですか。

思わず嬉しくなってしまいます。

なんででしょうね。
こう知らない本について、とても楽しそうに語られているのを見ると、とてもワクワクしてしまうのです。

読んでみたい、というのはもちろん、私もこんなふうに、本について語ってみたい。
そう思います。


大体、私、司書なのに、本について語れなさすぎなのです。
一番苦手な質問が、「最近面白かった本ってなに?」とか、「面白い本ない?」というのはどういうことだ。

もちろん、私にとって面白い本、面白かった本は沢山あるのですが、それについて、パッと、そして熱く語っていくことがまだまだできないのです。

1冊1冊の本についての知識、そして愛情、読み込み度が足りないのかなぁ。

湯水のように本を垂れ流しで読んでいる私ですが、湯水のように流しすぎて、一冊一冊について、軽く流してしまっているのかもしれません。

それを少しでも防ぐために、この読書感想文を書いているのですけどね…。


それにしても、桜庭さんはあまり図書館は使わないようです。
買えるものはどんどん買うタイプらしい。

しかし…そんなに買って、一体どこに保管されているのだろう。




生誕百年なのに! ジョンしっかり、と駆け寄ってみる。ちゃんと本棚のいいところに移動させてみる。ここにいてください。はぁぁ。


関連リンク
Wikipedia 桜庭一樹

少女七竈と七人の可愛そうな大人

2008-07-06 21:02:57 | 読書感想文
少女七竈と七人の可愛そうな大人
桜庭一樹
角川書店 2006


今更何を気にするのだ、「特別」なるかんばせを持つものよ。

そのかんばせが、本当に「特別」なものであるのならば、そんなことはとっくの昔の周知の事実となっているだろう。

今更、何を気にすることがあるというのだ。

暗黙の事実が、公然の事実になる。
それがなんだというのだ。


面倒な人間たちよ、それがなんだというのだ。




男たちには、自分のこどもがどこにいるか知るすべはない。おれだってそうだろう。でも、匂いを嗅げばわかるはずだ。


関連リンク
Wikipedia 桜庭一樹

チュウガクセイのキモチ

2008-07-06 17:04:14 | 読書感想文
チュウガクセイのキモチ
あさのあつこ
小学館 2008


対談をした中学生の、高校生になったあとのメールに、対談で話した内容のこと、それどころか、対談自体のことすら、ほとんど触れていないことに、中学生、高校生にとっての時間の感覚が垣間見れるような気がします。

高校進学という一大イベントを終わらせた彼らにとって、それより前の対談のことなんて、もう遥か昔に過ぎ去ったできごとなのでしょう。


なんと密度の高い時間を送っているんだろう。




まさに十代特有の天翔けるような変化を具現していたのです。


関連リンク
Wikipedia あさのあつこ