清華大学でMBAをとってきた変わり者

中国TOP「清華大学」で中国語ゼロ、唯一の日本人でMBA取得。現在会社側の「中国語完璧」の勘違いで上海で仕事中!

「技術戦略」コース

2005-02-27 | 清華大学
日本経済の生命線である「モノづくり」を土台とした技術のわかる経営者養成の為の「MOT(技術経営管理)」が日本では熱い。

日本では芝浦工業大学のMOTプログラム開設以降、様々な大学でMBAの技術者版であるMOTプログラムを開設し始めた。アメリカではMBAとMOTの融合が既に始まっているらしい。

果たしてMBAとMOT、どちらを受講すべきなのか。自分は文科系だが製造業出身なのでどちらかというとテクノロジーを中心に会社の強さを測ってしまうほうである。そこでMOTに進むかMBAに進むか結構悩んだ。しかしながら「中国に行きたい!」が自分の大優先事項であったのでMOTを諦めた経緯がある。

中国ではまだMOTという学問は独立して運営されていない。背景には大卒の60%は理系(!)だからという特殊事情もあるのだろうが、「まずはMBA」という考えの方が大きいだろう。まだまだMBAプログラムの内容が脆弱なのだ。

文系の経営者が製造業のトップにつくことはどういう影響があるのか?人それぞれ考えがあると思うが、私見としは以下のとおり。
Pros:①幅広い視野とバランス感覚を持つ
   ②売って儲けるという感覚
   ③良いものであっても売れなければ意味がないという感覚
Cons:①自社の技術内容、強さがわからない
   ②技術のトレンドがわからない
   ③長期的に必要な技術なのかどうかが見極められない
   ④短期的視野に陥る

理系のトップがついた場合は上とは逆になると思われる。

アメリカでは「MBA至上主義」が謳歌していた頃には文系のMBAばかりがCEOについていたように思う。果たして文系トップのもとで問題は起きたか?元IBMのルイスガースナー、HPのフィオリーナ(残念でしたが)、デルのデル会長を見る限りワークする。
しかし当然理系トップも蒼々たる人たちが居る。GEのウエルチ、マイクロソフトのビルゲイツ、インテルのグローブなど。

日本ではどうか。トヨタ、キャノン、ソニー、松下は文系、ホンダ、三菱重工、NTTドコモは理系がトップである。理系がトップである製造業の技術力はなる程評価が高い。一方文系トップの場合はどうか。

トヨタは自動車という数万点の部品が組み合わさる複雑なを組み合わて機械を作る技術がメインであり、効率と品質で追随を許していない。しかしホンダに比べると技術への偏向度は小さいようだ。ホンダはロボット、飛行機、の技術ではトヨタの何歩も先にいってしまった。
キャノンは利益で見るとすごいが、技術者に言わせると「コスト削減とマーケティングによる利益はあるが、技術が追いついていかない」という声が大きいようだ。理系トップの会社に多いのは「技術を売れる製品につなげることが出来ない」という声である。

韓国で見ると三星、現代自動車等の大企業グループのトップは文系が圧倒的に多い。それでいて技術力がトップレベルに達し、また飛躍的に向上している様を見ると理系、文系はやはり関係無いようである。しかし理系のトップが現れた場合にどうなるのかがわからない。もっと恐ろしい存在になるのか、凋落していくのか。

韓国の国有の科学技術院のようなところがロボットを開発したらしい。完全にAsimoなのだが・・・

http://www.people.ne.jp/2005/02/24/jp20050224_47847.html

結局は経営層全体の力が会社の力となると思うのだが、そこにやはり権力を持つ人間がどのような人間なのかが会社にとってのキーとなるのは間違いなさそうだ。儲からなさそうだが長期的に必要だと考える技術にあえて巨額投資を行う経営者、目先の株主利益の増大だけを考える経営者、合議制で何もかも意思を決定する経営者、勘だけで行動する経営者。

果たして文系として自分は「技術」をマネージメントの中でどう捉えていくことができるのだろうか。

オール中国語の「技術戦略」コースを選択した。はっきりいって理解できない。中国語出来ないんで。何かをつかむことが出来ればいいなと考えている。


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