岩瀬牧場。牧場の朝歴史資料館(旧岩瀬牧場事務所)。福島県鏡石町桜町。
2024年6月1日(土)。
岩瀬牧場は唱歌「牧場の朝」のモデルとなった日本で最初の西欧式国営牧場で、明治時代に開墾されて以来、現在も場内には牛舎で牛を飼育しており、畜産関連の貴重な資料が残されている。
現在は観光牧場になっており、バターづくり体験、農作物の収穫体験、四季折々の花が咲きわたるフラワーガーデンや、レストラン、売店、手漕ぎ自転車・ツリーハウスといった遊具などもあり、バーベキューも楽しめる。
1876年(明治9年)の明治天皇の東北巡幸ののち、1877年(明治10年)から1878年にかけて牧羊地調査が行われ、1880年(明治13年)以降に官有第一種皇宮付属地「宮内省御開墾所」が開設された。
1890年当時、御料地は岩瀬第1から第5まであったが、このうち第1から第3までの敷地約650haが同年7月に岡部長職(ながもと、最後の岸和田藩主で子爵・政治家)に設備や家畜とともに貸下げとなった。
1907年(明治40年)に牧場経営は株式会社化され、1908年(明治41年)にはオランダから血統書付きホルスタイン種牛13頭を購入した。
1910年(明治43年)に朝日新聞記者の杉村楚人冠が牧場長の永田恒三郎の招待で牧場を訪れ、その情景をもとに文部省唱歌「牧場の朝」を書いている。
1967年(昭和42年)に福島交通社長の小針暦二が牧場を取得して、有限会社岩瀬牧場を設立した。
①ただ一面に立ちこめた 牧場の朝の霧の海 ポプラ並木のうっすりと 黒い底から 勇ましく 鐘が鳴る鳴る かんかんと
②もう起き出した小舎小舎の あたりに高い人の声 霧に包まれ あちこちに 動く羊の幾群の 鈴が鳴る鳴る りんりんと
③今さし昇る日の影に 夢からさめた森や山 あかい光に染められた 遠い野末に 牧童の 笛が鳴る鳴る ぴいぴいと
牧場の朝(まきばのあさ)は、文部省唱歌で、作詞は杉村楚人冠、作曲は船橋栄吉。初出は1932年12月「新訂尋常小学唱歌(四)」。
曲の舞台は、福島県岩瀬郡鏡石町にある岩瀬牧場とされている。同町では、本曲を町歌に相当する「町のシンボルソング」と定めている。
1968年には、NHKの『みんなのうた』で紹介された。
2006年(平成18年)に文化庁と日本PTA全国協議会が「日本の歌百選」に選定した
鐘。鏡石町文化財。
日本最古のコンクリートサイロと牛舎。
牛舎。
牛舎の裏側。
売店でソフトクリームを食べたあと、白河市の小峰城跡へ向かった。