実を言うと、受けなかったテストが2つある。単位はとった。
勿論、全く何も無しで単位がとれたわけではない。一つはグループレポート、もう一つは個別レポートを書いて試験は受けなかった。
何が起きたのかというと、一つの課目は外国人が持ち前の押しの強さと白人コンプレックスを利用して教授にレポートでOKにしてくれと迫ったのであった。
清華大学MBAには「交換留学制度」なるものがあり、NY大学やら、ペパーダイン大、サンダーバード大学やら、フランス、スエーデン、カナダ、シンガポール、タイ、韓国、イギリス、果てはチリ、アルゼンチンの有力ビジネススクールと提携していて、お互いに1学期ずつ生徒を受け入れあいましょうというシステムになっている(何故かMITは包括契約相手なのだが、入っていない)。
2年、4学期の中で3学期目にクラスの2/3は海外へ散ってゆく。その代わりに世界各国から生徒がやってきて、一緒に授業を受けるのである。「中国語ばっちし」みたいな奴は華僑を除いてほぼ居ないので、必然的に少ない英語の授業でいつも顔ぶれが一緒になる。
そうなると中国語出来ない、住むところも大体一緒、授業も一緒、白人、英語べらべら、遊び好き、陽気ということで結束するのだ。
ではその一つの課目に話しを戻そう。
老師はマーケティングで新進気鋭の女性老師。コンサルティングの経験が豊富で、ハイアールやら何らやのコンサルティングで中国を飛び回っている。そんな老師が清華大学出身で貿易会社を立ち上げたが、将来が不安という人とつながっていて、中国に興味があってわけわからん国にわざわざやって来た外国人と交流してもらい、外国人の観点から何か言わせてみようという企画が持ち上がった。
しかし、運悪くそれがテストの日であった。授業の内容と試験の範囲が全く違うという異例のテストである中外国人は猛反発。しかし中国企業を見てみたいという好奇心も旺盛。しかも老師が「会社見学は義務だ」と授業中に言ったが、後でテスト日と重なることがわかり、ネット上で「興味がある人だけ」と言い換えていた。
しかし外国人はそんな告知をする掲示板のありかなど知るわけがない。ということで当日集まったのは外国人と俺だけ。俺は中国人クラスメートも来てるだろう、テストの情報を聞かせてもらおうという魂胆で行ったのだが、交換留学生20名以外の学生は俺一人であった。皆試験勉強中なのであった。俺も勉強してから望んだのだが、さっぱり解らず、焦っていた。
ということでタクシーに分乗して会社に到着、会社の総経理始め会議参加者はほぼ全員英語が出来たので、セオリーに従ってビジョン、ミッション、戦略等ヒアリングして、ぎゃんぎゃんああでもないこうでもないと意見交換をした。これはこれで面白かった。
「取り扱い品目にコンペティターがでてきたので、多様化すべきか、あえてその製品で立ち向かうべきかを迷っている、でも資金がそんなに無い、将来はコンペティターも増加してくる」という状況の会社だった。最後には会社としてどういうステップで事業を運営していくべきかという総まとめを行った。2時間の予定が大幅にずれ込み4時間も経っていた。
さて「テストは夜7時から、今何時?」と我に帰るともう5時。外国人が騒ぎ始めた。「腹減った」「皆で飯食っていこう」「老師も一緒にどう?」など。そして「テストはどうなんの?」「勉強する時間がねえじゃねえか!」。そこから白人と老師のつばぜり合いが始まり、人の良い老師が折れた。
「今日の会社へのコンサルは大変良かった。テスト会場には入らず、研究室に来い。そこで特別なテストをやる」
「フォー!!」
全員が「レイザーラモン住谷」状態である。多分テストは簡単なものであろうという期待で。
いざ指定された時間に行ってみると老師は別の授業の真っ最中。「どうなっとんねん」ということでその教室の外で待つ。他の中国人クラスメートが「おう、試験勉強したんか?」といいながら通り過ぎていく。慌てて皆で別の場所に行き、待機。俺が代表して老師を待つことに。
なかなか教室から老師が出てこない。遠くで待つ交換留学生が「どうだ?」「きたか?」と詰め寄ってくる。やっと老師が出てきて捕まえる。
「皆で待ってんねんけど?」
「ほな、いこか」
って感じで20名が待つ場所へ。そしてグループでのレポートをA4で書けという命令がくだった。イニシアチブをとっていたカナダ人がやることになった。そして全員笑顔で飲みに出て行った。どうも「特別なテスト」を作る暇が無かったようだ。
後で中国人クラスメートから次々と携帯に電話が入ってるのがわかった。「試験会場に来ねえから心配して電話したんやでえ(俺のテストの回答をコピーするつもりだったらしい)」と口々に言われ、「遅刻したから別の場所で試験を受けてた」「すっげえ難しかった」などと冷や汗をかきながら答えるのはしんどかった。
他の白人が「テスト受けてへんで」などと言おうものなら嘘つきのレッテルを貼られ、反日運動につながりかねない。しかし、清華大学側が交流会、紹介など何もアレンジしていなかったのでどれが交換留学生でどこからきてるのかほぼ知らなず、「なんか白人がおるな」という感じだったので多分大丈夫と思っていた。
カナダ人がいつレポートを出したのか知らないが、結構いい成績がとれていた。
勿論、全く何も無しで単位がとれたわけではない。一つはグループレポート、もう一つは個別レポートを書いて試験は受けなかった。
何が起きたのかというと、一つの課目は外国人が持ち前の押しの強さと白人コンプレックスを利用して教授にレポートでOKにしてくれと迫ったのであった。
清華大学MBAには「交換留学制度」なるものがあり、NY大学やら、ペパーダイン大、サンダーバード大学やら、フランス、スエーデン、カナダ、シンガポール、タイ、韓国、イギリス、果てはチリ、アルゼンチンの有力ビジネススクールと提携していて、お互いに1学期ずつ生徒を受け入れあいましょうというシステムになっている(何故かMITは包括契約相手なのだが、入っていない)。
2年、4学期の中で3学期目にクラスの2/3は海外へ散ってゆく。その代わりに世界各国から生徒がやってきて、一緒に授業を受けるのである。「中国語ばっちし」みたいな奴は華僑を除いてほぼ居ないので、必然的に少ない英語の授業でいつも顔ぶれが一緒になる。
そうなると中国語出来ない、住むところも大体一緒、授業も一緒、白人、英語べらべら、遊び好き、陽気ということで結束するのだ。
ではその一つの課目に話しを戻そう。
老師はマーケティングで新進気鋭の女性老師。コンサルティングの経験が豊富で、ハイアールやら何らやのコンサルティングで中国を飛び回っている。そんな老師が清華大学出身で貿易会社を立ち上げたが、将来が不安という人とつながっていて、中国に興味があってわけわからん国にわざわざやって来た外国人と交流してもらい、外国人の観点から何か言わせてみようという企画が持ち上がった。
しかし、運悪くそれがテストの日であった。授業の内容と試験の範囲が全く違うという異例のテストである中外国人は猛反発。しかし中国企業を見てみたいという好奇心も旺盛。しかも老師が「会社見学は義務だ」と授業中に言ったが、後でテスト日と重なることがわかり、ネット上で「興味がある人だけ」と言い換えていた。
しかし外国人はそんな告知をする掲示板のありかなど知るわけがない。ということで当日集まったのは外国人と俺だけ。俺は中国人クラスメートも来てるだろう、テストの情報を聞かせてもらおうという魂胆で行ったのだが、交換留学生20名以外の学生は俺一人であった。皆試験勉強中なのであった。俺も勉強してから望んだのだが、さっぱり解らず、焦っていた。
ということでタクシーに分乗して会社に到着、会社の総経理始め会議参加者はほぼ全員英語が出来たので、セオリーに従ってビジョン、ミッション、戦略等ヒアリングして、ぎゃんぎゃんああでもないこうでもないと意見交換をした。これはこれで面白かった。
「取り扱い品目にコンペティターがでてきたので、多様化すべきか、あえてその製品で立ち向かうべきかを迷っている、でも資金がそんなに無い、将来はコンペティターも増加してくる」という状況の会社だった。最後には会社としてどういうステップで事業を運営していくべきかという総まとめを行った。2時間の予定が大幅にずれ込み4時間も経っていた。
さて「テストは夜7時から、今何時?」と我に帰るともう5時。外国人が騒ぎ始めた。「腹減った」「皆で飯食っていこう」「老師も一緒にどう?」など。そして「テストはどうなんの?」「勉強する時間がねえじゃねえか!」。そこから白人と老師のつばぜり合いが始まり、人の良い老師が折れた。
「今日の会社へのコンサルは大変良かった。テスト会場には入らず、研究室に来い。そこで特別なテストをやる」
「フォー!!」
全員が「レイザーラモン住谷」状態である。多分テストは簡単なものであろうという期待で。
いざ指定された時間に行ってみると老師は別の授業の真っ最中。「どうなっとんねん」ということでその教室の外で待つ。他の中国人クラスメートが「おう、試験勉強したんか?」といいながら通り過ぎていく。慌てて皆で別の場所に行き、待機。俺が代表して老師を待つことに。
なかなか教室から老師が出てこない。遠くで待つ交換留学生が「どうだ?」「きたか?」と詰め寄ってくる。やっと老師が出てきて捕まえる。
「皆で待ってんねんけど?」
「ほな、いこか」
って感じで20名が待つ場所へ。そしてグループでのレポートをA4で書けという命令がくだった。イニシアチブをとっていたカナダ人がやることになった。そして全員笑顔で飲みに出て行った。どうも「特別なテスト」を作る暇が無かったようだ。
後で中国人クラスメートから次々と携帯に電話が入ってるのがわかった。「試験会場に来ねえから心配して電話したんやでえ(俺のテストの回答をコピーするつもりだったらしい)」と口々に言われ、「遅刻したから別の場所で試験を受けてた」「すっげえ難しかった」などと冷や汗をかきながら答えるのはしんどかった。
他の白人が「テスト受けてへんで」などと言おうものなら嘘つきのレッテルを貼られ、反日運動につながりかねない。しかし、清華大学側が交流会、紹介など何もアレンジしていなかったのでどれが交換留学生でどこからきてるのかほぼ知らなず、「なんか白人がおるな」という感じだったので多分大丈夫と思っていた。
カナダ人がいつレポートを出したのか知らないが、結構いい成績がとれていた。